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### 企業再生に奮闘した銀行員のリアルな話※経験談




僕は金融機関で働いていて、入行以来、融資をメインに顧客担当をやってきました。中でも、中小企業の経営に関わる中で、「本当に何が起こるかわからない」って痛感することが何度もありました。

私の過去の経験である食品製造業の優良企業がありました。業績もバッチリで、どの金融機関も「うちから借りてください」ってお願いするくらいの企業でした。でも、そんな企業でもひとつのきっかけで経営が急変することがあるんです。

その企業が、主要取引先の大手企業から「前年の倍の受注を約束するから、使ってない工場を引き受けてくれ」って打診されたんです。受注が倍になるならってことで、その提案を受け入れたんですが、実際には受注は全然増えず、経費と負債だけが膨れ上がって、経営が一気に苦しくなってしまいました。

そんな状況で、僕はメインバンクの担当として、各金融機関と話をしてリスケ(返済スケジュールの見直し)を実施しました。毎月、資金繰りの確認をして、経営改善の進捗もチェック。バンクミーティングを毎月開催して、主要取引先へ一緒に出向き単価引き上げの交渉までやりました。

さらに、中小企業診断士の先生にも入ってもらって、各金融機関と連携しながら経営改善をサポート。企業自身の努力もあって、少しずつ業績は回復していきました。コロナ禍を乗り越えたところで、僕は転勤になりましたが、後任の担当にもちゃんと引き継ぎができて、今では問題なく経営が続いていると聞いたときは、本当に嬉しかったです。

この経験を通じて、銀行員としての役割や責任について深く考えるようになりました。確かに大変な思い出ばかりですが、企業を救い、雇用を守るために少しでも力になれたことが、僕にとっては貴重な経験です。正直、企業の復活はその企業の尽力による部分が大きく、僕の貢献度なんて微々たるものかもしれません。それでも、倒産しそうだった会社を救えたという満足感は、やっぱり感じています。

銀行員は、少なからず融資先や融資した先が良くなってほしいと誰しもが思っています。僕も、銀行員はこれからも続けるつもりですが、今後も誰かの役に立つ仕事をしていきたいです。もちろん、綺麗事だけで救える会社ばかりではないことは百も承知です。それでも頑張っていきます。

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