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妊婦に優しい「加熱寿司」を実現させるために、駆け抜けた1カ月の話

「妊娠中でも、おいしいお寿司が食べたい」

このnoteは妊娠7ヶ月の妊婦が、みんなでおいしいお寿司を食べるために試行錯誤した1.5ヶ月の記録になります。

これまでの経緯

下記noteに、まもなく産休に入る私が、なぜ火を通したお寿司(加熱寿司)を開発したいという想いに至ったのか綴っています。

ざっくりいうと

・妊娠中は身体的/精神的変化からくるストレスのみならず、当事者以外には伝わりづらい日々の食事制限によるストレスが大きいことを体感。
・妊婦さんを食の面からサポートし、前向きにマタニティ生活を送れるようにしたい。「妊婦さんも食べられる安全なお寿司」を開発したい。
・届けたい価値は、我慢せずに安心してお寿司を食べられるという体験。
・とにかく私がお寿司タベタイ笑

どうすれば実現できるか・・・

妊娠中でも安心して食べれるお寿司が欲しい。妊娠を経験した方なら誰しも一度は思うことだと思います。でも、どれだけ調べてみても私の欲求を満たすものはありませんでした。

「そもそもやるべきか」という問い
世の中にはアイデア・モノが溢れています。その無数にあるアイデアやモノの中で「加熱寿司」は世の中にとって必要であり(=意味があり)、実際に顧客がお金を支払って手に入れたいと思うのか。この検証を最優先事項としました。間違ったものを正しくつくることに時間と費用を割き、求められないものが世の中に生まれることほど不幸なことはありません。

「妊娠中の人が安心して食べれるお寿司」に需要はあるのか

ローコスト・ハイスピードで時短検証
「加熱寿司」のコンセプトが製品化に値するのかの検証を、低価格かつ高速で行うこと。資源のある大企業にありがちですが、莫大な時間やお金をかけて丁寧にMVP(Minimum Viable Product)を作っているうちに、世の中のニーズが変化したり、競合に出し抜かれていきます。ましてやノウハウも資源もお金もない個人のアイデアなんて、日々の何かによってあっという間に消失します。

いかにお金と時間をかけずに、試作品を生み出せるか

以上を踏まえて、あまり難しく考えすぎず、走りながら考えることを意識して、身近なところから、一歩一歩できることをやってみることにしました。

この一ヶ月でやったこと/わかったこと

具体的にやったことは以下の通りです。周囲のみなさんに助けられ、想像以上にいろいろ取り組み、学ぶことができた一ヶ月でした。

12/25:①企画を考える
12/28:②Twitterで呼びかけ
01/23:③お寿司屋さんと共同開発・発売
01/30:④自分たちで宅配
02/08: ⑤テレビの取材を受ける

①12/25:企画を考える

この段階では、完璧につくりこんだ事業計画を目指さないように意識しました。マネタイズやオペレーションまで構築しても、現段階ではそもそもニーズがあるのかの全く未知の状態であり、「加熱寿司が本当に求められるのか?」「どうやってそれを検証できるか」の2つを考えました。

②12/28:Twitterで呼びかけ

現在の企画が、PSF(Problem Solution Fit)が出来ているのか、つまり「解決する価値のある課題と、課題の解決方法が適切なのか」を検証するために、Twitterに下記投稿を行いました。

結果、目標数値を大きく上回る反響をいただき(4700いいね、1200RT)、妊婦さんのさまざまな想いに触れることができ、加熱寿司が妊娠中の女性に受け入れられる、一定の確信を持てました。

また同時に、想定外のターゲット(乳幼児、抗がん剤治療中、外国人など生ものNGな方)からのニーズの発見もありました。

この後、回転寿司から加熱したお寿司のみを選別・テイクアウトし、セットとして並べて反応を見るなど、SNSを通して初期の検証をおこないました。

反応いただいた皆さん、ありがとうございました!mm


③01/23:お寿司屋さんと共同開発・発売

これまでの取り組みでニーズは検証できたものの、「欲しい」と「買う」は全然違います。なぜなら、RTもいいねも無料だからです。商品イメージも受け手によってブレが出ます。「SNSでバズった、クラファンで成功した、などを理由に、大規模投資をしたが売れなかった」事例は少なくありません。

