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ストーリーで売ることの落とし穴

・ストーリーで売る

・商品の差別化にはストーリーが必要

といった発信を見かけることも多いですし、実際にストーリーを伝えようと工夫されている方もいると思います。

ストーリーが大切ということはその通りなんですが、この言葉だけを信じていても上手く行きません。

商品にしてもサービスにしてもストーリー以上に大切なものがあるからです。食品であれば美味しさですし、家具なら機能性とか耐久性などでしょうか。

そう、品質ですね。

美味しくない食べ物やすぐ壊れる家具をわざわざ買わないじゃないですか。

ペットボトルの水を1本1万円で売れるか?

みたいな企画もあったりしますが、これで売れたとしてもリピートはしないですよね。普通の水であれば1本100円で売ってますし。

品質が平凡であればそれなりの値段でしか売れないのは当然のことです。

品質が平均以下であれば・・・言うまでもありませんよね。

品質が先かストーリーが先か

まずは品質を磨きましょうと言うと、こんな言葉が返ってくることがあります。

「いくら品質が良くても誰にも知られなければ売れないだろう」

はい、その通りです。

ただ、「品質が悪いものを売り続けるのは誠実なビジネスなんですか?」と聞いてみたい訳です。

売れなければ意味がないというのは分かりますが、売れれば何でも良いというのは違うでしょう、と。

・思うように売れない
・差別化できない
・なかなか値上げができない

そんな時は基本に立ち返って「品質をもっと高められないか」ということを問い直すべきじゃないかと思うんです。

・一番のウリはどこか
・ライバルとの違いは何か
・価格に見合う品質かどうか

 など、ターゲットが求めるものを作れているのかという目線で考えてみると良いです。

ターゲットによって求める品質は異なりますし、「誰のための商品なのか」がブレてしまえば品質を上げる努力が無駄になってしまいます。

同じ品質のもの同士であれば、ストーリーに共感する商品が選ばれるでしょうが、品質に圧倒的な差があればそれをストーリーで覆すのは難しいでしょう。

フェアトレードやエシカルなど、環境や人権を無視したビジネスへのアンチテーゼとして新たな考え方が浸透しつつあります。実際に私もフェアトレード商品などを購入することもありますし。

ただ、いくらフェアトレードやエシカルと言っても品質が劣っていては話になりません。

マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念で経営されていますし、品質が伴っているからこそこれだけ浸透しているんですよね。

スモールビジネスだからこそ品質が大切

品質がイマイチでも、商品の見せ方はストーリーが良ければ一定数は売れるはずです。

ただし、値段と品質が釣り合わなければリピートされることはありません。

いくらストーリーを並べられても、食べてみて美味しくなければ「もういいや」ってなるじゃないですか。

スモールビジネスでは薄利多売のモデルは難しいですし、そんなことをしても幸せにはなれません。「そこそこの品質のものを大量に売る」というのは大企業だからできる戦略です。

しっかり単価を確保するためには、多少高くても選ばれ続ける品質が必要なんですよね。「なぜあなたから買うのか」というストーリーも大切ですが、それは高い品質があってこそですから。

ストーリーが大事だから、と品質向上を横に置いてストーリーを考えてもダメってことです。

私も税理士やコンサルタントとして安くない報酬を頂いていますが、知識を高めるために勉強も続けています。

また、品質を担保するという意味ではクライアントへの対応も十分時間を確保できるようにしています。これは、仕事の効率化やクライアントを一定数に抑えて一社あたりに使える時間を確保するなどの工夫ですね。

「仕事と家庭のバランスを」と言っておきながら仕事がグダグダでは話にならないじゃないですか。

ついセールスに目が行きがちですが、ビジネスの土台は品質だと思うんですよね。土台をしっかり固めて、お客様に恥ずかしくないビジネスをしたいですよね。

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