見出し画像

ついに最終回! 稲田俊輔「お客さん物語」(No.1008)

考える人 メールマガジン
2023年5月11日号(No. 1008)

新連載「建築の対岸から」がスタート!――編集長のイチオシ

 堀部安嗣さんの連載「建築の対岸から」がスタートしました。住宅から公共建築まで様々な建築を手掛けてきた堀部さんは、『住まいの基本を考える』(新潮社)などの著書でも知られる、現在を代表する建築家のひとり。

 その序文のタイトルは「もう建築はいらない?」という刺激的なものです。日本の建築を振り返り、「先進的と言われた建築は驚くほど早く衰退」し、「スクラップ&ビルドを繰り返すと多大なエネルギーとお金を浪費し自然を破壊」してきたことを憂慮する堀部さん。これからは「なぜ建築が必要なのか」と、原初的なところまで問いを深めなければいけないと訴えます。

 そのためには、政治学や歴史学、科学など建築以外の分野の知見が必要と、以降は毎回各分野の専門家をゲストに招き、建築についての対話を重ねていく予定です。
 第1回目のゲストは政治学者の中島岳志さんで、タイトルは「死者の声が聴こえる場所とは?」。対話はこのように始まります。

堀部 最近、建築あるいは住まいをつくるまえに、考えなくてはならない、整理しなくてはならないことが多々あると感じています。建築家としての創作意欲は人一倍もっているのですが、〈良い環境をつくる〉という大目標に対して、ひょっとしたら建築をつくらないという選択肢もあり得るのではないか、という思いが頭をよぎります。そんななかで出会ったのが、中島さんの「憲法は死者の声である」という言葉でした。

中島 憲法の言葉とは、無数の無名の死者たちの声の集積であって、その言葉がいまを生きる為政者や権力者を縛っている――そのような意味合いで使っています。

堀部 言い換えると、憲法とは社会における死者の居場所である、ということですよね。建築を考える上でも非常に重要な言葉です。

 さらに昨日配信された連載第2回は、作家の若松英輔さんがゲスト。冒頭に発せられた若松さんの「私たちの魂はもう一つの神殿である」という発言から、一気にふたりの対話はヒートアップしていきます。ぜひご一読を。(編集長・金寿煥)

アクセスランキング

■1位 稲田俊輔「お客さん物語」
最終回 嫌いなものについて堂々と語ろうではないか論

■2位 村井理子「村井さんちの生活」
愛だろ、愛っ。

■3位 田中宏和「#タナカヒロカズを探して」
2. 98日天下が、国際平和のNGOを生んだ。

最新記事一覧

■マキタスポーツ「土俗のグルメ」(4/28)
第8回 生まれた時からナポリタン

昭和を代表する、みんな大好きナポリタンが登場。題して「生まれた時からナポリタン」。とにかくすぐにでもナポリタンが食べたくなります。タバスコの用意もお忘れなきよう。

■稲田俊輔さんの連載「お客さん物語」(5/2)
最終回 嫌いなものについて堂々と語ろうではないか論

飲食店の店主として、また自らお客さんとして、店に集う人間模様を見聞してきた稲田さんによる本邦初の「お客さんエッセイ」、堂々完結! 
本連載は、この秋に書籍化の予定です。ご愛読に感謝申し上げます。

■田中宏和「タナカヒロカズを探して」(5/3)
2. 98日天下が、国際平和のNGOを生んだ。

「同姓同名最大の集まり」のギネス世界記録認定からわずか98日後、セルビアの「ミリツァ・ヨヴァノビッチさん」たちが記録を更新!?

それを機に「国際同姓同名連盟」を設立することに。

■南直哉「お坊さんらしく、ない。」(5/8)
二十五、「教祖」になれない

修行僧の時代、法要の打ち上げで訪れた夜の店。そこで起きたある事件。南さんは、今でも強く後悔していると言います。

■堀部安嗣「建築の対岸から」(5/10)
若松英輔にきく、身体の内に建てる家とは?

今回の対談ゲストは批評家・若松英輔さん。《若松さんは、実は人の身体の〈内〉に建築をつくっているのではないか》。人が自分の中に建てる家とはどういうものなのでしょうか。

前編

後編

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■考える人
https://kangaeruhito.jp/

■note
https://note.com/kangaerus

■Twitter
https://twitter.com/KangaeruS

■Facebook
https://www.facebook.com/Kangaeruhito/

Copyright (c) 2023 SHINCHOSHA All Rights Reserved.
発行 (株)新潮社 〒162-8711 東京都新宿区矢来町71
新潮社ホームページURL https://www.shinchosha.co.jp/

メールマガジンの登録・退会
https://www.shinchosha.co.jp/mailmag/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

もしサポートしてくださったら、編集部のおやつ代として大切に使わせていただきます!