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Mastodonにハマったら精神的に楽になった話

こちらはFediverse Advent Calendar 2023の第3会場の12/14日目の記事です。みんなで記事書いて、読んで、をたくさんできるイベントです。たくさんの記事が投稿されているので是非読んでみてください。

そして、もう12月も半ばまできています。12月ってホント、秒で時間なくなりますよね…… 12月が終わるということは、この1年が終わるということなんです。早いですねぇ。この1年で大きく変わったことがあるとするならば、Mastodonにハマったということでしょうか。

厳密には去年の11月からはじめました。SNS人民大移動があった月ですね。そのときはX(旧Twitter, 以下X)をよく使っていたのですけれど、これからお話しすることもあって、最近はXに投稿することがめっきりなくなっちゃいました。

タイトルにもあるとおり、Mastodonにハマったことで精神的に楽になりました。そのSNSで神秘的な教えを説かれて悟りを開いたとかいうスピリチュアルなものではありません。使っているうちになんとなく、ああ、今まで精神的に疲れてたんだなあ、と気付いて、今はSNSにおいてストレスを感じることが少なくなったように思います。どうしてか、自分でも明確にはわからないのですけれども、恐らくそうだろうと考えられるものを書いていこうと思います。

躍動感のあるカモメ置いておきますね

Mastodonを始める前の私

昨年の11月、Mastodonをはじめる直前の精神は今のXのような崩壊度具合でした。

欲しいものは手に入らないし、環境はコロコロと変わるし、どんなに頑張っても認められないし、まるで空虚そのものでした。

会社の人事異動によって夜勤のある部署に来た私は昼夜逆転シフト勤務のなか、仕事を覚えようと必死になっていました。しかし、物覚えが悪いのに加えて体調も悪く、勤務中は常に腹痛がしていました。こんなはずじゃなかったのになあ、と就活を適当に済ませた自分を恨みました。夜勤の休憩中、Twitterを眺めては、自分がやりたい仕事をイキイキとする人に嫉妬しました。

TwitterからXに名前が変わりましたが、それもそうだと思えます。なぜなら、今のXには「つぶやき」は存在せず、ただ情報と作品と行き場のない感情が流れているばかりだからです。くだらないことで盛り上がれる場ではなく、炎上と隣り合わせで、とても落ち着ける環境ではなくなってきています。

次から次に流れてくる成功・成果・輝かしい光にクラクラとしてしまい、めまいでぐるぐるとしてしまい、もう限界でした。

それでもXから離れるわけにはいきませんでした。作品を作って発表していたからです。

ですが、作品を発表しているオフィシャルなアカウントであるにも関わらず、上記のような鬱々とした投稿をして、長文でツリーを作って感情を吐露して、もちろんいいねなど付くはずもなくて、それでもどこか「許してほしい」と甘えてしまって、ほんとうにどうにかしていました。

どんな経緯でマストドンを知ったか覚えてはいませんが、日勤の仕事終わりになにかを変えたくて始めたことだけは覚えています。


ストレスがたたって夜中3時に突然作った3人前のパスタ

「石の裏」との出会い

はじめに登録したサーバーは「mstdn.jp」でした。そこは汎用サーバーと呼ばれており、特定の話題で盛り上がる専門チャンネルではなく、雑談や感情の壁打ち、大喜利から、ウワーッと言いたくなるおいしそ!な写真まで、あらゆる話題でタイムラインが構成された場所です。

InstagramやXのようにキラキラとした肩書きのある人は少なく、しかし、投稿(トゥート)の節々から(この人、何者なんだ?)と思わせる、ミステリアスな雰囲気につつまれたところが気に入りました。

「肩書きやフォロワー数」ではなく「投稿(トゥート)の良さ」が重要視されている(ように思える)ところが快適です。フォロワー数を気にすることがないため(そもそもユーザー数が膨大ではないので)、上下関係のようなものがなく、フラットに関われるところもいいなーと思っています。

肩の荷が少しおりた気がしたのです。Mastodonと出会うまでは、心のどこかで「ネット上で有名になりたい、ならなくちゃいけない、バズりたい、バズらなくちゃいけない」といったような焦燥感がありました。

今までネットと共に生き、ネットに生かされてきた自分は、いつかは「ネット上で活躍したい」と思っていたのです。周りの同年代がネット上で成功しているのを見ているからこそ、次は私も、ああいう風になりたい、と思ってしまったのです。その尊大な期待がインターネットライフをギスギスしたものにしているのだと気付けなかったのです。   

mstdn.jpは、とあるユーザーが「石の裏」と称していて、私はその表現が好きでよく使っています。欲望とか愚痴とか寂しさとか、そういう心のじめじめとしたところを少しだけ出せるところが、石の裏の水分を含んでじめっとしているところと似ているなと感じるからです。

