正しいライバルの定め方
ビジネスを続けているとある程度はライバルを定めたりしますよね。
ライバルというのは必ずしも敵対関係だけでなく、良好な関係を築いている同業他社であってもライバルという関係性も内包していたり。
「世の中で私しかやっていない」なんてビジネスは皆無ですし、仮にあったとしてもライバルは絶対に存在します。
要するに「ライバルがゼロのブルーオーシャン」なんてあり得ない訳です。
仮にあり得たとしても、そこは単に魚がいないだけなんですよね。
どんなビジネスであってもライバルを正しく定めて、研究することは不可欠です。
ライバルが自分よりも上手く集客できていれば、何が顧客に届いているのか検証することもできますよね。
私の言うライバルというのは叩き潰す相手ではなく、ベンチマークに近い意味合いかもしれません。
では、正しくライバルを設定するためには何が必要なのか。
それは
・ターゲットの絞り込み
・提供する価値の定義
です。
ターゲットを正しく絞る
まず、ターゲットを正しく絞らなければライバルも見えて来ません。
例えば「ママに向けたサービスです」と言っても
・子どもは何歳か
・専業主婦か共働きか
など色々な要素がありますよね。
このように、性別、年齢、職業ぐらいは絞り込みたいところです。
例えば30代、女性、フルタイムの会社員みたいな感じですね。これに子どもは保育園みたいな属性を加えて絞り込んでいきます。
あとは地域もある程度絞った方が良いですが、これは業種によって絞り込みの範囲が変わってきます。
飲食店でも繁華街にあるお店と住宅街にあるお店ではターゲットとなる範囲の広さは変わりますよね。ターゲットとなる地域が変わればどこにどうプロモーションするかが変わります。
ECなど物理的な距離が関係ない場合はエリアの特性で絞ることも可能です。
例えば一定以上の所得がある人に向けた商品であれば、東京の港区や渋谷区、目黒区あたりがターゲットになりますし、関西であれば神戸の芦屋や西宮といった感じでしょうか。
もちろん、属性を絞り過ぎると「対象エリアに何人いるんだろう」みたいな感じになるので、ある程度のターゲット数がいそうなレベルでの絞り込みは必要です。
価値を定義して正しく伝える
ターゲットが定まれば「こんなに素晴らしい商品やサービスがあるから買ってよ!」と叫びたくなる気持ちは分かります。
ただ、もう少し掘り下げて考える違うんですよね。
「顧客はドリルが欲しいのではない。穴が欲しいのだ。」と言うのは有名な言葉ですが、ドリルの視点しか持っていないとターゲットに伝える価値を見誤るかもしれません。
提供しているプロダクトやサービスはHOWの部分で、重要なのは「誰にどうなって欲しいか」というWHOやWHATのところですよね。
例えばUSJはアトラクションがコンテンツですが、提供しているのはワクワク感や楽しい思い出です。
USJのライバルはTDLだと思い浮かべる人も多いでしょうが、ワクワク感や楽しさという点で言えば任天堂やYouTubeもライバルになり得る訳です。
例えば税理士業の場合、扱っているサービスは経理や税金のサポートです。具体的には、会計ソフトの運用や確定申告の代行ですね。
このサービスをベースにして、事業計画を作成したり資金繰りの相談に乗ったりする訳です。
そう考えると、税理士が提供しているのは安心感だと思うんですよね。
経理をサポートするというのはあくまでもコンテンツであり、そのコンテンツを通じて顧客が感じる安心感や信頼感がベネフィットだと思います。
1人では数字がよくわからない、事業を作っていく上で相談相手がいないなどの不安を安心に変えることが本質的な価値なのかな、と。
そう考えると、占い師も税理士のライバルになるんですよね。実際に占いが好きな中小企業の社長って多いですし。
クライアントが「税理士よりも占い師の言うことを参考にする」という状態であれば、経理や申告が正しくても本質的な価値を正しく提供できていない可能性がありますよね。
まとめ
ライバルを研究することで
どうプロモーションすべきか
どうやって価値を伝えているか
などを知ることができます。
当然ながらターゲットを見誤れば正しいフィードバックは得られません。
自分のターゲットは誰なのか、提供している価値は何なのか。
一発で「これだ」という答えに辿り着ける人なんていませんし、まずは仮説を立てて顧客の反応を見ながら精度を高めて行くのが良いと思います。
自分の頭の中だけで考えていても見えないことってありますし。
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