「ツケ」の美学?!
時代は変わった。
「ツケ」という言葉は、今でも使われているのだろうか。
また、それとは反対に「いつもニコニコ現金払い」という言葉もあった。
しかしそれは、もしかして死語かもしれない・・と思ったので、調べてみた。
いつもニコニコ現金払い(いつもニコニコげんきんばらい)は、常に現金払いを行う様子。クレジットカードやICカード決済は頑なに行わない、または極端にデメリットをあげつらうなどひどく嫌悪している。人形劇『ひょっこりひょうたん島』の登場人物・トラヒゲが、経営するデパートのモットーとして掲げている言葉。
あらまぁ~!!「ひょっこりひょうたん島」だとは!!
あの番組で使われた言葉が一般化されて、流行ってしまったということなのか?!
それにしても、ずいぶん昔の言葉になってしまったものだ。
そして「いつもニコニコ現金払い」は、今後「ツケ」と同様・・・
この世界から、無くなる言葉になってしまうのだろう・・・
先日、日本語クラスの受講生さんたちとお茶をしたとき、「ツケ」の日本語を教えてほしいということで、教えた時のことだった。
その「ツケ」にまつわる話は、こうだ。
「昔はね、スナックなどで、わざと『ツケ』をしてほしいと言われてたんですよ。全部払えたとしても、5000円ぐらいはツケにするんですね。そうすれば、また来店することになるでしょう?そして常連客になって、ある時期が来ると電話がかかってくるんですね。『お客さ~ん、今度いつ来られますか?』ってね。(笑)」
おぉ~~~、これはすごい!!!
ボトル・キープ的な、ツケ・キープとでもいうものか?!
しかし経営する立場としては、お得意さんがゲットできる賢い営業だろう。
そしてそもそも「お金」には、経済を循環させるという目的もあるので、この方法はある意味、関係性を持続し循環させることができる、健康な使い方なのかもしれない・・・と、思ってしまった。
私も最近は、ほとんどカード決済になってしまい、お財布の中には現金がほとんどない。
体の中にチップを入れてしまえば、それこそお財布もいらなくなるだろう。
遠い未来、孫やひ孫に「ツケ」や「いつもニコニコ現金払い」の話をしたら、「へんなの~!!」なんて言われてしまうのだろうか・・・
それよりも、生きた人間同士の健康的な関係性は、今後どんな形で生成され、維持されていくのだろうか・・・
「ツケ」という言葉が、「美しい」と感じてしまったという・・・
令和元年の初夏の、ある一日だった。
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