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ロータリーにこだわるのは、このクルマでなくても良かった 試乗ノート#16 マツダ MX-30 Rotary-EV

・この観音開きの5人乗りボディとプラットフォームを使って、MHEV(マイルドハイブリッド車)、EV(電気自動車)、そしてこのPHEV(プラグインハイブリッド車)を造り分けている。

・パワートレインを使い分けているクルマは他にもある。最近の例ならば、BMW X1。

・このクルマのPHEVは、シリーズハイブリッドという方式を採用していて、ロータリーエンジンは発電だけを担っている。

・10年ぐらい前に、ロータリーエンジンを横に倒してデミオのリアシート下に置いたプロトタイプに試乗し、仕上がりが素晴らしかったので、市販化を待ち望んでいた。

・EVモードを選べば、モーターだけで走行することもできる。

○ EVモードでも、ハイブリッドモードでも電気の力だけでモーターで走るので、滑らかで力強く、静かな加速は大きな長所。しかし、それは他のクルマも変わらない。

X 古臭いメーター。充電と放電の状況、電力の残量、ガソリンの残量などを示すために、長いプラスチックの針を使った大きなメーターが3つもある。せっかく“ロータリーエンジンをPHEVの発電機に使う”というコンセプトは新しく、マツダのブランドアイデンティティ向上に大いに役立つはずなのに、この古臭さは不釣り合いだ。

X メーターというドライバーが買い換えるまでずっと対面し続ける重要なパーツに古臭いものを使い続けて平気なメンタリティを疑う。他の部分は大丈夫だろうか? クルマの他の部分がいくら良くてもすべて帳消し。ブランドアイデンティティを棄損している。このことを誰も指摘しなかったのか?

○ その代わり、メーター中央部分の表示は3通りに切り替えられ、ADAS(運転支援)機能の作動時も大きく表示されるのは見やすくて良い。

X 独特のシフトパターンは使いにくい。

X ロータリーエンジン始動時と回転時のノイズは小さくない。

X 荒れた舗装の路面ではタイヤノイズが目立つ。

X 速度を上げていくと、風切り音も目立つこともあった。

X CarPlayがスマートフォンをUSBコードで有線接続しなければならないのも古い。

X スマートフォンの無線充電も不可能。

・「小型で軽量というロータリーエンジンのメリットを活かして」PHEVの発電機に用いるのならば、それが最大限に効力を発揮する小型で軽量のボディを持ったクルマが適しているのではないか。まさに、10年前のデミオ・プロトタイプのような。

X ロータリーにこだわり過ぎ。マツダがロータリーエンジンにこだわるのは当然のことだが、このクルマでなくても良かった。

X 技術ではなく、企画の失敗例ではないか?


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