見出し画像

阪神淡路大震災を語り継ぐ神戸ルミナリエが今年も中止、ロソーネ展示の神戸の夜

 12月7日は大雪(たいせつ)。
 二十四節気のひとつ大雪は、冬至の前の、雪が激しく降り始めるころをいう。クマが冬眠し、ナンテンの実が色づくころといわれる。めっきり寒くなってくる。

 寒くなると、神戸はルミナリエの季節となる。
 「神戸ルミナリエ」は、「1995年1月17日の阪神淡路大震災の記憶を次の世代に語り継ぎ、神戸のまちと市民の夢と希望を象徴する行事」として毎年開催している。

ルミナリエ


 1月17日の大震災が起こった年の12月、「犠牲者への慰霊と鎮魂の意を込めた『送り火』として、神戸の復興・再生への夢と希望を託して」神戸ルミナリエが始まった。たくさんの人が亡くなり、まだ復興もできていないこの時期に、なぜそんなものをするのかと思ったが、いざ光が点灯されると、大きな「感動と勇気、希望」を人々に与えた。それまでたまっていたつらい思いを光の中に吐き出せた。その年1回限りの行事の予定だったが、人々の希望により翌年の開催が決定。以来、毎年途切れることなく続けることができた。
 そのルミナリエが、2020年に続き、2021年の「第27回神戸ルミナリエ」開催を中止することを神戸ルミナリエ組織委員会が発表した。コロナの影響だ。


 神戸ルミナリエ組織委員会の発表となっているが、兵庫県・神戸市などが共同で設立したのが「神戸ルミナリエ組織委員会」であり、神戸ルミナリエ組織委員会がルミナリエを主催している。予算がいつも足りない。
 毎年12月に開催されているルミナリエは、当初の会期は2週間であったが、経費節減で、2007年度から12日間、2015年度には10日間に短縮されている。ルミナリエはこれまで、事業者、市民・来場者の理解・協力に支えられ、開催することができてきた。しかし、収入の減少傾向が続いており、財政的に非常に厳しい状況となっている。神戸市のホームページでも、さらなる支援を求めている。

 新型コロナウイルスの影響で、昨年に続いて中止が決まった光の祭典「神戸ルミナリエ」は、分散型の代替行事を実施する。イタリア語で「バラ窓」を意味する左右対称の作品「ロソーネ」を展示する。「ロソーネ まちなかミュージアム」を実施している。直径約3メートルの光の装飾9基が三宮・元町の計7カ所に展示される。



 阪神淡路大震災は、1995年(平成7年)1月17日5時46分に発生した。マグニチュード7.3の大震災だ。震度7の激震で、震度7という指標が初めて適用された。東日本大震災が大きすぎて、神戸のことが忘れられそうだが、それまでに考えられなかった大震災が阪神淡路大震災だ。知識として巨大地震を知っていても、これだけの被害がある大震災を、当時の人々(私も含めて)は初めて知った。今も毎日のように日本で地震が起こっている。震度4程度で大騒ぎしているが、阪神淡路大震災の余震では、しょっちゅう震度4があった。震度4は当たり前で、騒ぐほどのものではなかった。そんな日々を経験した。(震度5弱は、さすがに怖い……)

 そして私は、1年前にnoteを始めた。noteを始めて、もう1年たってしまった。私の最初の記事が震災のことだった。

 つらいことがいっぱいある。書くことによって、何かを忘れようとしたのだろう。次へ進もうとしたのだろう。それほど震災の記憶は大きなものだった。
 何十年たっても、ずっと心に残っていることもある。忘れられないこともある。
 そんな思いを少しでもはき出せる場所がここ、noteの世界かもしれない。



この記事が参加している募集

noteでよかったこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?