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カルビが食えない

結婚した記念に焼肉屋へ行った。

ちょっといい焼肉屋で、たくさんお肉を頼む。私が頼むものはいつも決まっている。カルビとロースだ。

まずロースが来た。すごく美味しい!柔らかくて、濃厚な味。舌鼓を打っていたところにカルビがきた。

わくわくしながら口に運んで、ん?と思った。
美味しい。けど……重い。脂がくどい。

1枚目は食べれたけど、2枚、3枚と続くにつれ段々キツくなる。
頼んだ分は完食したものの、食後にはずっしりと胃に重さを、口に脂を感じた。

また別の日、学生以来にスイーツパラダイスへ行った。
学生の頃は端から端まで、すべてのケーキを食べていた。懐かしい。そう思いながら、好きなケーキを皿に取る。

ひとつ食べ切ったところで思った。
この一皿で十分だな……。
全種類なんてとても食べられない……。


つまりこれは……老化だ!!
老化により消化器官が弱っている。

学生のころによく言われていた。
そんなに食べられるのは若いうちだけだからね。大人になったら食べられなくなるから。」
なったんだ……大人に。

まさかこんなに早くものが食べられなくなるとは思っていなかった。もっと35とか、それくらいに「くる」ものだと思っていた。

私って、自分が思っていたより老化しているのだ。体は歳をとっているのだ。
その自覚が、「前ほど食べられない」ことで芽生えた。

カルビもスイパラのケーキも、もう重くて食べられない。
楽しく食べられたのは、あの時が最後だったのか……と思い返した。

気が付かないうちに、ラスト・カルビも、ラスト・スイパラも終わっていたのだ

そう考えると、今食べているものもいつラスト・〇〇になるかわからない。楽しく食べられるうちに食べないと……。

食べられるものが減っていくのは悲しいが、大人になって食べられるようになったものも、おいしさがわかるようになったものも増えた。

赤ちゃんは「苦い」とか「酸っぱい」という味を刺激に感じて苦手としているそうだ。それは腐っている食べ物を口に入れた時、味で気がつく必要があるかららしい。
しかし、大人になると「苦い」とかは必ずも腐っているわけではない、ということを理解して、ピーマンが食べられるようになったりする。
そう思うと、老いも悪いことばかりではない。

人間が老いるのは宿命。逆らうことはできないなら、老いを受け入れて、経験を増やして楽しんでいくしかない。

というわけで、今日もおいしくご飯をいただく。
いつラストがきてもいいように。

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