見出し画像

マジメに造られ、機能も優秀ですが。試乗ノート#21 VW T-Cross TSI Style

・マイナーチェンジが施されたフォルクスワーゲンのコンパクトSUV。同セグメント内で3年連続で登録台数トップを記録しているベストセラー。

・1.0リッター3気筒エンジンで7速DSG型2ペダルトランスミッションを介して前輪を駆動するという基本構成は変わらず。

・内外装のさまざまな改変が行われているが、そのうちで重要なのは二つ。同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”が全3グレードに標準装備されたことと、LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”上位2グレードに採用されたこと。

・試乗した「TSI Style」は真ん中のグレードで、車両価格359万9000円(税込)。

・Travel Assistの内容は、ACCとLKAS。ACCは設定したスピードと車間距離を保ちながら前のクルマにずっと付いて走れる機能。LKASは居眠りやよそ見などの不注意で車線からハミ出ないようにクルマがそれを監視して、ハンドルを回してくれる機能。どちらも「運転支援機能」と呼ばれることもあります。

○ Travel Assistは他のフォルクスワーゲン各車にも採用されていて、インターフェイスがわかりやすく、使いやすい。メーターパネルに映し出される表示が大きいだけでなく、隣の車線を走るクルマも映し出し、安全にも寄与しています。

・LKASのセンシングは過敏でなく、効きも穏やか。最新のBMWはボルボ、BYDなどよりも、穏やかです。

○ エンジンパワーはミニマムですが、日本車のコンパクトカーのトランスミッションに多いCVTを使っていないので、加速する時にエンジン回転数が不用意に高まってしまうことがないのも良い点のひとつに数えられます。節度を持ちながら7枚のギアを目一杯使った加速ができるDSGのメリットを享受できます。

○ タイヤノイズが抑えられているのも長所のひとつ。

X 内装が地味で、そのセンスが古臭い。例えば、インパネやドアパネルでデザインのアクセントに用いられているカーボン調パネル。レーシングカーにしか使われなかった本物のカーボンパネルの意匠を引用したカーボン調パネルをありがたがって普通のクルマに盛んに使われるようになったのは20年ぐらい前のこと。あくまでも“カーボン調”なのですから、そろそろやめ時ですね。

X トランクの床が高すぎます。もっと深くして積載量を稼がないと。同時に敷居部分も下げないと荷物の出し入れがしにくい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?