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短歌

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2016年6月の記事一覧

過去作だけど、時々かみしめるように思い出す歌。



創作の産みの苦しみの果てにあるものがひかりと信じているか



(自作短歌「ひかり」より)

短歌 #15 虹

短歌 #15 虹

少しずつ会わなくなって消えてゆく君と僕とは虹の関係

あの虹の麓が二人の目的地行けども行けども辿り着けない

真夜中に虹が見たいと君は言う冗談ですよと電話が切れた

消えるまで一緒に見ていたはずだった振り返ったら君も消えてた

さよならを言う暇もなく消えたのはほんとは君が虹だったから

                                   
※写真は「フリー写真素材ぱくたそ」さんか

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短歌 #14 雨の回顧録

短歌 #14 雨の回顧録

あなたとはただ手をつないだだけだったそれ以上でもそれ以下でもなく

雨だれに耳を取られて気絶するふと蘇るあなたの匂い

真夜中に鳴るワン切りの電話にはあなたからのも混じってたかも

雨音は記憶を辿る装置なり雨粒の数さえ聞き分けながら

「女の子って感じ」だと言っていたそれがあなたの最後の言葉