日本人にうつ病が多い理由ー日本社会の"生きづらさ"の正体 2 カナイ/大学生 2024年3月19日 08:38 文章で見たい人はこちらこんにちはカナイです。今回のテーマは、日本人にうつ病が多い理由です。2015年時点でうつ病患者は世界で3億2200万人に達し、アジア・太平洋地域が全体の48%を占めるそうです。日本は中国に次いで2番目にうつ病患者が多く、約506万人がうつ病に苦しんでいます。なぜ日本人はうつ病になる人や精神を病んでしまう人が多いのか。そして人間社会に蔓延する"生きづらさ"の正体についても解説していきます。ではいきましょう。うつ病にはセロトニンというホルモンの濃度が大きく関係しています。セロトニンは、気分の安定に重要な働きをするホルモンで、不足するとストレスを感じやすくなります。セロトニンを運搬する遺伝子である、セロトニントランスポーターにはL型とS型があり、この遺伝子が組み合わさって、LL型、SL型、SS型という3つの遺伝子型が決まります。LL型はセロトニンを運搬する能力が高いため、LL型の遺伝子を持つ人はセロトニンの濃度が高いです。SS型は運搬する能力が低いため、SS型の遺伝子を持つ人はセロトニンの濃度が低いです。(SL型はその中間)このセロトニントランスポーターの遺伝子型は人種によって大きく異なることが分かっています。驚くことに、日本人はLL型の保有者が4%と世界で最も少なく、SS型の保有者は65.3%(約3人に1人)と世界一多いです。また、SS型の女性はSS型の男性に比べ、セロトニン濃度が52%も低いんです。東アジア人はセロトニンの発現量が少ない人が多いため、不安感や抑うつ感に悩まされる人が多いんです。認知心理学者のエレーヌフォックス氏は、セロトニントランスポーターの遺伝子型が楽観的か悲観的かという性格を決めているのではないかという仮説をもちLL型の人とSS型の人に対して、それぞれ楽しげな画像と怖い画像を見せ、どちらに最初に注意を払うかという実験をしました。その結果、LL型の人は楽しげな画像に注意を向け、SS型の人は怖い画像に注意をむける傾向があるってことが分かったんです。こうした研究によってLL型の人は、ストレスに強く楽観的で、SS型の人はストレスに弱く、繊細な人であるという考え方が定着しました。その後、ワシントン大学の研究者が、SS型とLL型の人が同じくらいの出来事に合うと、その後、SS型はより強い不安にさいなまれがちなことが分かりました。しかしながら、非常に楽しい出来事に合った場合、SS型の人が感じるストレスはLL型より明らかに少ないということを発見しました。つまりどういうことかというと、LL型の人は、ストレスに強くて楽観的というよりも、良い影響も悪い影響もあまり受けない。良い言い方をすれば「安定している人」、悪い言い方をすれば「鈍感な人」なんです。相手の反応をあまり気にしないので社交的で明るくふるまう人が多いです。一方でSS型は悪い影響も良い影響も強く受ける。つまりストレスに弱い繊細な人なのではなく、「環境からの影響を強く受ける人」なんです。SS型の人が内向的なのは、人嫌いだからではなく、相手の微妙な反応を読み取ろうとして疲れてしまうからなんです。よく日本では「生きづらい」とか「周囲の目が気になってしまう」と言った声があります。「生きづらい」と感じたり、「周囲の目が気になってしまう」のは、その人自身がSS型の遺伝子を持っていて、環境からの影響を強く受けてしまうからです。SS型の人は、環境からの影響を直に受けるため悪い環境に身を置けば、悪い影響を受けてしまうけど逆に良い環境に身を置けば、良い影響を受け、LL型の人よりも多くの幸福が得られます。だからこそSS型の遺伝子をもつ人は、環境選びが大切なんです。たとえば、職場選びや、住む場所選びなど、自分が属する環境をしっかりと選ぶことが、幸福な人生に繋がるんです。なぜ日本人の多くがSS型の遺伝子を持つの?ではそもそもなぜ日本人の多くがSS型の遺伝子を持っているんでしょうか。日本人はもともと人口緻密な村社会で、農耕民族として発展してきました。村社会では、隣人との距離が近く、限られた土地を人々で分け合って生活をしていかないといけなかったので、社会の秩序を保つ必要がありました。