春画の手足は美しい・其の四 -手足指先から読み取る物語-
互いの手と手(ときに手と足)をにぎり合う。
その指先の表現を見ると、ふたりの関係や感情が伝わってくる。
僕たちの感情は、顔や行動だけじゃなく手や指先にも表れる。優しく触れたり撫でたりする一方で、固くこぶしを握り怒りを露わにする。
春画において手足指先の表現は、顔や表情以上に感情的・官能的なのである。そこに注目すると、当時の絵師たちがいかに手足の表現にこだわっていたか気づくことができる。
手足指先で、物語を伝えているのだ。
上図:月岡雪鼎(1726~1786)「春宵秘戯図巻」より
上図:歌川国貞(1786~1864)「金瓶梅」より|
上図:歌川国芳(1798~1861)「当世小紋帳」より|
上図:歌川国芳(1798~1861)「春情吉原源氏」より|
上図:歌川国芳(1798~1861)「華古与見」より|
「関係」をテーマに「春画」における手足の表現を引用したシリーズ「the Couple」を制作しています。興味がおありの方は是非チェックしてみてください。 KANEKO SHINICHI: www.shinichikaneko.com
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