システム思考をアントレプレーシップ教育に活かす

最近、グローバルな観点から、アントレプレナーシップ教育を見たときに、アントレプレナーシップ教育に携わる教員のディシプリンがここ3年くらいで変わりつつあるように感じることがあります。
5年くらい前までは、デザイン思考を含めたプロダクト・サービスデザインをリーンスタートアップ的に試す、というような手法が強かった。でも今はどちらかというとデザイン思考+システム思考+Behavioral Scienceにフォーカスが移りつつあるように思います。
その背景には、新規事業を立ち上げるというプロセスが、ビジネスモデルを構築する、ということから社会課題を解決することが重視されるようになったことがあります。社会課題を解決するためには、デザイン思考の強みが活かしやすい局所解ではなく、システム全体のつながり考えて全体にinfluentialな解を考えないといけない。そして誰もが新しいアイディアを生み出せる時代になると、ボトルネックは利用者の行動変容をさせられるかどうかになり、そうするとbehavioral scienceがかなりディシプリンとして重要になってくる。

ということで、ここ数年くらい、この領域を掘り下げてみたいと思うのです。こういった問題意識を持つようになったのは、早稲田大学T-UNITE主催Faculty Development講座に参加して、理工学術院の大森さんから、システム思考について、色々教えてもらったから。大森さんと二人で、デザイン思考とシステム思考を組み合わせたワークショップを作って、実際にプロトタイプの授業を実施してみました。

デザイン思考+システム思考

デザイン思考+システム思考は、Stanford d.shoolのThomas Both氏が授業を既に展開しています。その授業の概要は以下の通り。

システム思考

システム思考を学ぶにあたっては、以下のTEDが参考になります。

以下の本はシステム思考を学ぶのにおすすめ。

社会課題の解決

社会課題の解決に関しては、以下の本がおすすめ。

HBRの論文としては、以下が有名です。

日本語版はこちら。

ソーシャル・イノベーションを学ぶには、以下の2冊はおすすめ。

デザイン思考と社会課題

スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビューが、デザイン思考と社会課題について扱っています。

https://ssir.org/articles/entry/the_next_chapter_in_design_for_social_innovation

アパレル産業の社会課題

大森さんと実施したワークショップでは、アパレル産業を題材にしたので、それに関連するビデオなどをご紹介します。

Behavioral Science

社会課題の解決のためには、Nudgeと呼ばれるような行動変容を促す仕組みが重要ということで、関連するリンクとしては以下のものがあります。

Recycling nudge in Wimbledon


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