そして、そういうネガティブな発言をCW(コンテンツワーニング、NSFWのようなもの)したり、フォロワーだけや自分だけに公開できたりと、痒いところに手が届く仕様になっているのです。

私が500文字近い長文で愚痴を書いて、それをローカルタイムライン(jpに登録しているユーザーの投稿が時系列順にすべて閲覧できるページ)に垂れ流し、ベテランの方に注意されるなどといったことをやらかしてしまった過去もありますが、そういった“痛い”投稿も大きく話題にならず、川を流れるように忘れ去られていく、そんなサラッとしたところもまた気に入りました。

いいね(ファボ)をした投稿を他人が見られない仕様なのも好きです。ちょっとでも気に入った投稿があったらすぐに☆をつけ、それに気づいてつけかえしてくれ、フォローフォロワーの関係ではなくてもちょっとした交流が手軽にできる、そんなゆるゆるとした交流をしていたら、気が付いたら1年が経っていたのです。

石の裏には輝きはないものの、インターネットに親しんだ人が多いためスルースキルが高く、「ま、そんなこともあるよねー」と寛容な空気がありました。その寛容さが私にはとてもありがたかったのです。

フォロワーの住んでいる沖縄に行ったりもしました

ほんわかサーバーでの成長

そんなjpの欠点は例の漢字がよく目につくのは別として(ユーザーの入れ替わりが激しくて最近はその漢字を目にすることも減ったけど)、よく落ちることです。500 の文字が現れては投稿がまったくできなくなる状態が続くのです。Xやインスタでは考えられないような事象です。サーバーもナマモノなんだなーと感じるところは好きですけれども、投稿できないのは困りものです。

そんなときに出会ったのが「Mastodon Japan Server」、mastodon-japan.netとも表される、通称じゃぱね、じゃぱねっとです。

ほんわかレスが多く、ユーザー間の交流が多いアットホームなところ。管理人の「くろりんご」さんが定期的にメンテナンスをしてくださるので安心して使えるサーバーです。

利用しているユーザーにはあたたかい人が多いので、「○○したよ!」と投稿するとタイムラインにいる人が「偉業」「えらいっ!」の絵文字で反応してくれるのがほほえましい。そんな光景が日常な場所なのです。

仕事で疲弊したときにはこちらのサーバーに行って癒されていました。ただ、タイムラインを愚痴で埋め尽くすのもあれなので、ほどほどのイン率ですけれども。しかし、何かに集中したいときには向いていると感じていて、転職に向けた資格試験時には励ましを求めて入り浸り、結果的には合格することができたのです。ありがとう、じゃぱねっと……。

試験に合格したことはとても嬉しく、最近の成功体験として記憶に残っています。ネット上ではなかなか芽がでなかったものの、リアルでのこうした成長が大事なんだなあと気付いた瞬間でもありました。


横浜マラソン7キロを完走できたのもじゃぱねのおかげかも

Fediverseの海のなかで

最近は「Fedibird」にいることが多くなってきました。Fedibirdというサーバーの良いところはローカルタイムラインがないところです。ローカルタイムラインに流れてくる話題にどうしても乗っかって話してしまうので、時間が吸われてしまうことに気付いたのです。ハマりすぎですね。

タイムラインでの交流に使っていた時間を今では長文をしたためることに使っています。Mastodonは長文を書けるとはいっても結局はSNSであり、スクロールしているときに長文が流れてくることを好まないユーザーが多いので、長文はまた別のところに書くことにしたのです。

フェディバースとは関係ないサービスとなってしまうのですけれども、「しずかなインターネット」が居心地が良いのですよね。こちらについてはまた別の機会にお話ししたいと思います。

最近行った天橋立。まだまだ知らない絶景があるものですね

Mastodonで自身を見つめなおせた

こんな副題をつけると一気にnoteっぽくなりますね笑

見つめなおせたのは本当で、やはり私には感情の壁打ちをして「私は今こんなことを考えているのだ、悩んでいるのだ」と気づく必要があったように思います。それを叶えてくれたのが長文が書けてひとりでも楽しめる、かつ交流もあって寂しすぎることもない、Mastodonだったのです。

もしかしたら別の手段があったかもしれません。しかしながら、今のところ代わりになるような場所を見つけられていません。しばらくはお世話になり続けるだろうと思います。

仕事で辛いときも、プライベートで楽しいときも、なんとなく呟いてしまう、そんな場所が見つかったのは幸いです。これからもよろしくお願いします、Mastodon。

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