そこで、彼らが行ったのが、相互監視です。村人同士でお互いを監視し、噂話で情報を共有し、みんなと違うことやおかしなことをしている人は、村長に報告され、村から追い出されました。警察も監視カメラもない当時の世界では、社会の秩序を保つためには、村人同士の相互監視がもっとも安価で効率の良いシステムだったんです。現代の世界でも、みんなと違うことをしている人や、常識とズレたことをする人はすぐに噂され、仲間外れにされますよね。僕の大学でも、授業の終わりに、相互評価シートというのが配られ、自分のグループのメンバーをお互いに評価します。生徒を評価するために、いまだに「相互監視」のシステムが使われています。日本人が、他者の微妙な感情を読み取ったり、周囲の環境からの刺激に強く反応するSS型の遺伝子を持つように進化したのは、こうした歴史的な背景があるからです。一方で、アメリカ大陸やアフリカ大陸では、領土が広く、隣人との距離があったため、人々は相互監視を行うことが少なく、他者の微妙な感情を読み取ったり、他者への配慮をする必要がありませんでした。だからLL型の人が多いんです。相互監視システムはたしかに素晴らしいものですが、言い換えればこの相互監視によって、「○○するのが普通」といった常識の押し付けが始まり、みんなと違う人や常識とズレたことをする人は生きづらくなってしまったんです。日本特有の同調圧力や過労死といった問題は、日本人がSS型の遺伝子を持っており、自分ではなく周りを優先しがちだからこそ起こってしまうんです。「SS型のセロトニン運搬遺伝子」そして「人々の相互監視」これが日本社会特有の生きづらさの正体なんです。自由で幸福に生きるためのマインドでは生きづらさを解消して、生きやすくするためにはどうすればいいでしょうか。生きづらさは社会の問題ではなく、遺伝の問題なので、社会を変えても意味はありません。つまり生きづらさを解消したいなら、自分の考え方や思考を変えるしかありません。ここからは僕が実際に使っている、自由で幸福に生きるための2つのマインドを紹介します。・人から嫌われることを恐れない僕が尊敬している心理学者のアドラーはこんな名言を残しています。「自由に生きるとは他者から嫌われることである」人から嫌われないようにして生きている人は自由な人生を送ることができません。なぜなら人から嫌われないように生きるということは自分の幸福よりも、他人の幸福を優先するということだからです。村社会では、農民は自分の幸福を犠牲にし、小麦を育てるために1日中働き、米を税金として納めました。なぜならそうしなければ、生き残れなかったからです。「働きたくない」とか「米を納めたくない」といった本音を漏らせば、村から追い出されます。村から追い出されれば生きていくことはできません。だから自分の幸福を犠牲にしてでも、村に残り続けたんです。でも今私たちのいる世界は、もう村社会ではありません。だから自分の幸福を犠牲にしてまで、村に残り続ける必要はもうないんです。他人にどう思われようと、なんと言われようと、自分の幸福を優先する。「人から嫌われることを恐れない」マインドを持つことで人生をよりラクに生きられるようになります。・うつ病の自分を認める東京慈恵会医科大学(とうきょうじけいかいいかだいがく)の研究グループはうつ病の原因となる遺伝子、SITH(シス)ー1遺伝子を発見しました。SITH-1遺伝子によってつくられるタンパク質には脳のストレス状態を強める効果があり、SITH-1遺伝子があると約12倍もうつ病になりやすいそうです。実際に、精神疾患は親から遺伝することもわかっています。うつ病はこころが弱いからなる病気ではなく、遺伝によってなるものです。僕はバスケをしていた頃から、うつに悩まされてきましたが、この2つのマインドを使うことでうつ病と闘ってきました。精神が病みやすい人はぜひ「うつ病の自分を認める」というマインドを持ってみてはいかがでしょうか。では今回は以上になります。 #うつ病 #精神疾患 #精神病 #病む 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート