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位置情報を共有するのは気持ち悪い?

こんにちは!内野です。
SC_Fleetの導入実験を行っていますが、気になる話題が上がりました。
「位置情報を見られるのは気持ちがいいものではない」


ふむ。

2020年ごろでしょうか。
Z世代は位置情報を常に共有していて、だれがどこにいるのか瞬時にわかるようになっている。ということが話題となりました。
当時のサービスはZenly。
今はSnapChatのサービスに代わりSnapMapとなっています。

Z世代の「タイパ(タイムパフォーマンス)志向」と相まって、連絡を取る手間すら省くために位置情報共有アプリを活用する彼ら彼女らのライフスタイルへの理解も浸透。さらにzenlyは若者世代だけではなく、家族を持つ、より上の世代へと利用者層を広げていった。

日経XTREND2023.05.18位置情報共有アプリ「whoo」って何? 次のzenlyの座を競うより

現場へのサービスを落とし込む難しさをSC_Fleetの位置情報取得方法と一緒に考えていきます。

Fleetって何よ?

まず大前提として、Fleetは重機のリアルタイム追尾アプリケーションです。
重機に取り付ける、ペイロード(運ぶ土の重量がわかる機能)と共に導入することで、どのトラックが、どのぐらい、土を運ぶのかわかります。

導入はスマートフォンに内蔵されているアプリケーションを利用するか、外付けのGPSデバイスを取り付けるのか、という2択になっています。

取り付けるメリットは様々ありますが、
積み込み量管理、運行管理、運転手と誘導員との意思疎通、現場内の安全管理

非常にメリットの多いサービスになっています。
人が運用するときはスマートフォンにFleetアプリケーションを入れて、バックグランドで立ち上げておくと、「トラックがあと50mで来るよ~」と通知を出してくれたり、○○さんは今ここにいるよ~と居場所を教えて、正しく配置されているか確認することができます。

金本組のちょっと違う使い方

上記が想定された使い方なのですが、金本組では少し実験的なことをやろうと思っています。

というのも、このFleet人と重機の間をGPSで測ってくれるので重機の半径○○以内に入るとアラートを出す、という設定ができます。(精度はそれなり)
また、アプリを通じてトラックの運転手と現場にいる代理人が意思疎通をとることができます。(トラックは今どこにいるかな、とか)
さらに、位置がリアルタイムに取れるため”代理人の○○さん、今作業してて忙しそうだな”というのが一目でわかるようになっています。

これらのことから
”カメラを使わない安全管理”
”位置を前提としたコミュニケーション”
ができるのではないかと考えたわけです。

カメラで安全を図る、という方法があるのですがそれでは機材の導入費がかかります。また、常に見張っていなければいけないとか、録画を見返すなどいうことが発生し、役に立たないことがあります。


※とはいえSafieはいいカメラです。
建設現場で大活躍するSafieのクラウドカメラ

そういったことから、位置を取れればいいじゃない。ということを考えたわけです。

でも、位置が取られるって気持ち悪いよね

でもですね、実際導入すると「位置が取られるのは気持ちいものではない」という意見が出ます。

想定されていたことですがやはりそうです。
例えば私たちの運転が日々警察に送られるなら”嫌”ですよね?
メリットはかなり大きいです。
事故も無くなります。いざというときには互いに証拠になります。
が、きっと私も含めて国民は納得いきません。

Fleetはトラックの位置、速度などきめ細やかに出る

でも、今私たちはそれをやろうとしています。
非常に違和感を感じますね。

Zenlyはなぜ流行したのか?

ここで、話を最初に戻します。
本来は気持ち悪いはずの位置補足ですが、Zenlyはなぜ受け入れられたのでしょうか?

このように“遊び“において、待ち合わせはつきもので、”遊び“だからこそ時間にルーズであることが多い。そんな若者の日常の”ちょっと困ること”を、解決してくれる便利な機能が『Zenly』にはあるのだ。

 待ち合わせに限らず、予定していない相手と偶然に出会うことにも使われる。例えば、同じ渋谷のすぐ近くに友達がいることがわかれば、サッと会いに行くことができる。別々のバイト先でも、すぐ近くにいることがわかれば一緒に帰ることもできる。友人と遊んでいて、共通の友人を呼びたくなったときに、その友人がどこで何をしているかわかれば連絡も取りやすい。今いる場所に近いところにいる友達をすぐ探せるため、無駄な連絡を取らなくて済むのだ。

 若者言葉で“場面で”というワードが流行ったように、若者はなんとなくで“遊び”などを決め、状況や気分によって考えが移ろいやすく、変化に対応するのが早い。こうした若者の、詳細を決めない待ち合わせ、予定していないところで友人と会う、急遽遊びに誘いたい、などのニーズに適応したからこそ『Zenly』は10代の若者に支持されるアプリとなったのではないか。

位置情報共有アプリ『Zenly』、10代の間でなぜ流行? 若者の“遊び文化”との相性を考える|Real Sound|リアルサウンド テック

大前提利用するのは「友達」です。
また、LINEやSNSで”何してる?”と聞かなくても、きっかけをつかむことができるので利用する、「遊び」のために。

どこにいようが、目的は「楽しいことをする」「親しい人と時間・意識を共有する」などいったことだと思います。

この友達の間には「不安要素」は入っていません。

仕事で利用するときにこの「不安要素」を取り除く必要があるのだろうと思います。

仕事において位置情報は共有しあえるか?

”仕事”と名の付く状態では少なからず「不安」は付きまといます。
位置情報を共有すれば雇用主から
「なぜ、そのルートを、そのスピードで、行ったのか?」
「もっと効率的な動きができたのではないか?」
「いま電話出なかったのはなんでだ?」
こういった「不」の要素を言われるのではないかと、従業員は思います。

効率は重要だから!といって、パワープレイで導入しても「どうにかしてごまかそう」という無駄な知恵を働かせることにもつながりかねません。

何が必要でしょうか?

心理的安全性

やっぱりこの言葉に尽きるのではないでしょうか。
データを利用し議論するときは些末なことを気にかけず、本質に目を向ける。

こういったやり取りのルールやマインドを事前に整える必要があると思うのです。

システム導入は人のマインドセットから

いつも思うのですが、システムを現場に入れ込む時には「人」を大前提に考えたいものです。

ついつい、「便利だから」とか「メリットがあるから」とかで押し切りがちですが、管理するサイクルが回るようにデザインする必要があります。

こうなると、システム導入は互いの信頼性を高めることが最優先なのだろうと思うのです。