「商品が目の前にあったとき、実際に顧客が購入してくれるか?」
いきつけのお寿司屋さんの多大なるご協力のもと、検証を行いました。

加熱寿司は身銭を切って購入するほど、求められるものなのか

結果、お店がある森下に足を運ぶ必要があるにも関わらず、10名以上の方のご予約(テイクアウト含む)を頂きました🎉

ただ単に美味しいお寿司の情報を投稿してもこうはならないので、必要な人に「加熱寿司」の価値がとどいた結果だと思います。実際に購入してくれた方のよろこびの声をTwitterで拝見するたび、すごく嬉しかったです。

加熱寿司は妊婦にとって、多少の手間/費用を払ってでも手に入れたいもの

④01/30:自分たちでお届け

とはいうものの、このご時勢、妊娠中の身重な女性がお店まで足を運ぶのは大変です。店舗へのアクセスが難しい方の声もSNSで目にしました。

「お客さんをリアルで知りたい、声を聞きたい」という想いもあり、1日限定で宅配寿司を企画し実行することにしました。(レンタカーの手配や運転は夫がしてくれました)

結果、6名から連絡をいただき、立地や時間の関係上、すべての方にお届けはできなかったものの、2名の方に加熱寿司を届けさせていただきました🚚

お渡しの際、少しお話を聞くこともでき、妊娠中の苦労やお寿司への熱いキモチ(笑)など、それぞれの想いに触れ、ますます形にしたい気持ちが強くなりました。

画面の向こう側にたしかにユーザーは実在した(しかも自分と同じ境遇)

⑤02/08: テレビの取材を受ける (!)

そんな取り組みを行っている内に、広報の観点からサポートしてくれている友人のお陰で、TBSのNスタに取材して頂けるというご縁に恵まれました。

企画の都合上、お寿司屋さんのチャレンジに焦点をあてた編集となりましたが、「妊婦さんにもお寿司を楽しんでもらいたい」という想いを起点に、より多くの方に加熱寿司を知ってもらうきっかけになりました。

取材を通して、より多くの方に加熱寿司を知ってもらいたく、加熱寿司のサイトを慌てて用意しました。やったことのないサイト制作でしたが、ペライチというサービスのおかげでなんとかなりました。

加熱寿司|妊娠中でも安心して食べれるお寿司を
https://peraichi.com/landing_pages/view/kane2zushi

振り返ると、怒涛の1.5ヶ月でしたが、さまざまな方のご協力を通じて、多くの声を聞くことができました。ひとつひとつのメッセージ、tweetから、皆さんのストーリーを感じ、自分ひとりじゃないということがすごく励みになりました。本当にありがとうございました。

それと同時に、より多くの方に加熱寿司を楽しんでいただくためには、まだまだ課題が山積みであることもよくわかりました。

つぎのチャレンジとお願い

出産予定日の5月26日までに、Web上でも受注販売を開始し、妊娠している方のお手元へお届け出来ることを目指しています。現状、要望をいただいても、お届け出来ていないことのほうが多く、課題が浮き彫りになってきました。

👩‍⚕️安全性強化のために、管理栄養士、産婦人科医の協力が必要であること
👨‍🍳全国配送のために、冷凍や配送など、技術対応可能なパートナーが必要であること

母子ともに健やかな生活を送るためにも、食事を通して、ストレスの少ないマタニティ生活を送れる社会を目指して、やれるだけのことをやってみたいと思います。

加熱寿司の実現を、ともに目指していただける仲間を募集しています。
ぜひ、お気軽にDMやコメントお待ちしております。

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