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色川武大のこと

色川武大という作家について、これから少しずつ書き溜めていこうと思います。

理由は、私が色川武大が好きだから、という理由と、私が学生の頃卒論を書く際に先行研究が少なく苦労した経験があったので、これから色川を研究したいと思ってらっしゃる方の一助になればと考え、この試みを始める次第です。

とはいえ、色川武大の魅力を感じていただけるような軽い読み物にできればと思っていますし、ただ色川を研究したい、という方がいらっしゃればそのヒントになるようなエッセンスをちりばめていければと思っています。

先行研究が少ないのは、その作家があまり読まれていないことの証左かもしれません、もしくは単純に私の勉強不足かもしれませんが、それでも少なからずファンは多いように思います。

また、『別冊・話の特集――色川武大・阿佐田哲也の特集』という色川・阿佐田に対する追悼文を集めた本では、当時の若い作家たちのものも見受けられます。

現在でも、インターネットを検索してみれば、いくつかの卒業論文の情報はヒットしますし、少なからず色川を題材にしよう、という方はいらっしゃるのでしょう。

私もその一人でありましたし、これから書いてゆく記事たちがそんな人たちの参考になればと思っています。

ただ私は研究者ではありませんので、万が一間違っている点や至らぬ点があれば都度ご指摘いただければ幸いです。

頂いたご指摘は大事にその都度修正、アナウンスさせていただきます。

私もどちらかというと色川をもう一度勉強したいという思いでこの記事を始めようと思っています。

皆さんもこれを機に色川武大という作家の魅力を感じてみませんか?


まずはじめに、色川武大ってどんな人なのでしょうか?

色川武大、というとその名から作品を思い浮かべるのは難しいかもしれません。

しかし阿佐田哲也、といえばその名にピンとくる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ギャンブル小説の大家であり、「雀聖」ともあだ名される小説家です。

阿佐田哲也としての代表作は「麻雀放浪記」。

和田誠によって東映で映画化されているほか、『少年マガジン』でさいふうめい原案、星野泰視漫画で「哲也ー雀聖と呼ばれた男」として漫画化され、アニメやパチンコにもなっています。

また、最近では色川と伊集院静の関係がモチーフとなっている、「いねむり先生」という作品も記憶に新しいです。

「いねむり先生」はテレビ朝日系列で藤原竜也主演でテレビドラマ化もされました。

そんな「ギャンブルの神様」阿佐田哲也が純文学系の雑誌に寄稿する際の筆名が、色川武大という名です。

色川武大は本名であり、純文学は色川名義、ギャンブル小説は阿佐田名義と使い分けていました。

といっても、そのどちらも極めて重要で、どちらを捨ててどちらを取るということはできないように思います。

私自身は、色川武大名義の作品に執着してきましたが、それは至極当たり前の話ですが、そのどちらも想定される読者へのサービスを含んでいるほかは、根っこは同じ一人の人間なのだと思います。

もちろん純文学、大衆文学と本人の意識的な使い分けもあるとは思いますが、その比較を通して色川武大の作品の魅力を一つ一つ表せていけたらと思います。

だからこそ片手落ちにならぬよう、色川武大、阿佐田哲也(そして時には編集者時代の筆名である井上志摩夫名義その他に関しても)との両名義を忘れずに行きつ戻りつしながら、その魅力を紹介してゆきたいと思います。

時間はかかるかもしれませんが、少しずつ真摯にやっていきます。

どうかよろしくお願いいたします。


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