依存症ビジネスの闇 [ 依存ビジネスが使う5つのテクニック ]

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こんにちはカナイです

今回のテーマは依存症ビジネスの闇です
スマホ依存や薬物依存、ギャンブル依存といった依存症が
世界中で深刻な問題になっています。
なぜ多くの人が何かに依存をしてしまうんでしょうか。

恐ろしいことに、世の中のあらゆるビジネスは、人を依存させるようにデザインされています。

今回の動画では、依存症ビジネスが人を依存させるときに使う5つのテクニックについて解説していきます。

ではいきましょう


(依存症ビジネスが人を操るときに使う5つのテクニック)


テクニック1. 「快楽中枢への刺激」

心理学者のオールズとミルナ―はラットの脳に電極を差し込み、
檻の中にあるレバーを押すと電流が流れるように細工をし、ラットの様子を観察しました。

ほとんどのラットはレバーを避けたのに
34番のラットだけはなぜか、レバーを何度も押し続けたんです。

実験後、オールズとミルナ―がこの34番のラットを調べると、電極の先端が折れ曲がり
脳中隔と呼ばれる部位に入り込んでいたことがわかりました。

オールズはこの脳の部位を快楽中枢となずけました。
34番のラットはこの快楽中枢に対する電気ショックの刺激が心地よく、
それを味わうために何度もレバーを押し続けたんです。

その数年後、神経科学者のロバート・ヒースがうつ病の女性患者の
快楽中枢に電極を埋め込む実験をしました。

電流を流すと、女性は笑い出し、なぜ笑っているのと尋ねても理由を説明できず、
「こんなにハッピーな気持ちになったのは久しぶりだ」
と答えました。
ヒースが電極を取り除くと、女性の笑顔は跡形もなく消え去り、また鬱状態に
戻ってしまいました。
実験後、彼女はまた電極を入れてほしいと研究員にせがんだそうです。

快楽中枢に刺激が入ることで、人や動物は、精神が安定したり、幸福感を得られます。
この快楽中枢に対する刺激が人が何かに依存をしてしまうトリガーになります。

たばこや薬物、アルコールには脳の快楽中枢に刺激を与え、神経伝達物質を
増やすことで、退屈や心理的苦痛を和らげてくれます。
大半の人は退屈に耐えたり、心理的苦痛と真っ向から向き合うぐらいなら
快楽中枢への刺激に依存してしまったほうが楽なわけです。

悪い言い方をすれば、人間の弱みに付け込み、
脳をハックし、快楽を与えることで多くの人を依存させているんです。


テクニック2.「予測できないランダムなフィードバック」


フィードバックというのは、要する自分が行った行動に対する評価や報酬のことです。

1971年にマイケル・ゼイら―という心理学者が
ハトに対して、二つのボタンを用意し、一つは押すと必ず餌が出るAのボタン、もう一つは、押すと50%~70%の確率でエサが出るBのボタンを用意し、どちらのボタンをより多く押すかという実験を行いました。

その結果、ハトはBのボタンをつつく回数の方がAのボタンより2倍も多かったんです。
ハトはまるでギャンブラーのように、100%でエサが出るAのボタンより、50パーから70パーでエサが出るBのボタンを優先したんです。

ゼイらー氏はこの研究をもとに論文を発表し、フィードバックは低い確率であればあるほど、当たったときの手ごたえや幸福度が高いのではという持論を展開しました。
動物や人間は100%で出る報酬よりも、ランダムに出る報酬により魅力を感じてしまうようです。

インスタグラムやXといったSNSには「いいね」機能がありますよね。
あなたが何かを投稿したときに、「いいね」がたくさんつくときもあれば、つかないときもあります。
この「いいね」機能こそがまさに予測できないランダムなフィードバックなんです。

いいねがたくさんつく確率は低いので、もしたくさんついたらすごいうれしいですよね。
そしてその嬉しさをもう一度味わうために、何かを投稿せずにはいられなくなる。
こうして人は、SNSに依存していきます・

競馬や競艇といった予想型のギャンブルは予想がランダムに当たったり外れたりします。
当たる確率が低いので、当たったときのとてつもない幸福感が
人を依存させます。

スマホゲームには「ガチャ」と呼ばれる機能があり
レアなキャラが低い確率で当たるようになっています。なにが出るか分からないわくわく・ドキドキ感を
味わうために、多くのユーザーが課金をします。

SNSやギャンブル、スマホゲームは予測できないランダムなフィードバックが出る設計になっている
からこそ多くの人が依存してしまうんです。


テクニック3.「サンクコスト」


自分がすでに払ってしまったコスト
を守るために、間違った意思決定を下してしまうことを
サンクコストバイアスといいます。

このサンクコストバイアスが利用されている
ビジネスの代表例が競売です。

ペニーオークション・サイトと呼ばれる競売サイト
では、テレビやパソコン、ヘッドフォンなどが最低入札額1セントで、
オークションにかけられています。

このペニーオークションサイトはとても悪質です。
まず初めに入札権を数万円でまとめて購入し、
そこから入札を始めます。最低入札額が低いかわりに、
入札したお金は商品を変えなかった場合も戻ってきません。

