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ベントレー初の電気自動車「THE WORLD’S FIRST LUXURY URBAN SUV」は2026年に発表決定

 ベントレーは、日本時間の11月7日23時からオンラインで会見を行い、初のEV(電気自動車)と中長期のビジネス戦略を明らかにしました。
 ひな壇に幹部たちが並ぶような古い記者会見スタイルではなく、事前に撮影した動画を交えながらこの7月に会長兼CEOに就任したフランク=ステファン・ヴァリザーとマティアス・ラーべ、アンドレアス・レヒら取締役たちがソファに座って話していました。場所は、イギリス中部マンチェスターに近いクルーという町にあるベントレーの本社からです。

 3名がそこに向かうのに乗っていくという設定で登場するのが1930年のベントレー8リッターです。創立者W.O.ベントレーの最初のカンパニーカーだったクルマそのものだそうです。画面の端には最新のベントレーも映しながら、カッコ良くクラシックカーで乗り込んでいくところから始まります。ヨーロッパの自動車メーカーは、こうした演出が上手で、いつも感心してしまいます。

 2019年に創立100周年を迎えていたベントレーは、2020年に「ベントレー100」というビジネス戦略を明らかにしました。主なものとしては、2025年に最初のEVを発表し、2030年にはEVのみのブランドになるという大胆なものでした。しかし、昨晩の談話では修正が加えられ、初のEVは2026年に発表し、翌27年に発売。EVのみのメーカーになるのは2035年に延期されました。

 初のEVについては、側面のプレビュースケッチだけが明らかにされました。それが、THE WORLD’S FIRST LUXURY URBAN SUVと題されたタイトル画像のものです。
 URBAN SUVとは都市型SUVということで、ステファン・ヴァリザーによれば全長5メートル未満の(ベントレーとしては)コンパクトなサイズからそう呼んでいます。ベントレーのSUVには、すでにベンテイガがありますが、それと入れ替わるのではなく、この“アーバンSUV”は追加車種になります。クルー工場で開発と製造が行われます。

 ポルシェ・マカンエレクトリックやアウディQ6 E-Tronに使用されているフォルクスワーゲングループの新しいPPE ビスポークエレクトリックプラットフォームとの関連性がどれくらいあるのか、やがて明らかにされることでしょう。

2009年の取材時。このペイントショップに代わる新しい施設が造られたと動画で紹介していた。
内装に用いられるウッドが加工されている。薄く削いだ天然木の木目を活かしながら加工していた。

 クルーの本社工場には何度か行ったことがありますが、80年以上の歴史を有するレンガ作りの建物の中で最新の工作機械が稼働していました。今では、その周囲に新しい建物が増設されています。それらについても説明がなされていました。 

 Q&Aで、今後のパーソナライズへの取り組みについても質問が寄せられていました。僕もベントレーのパーソナライズ(誂え)部門を取材して圧倒されたことがあります。
 コンチネンタルGTがまだ初代だった頃ですが、ボディカラーが標準で109色も用意され、さらにはオプション色や、そこにも無い場合は特別注文にも応じていました。革やウッドなどの見本は、畳一畳ぐらいもある大きさです。新車のベントレーを注文する楽しみの大きな部分を占めているのがパーソナライズだと確信しました。
「電動化を推進しても、パーソナライズは変わらず充実させていく」
 アンドレアス・レヒの答えに、買う予定もないのに安心した次第です。
「我々は、(クルマを造りながら)夢を造っているのです」
 
 レヒは別の質問にも、電動化は法律や規制への対応と顧客からの要望の両方から進めていると答えていました。
「既存の顧客で電動化を求める人は多くはありません。従って、初めてベントレーを買うことになる新しい人々にどれだけアピールできるかが重要となってきます」
 正直ですね。ベントレーほどイメージとしての電動化の対極にある自動車ブランドもありませんから。

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