あらかじめ終了時間が設定されていて、入札は1セントからスタートです。
15インチのテレビが1セントで買えるなんてめちゃくちゃお得だなと思い、
あなたが1セントを入札します。
するとほかの参加者が2セントを入れます。
それに気づいたあなたは負けじと10セントを入れます。
今度は他の参加者が100セントを入れます。

こういったやり取りが永遠に続いていき、気づいたらとんでもない額になっているんです。
数万円で入札権を購入したのに、結局なにも買えずに数万円が無駄になります。

でも人は数万円が無駄になるのは嫌なので、また入札権を購入し、オークションに参加します。
こうして大金を搾取されていくんです。

サンクコストを利用したビジネスは他にもあります。
例えば株式投資です。
株は安い時に買って、高い時に売るのが基本ですが
人間は損をしたくないので、自分が一度買った株が暴落しても
いつか上がることを信じて、ずっと売らずに持っている人がいます。
もっと早いうちに売っていれば大損しなくても済んだのに、
結局その株は大暴落して、大損してしまうわけです。

こういった感じで最初に少額のお金を払わせるビジネスというのは
人間のサンクコストバイアスを利用している場合が多いです.


テクニック4,「 難易度が上がっていく」


人が何かに没頭し、楽しくてのめりこんでしまう状態をフローと言います。
スポーツ界ではゾーンとも呼ばれ、フロー状態に入った人間は時間の感覚を忘れ、とてつもない幸福感を感じるといいます。

自分のスキルのレベルが高く、難易度が低いほど、人は退屈を感じます。
逆に自分のスキルのレベルが低く、難易度が高いほど、人は不安を感じます。
この中間を通る道がフローです。

世の中の大半のゲームは敵が強くなったりして、徐々に難易度が上がっていきますよね。
最初は優しい難易度から始まり、ユーザーもそのゲームを初めてプレイするのでスキル
が低いです。つまり一番左下にいる状態です。

そこからユーザーのスキルが上がっていくにしたがって、ゲームの難易度もどんどん上がっていく。
つまり右上に進んでいきます。
まさにユーザーがフローの道を通るようにデザインされているわけです。

加えて、ゲームってゲームオーバーになってもすぐ続きがプレイできますよね。
ユーザーは敗北感に浸る時間を与えられず、また新しい挑戦に集中しているので、それまでの失敗
がなかったような気分になります。

ちょうどいい難易度で人をフロー状態に誘導し、すぐに続きがプレイできることで敗北感
を感じる時間を与えない。この仕組みこそが、人がゲームに依存をしてしまう原因なんです。


テクニック5.「クリフハンガーとデフォルト」


人がドラマやアニメに見入ってしまうのはなぜでしょうか。
人がドラマやアニメに依存してしまう
メカニズムには、クリフハンガーと呼ばれる技術が使われています。

クリフハンガーとは次回も気になると思わせる演出のことです。

通常ドラマやアニメは、1話2話3話がこのようにつながっています。
注目してほしいのは、第1話と第二話の終わりの数分間です。

この赤く塗られた数分間の部分にクリフハンガーが仕掛けられます。
最後の数分間には、強そうな敵が出てきたり、誰かが撃たれて生死不明になったり、
そういった、続きが気になると思わせるような演出が必ず入ります。

加えてネットフリックスは2012年8月に自動再生機能を導入しました。
これによって、ドラマのいっき見と言われる考え方が普及しました。

1話が終わると自動的に次のエピソードが始まるため、
終わりどころが分からずにそのまま最後までみてしまうという人が増えました。

多くの国でば運転免許を取得するタイミングで臓器ドナーになりますか?という質問をされます。
臓器提供の同意率は、デンマークが4%、ドイツが12%なのに対し、ベルギーは98%、オーストラリアは100%です。なぜ国ごとにここまで違いがあるんでしょうか?
実はデンマークやドイツといった同意率の低い国では

・臓器を提供しても良い場合は、ここにチェックをしてください。□

という聞き方をします。つまり臓器を提供しないことがデフォルトになっているわけです。
一方で、ベルギーやオーストラリアといった同意率の高い国では

・臓器を提供したくない場合は、ここにチェックをしてください。□

という聞き方をします。つまり臓器を提供することがデフォルトになっているわけです。
皆さんこの違いわかるでしょうか。

ここからいえるのは何かっていうと、要するに、人はデフォルトに流されやすいということです。
自動再生機能では、1話を見終わると、デフォルトで次のエピソードが始まるようになっています。

自動再生機能は、デフォルトに流されやすいという性質を利用した、
いっき見をさせるための仕掛けなんです。

クリフハンガー(次回も気になるという演出)に加え、自動再生機能によるデフォルトの
強制が、人をアニメやドラマに依存させるんです。




いかがだったでしょうか。

今回の動画で僕が言いたいのは、依存は悪い事であるとか依存してはいけない
ということではなく、あくまでこの世の中の様々なサービスには人を依存させる
仕掛けが大量に施されているということです。

その事実を知ったうえで、何にどれだけ時間を使うか
はあなたが自由に決めてください。

では今回は以上になります。

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