見出し画像

10日は中秋の名月かつ満月の夜

 2022年9月10日(土)は、中秋の名月であり満月の夜だ。
 なに当たり前のことを言っているんだと思われるが、実は中秋の名月、十五夜が満月だったことは、あまりない。
 というのも、中秋の名月は、旧暦8月15日のこと(あっ、「旧暦」と「旧」なんて使うと太陰暦たいいんれきと当時の人々に申し訳ないけど、ここは許して……)。旧暦7・8・9月は「秋」なので、秋の真ん中「中秋」8月の15日の晩。旧暦は「月」の満ち欠けで暦を作っており、新月が1日で、ちょうで15日目が満月になり、また15日かけて新月になっていく。15日が15番目の晩、十五夜になる。現在の新暦、太陽暦たいようれきにすると、中秋の名月は9月か10月になる。何月何日とは決まらない。旧暦8月15日は、今年は9月10日だ。
 昨年2021年9月21日。こんなにズレがある。来年2023年9月29日になる。あれあれ、これは中秋の名月であり満月の夜のことだが、最初の言葉と違って十五夜も満月も同じ日になっている。中秋の名月が満月だったことは、あまりない。と言っていたのに。
 2020年はどうだったかというと、なんと中秋の名月は9月ではなく、10月1日であり、満月は翌日10月2日になる。これは中秋の名月は毎年旧暦8月15日だが、満月は旧暦15日になるとは限らず、太陽と地球と月の位置関係で決まるからだ。2024年の中秋の名月は9月17日、満月は9月18日になる。2025年は、中秋の名月が10月6日、満月が10月7日2026年の中秋の名月は9月25日、満月が2日ズレの9月27日になってしまう。
 去年、今年、来年と、3年連続で中秋の名月と満月が同じ日になるのは珍しいことなのだ。

 そんな名月だが、綺麗に見られるかどうかわからない。でも、古代の人は十五夜の月だけを見ていたのではない。15日の満月は、望月もちづきとも呼ぶ。14日は小望月こもちづきといい、13日は十三夜という。16日は十六夜いざよい、17日は立ち待ち月たちまちづきという。満月の前後は、ほぼ丸い月なので美しい。丸い月が欠けてくる18日は居待ち月いまちづき、19日は寝待ち月ねまちづきと名前がついている。半月になると下弦かげんの月という。満月になる前の半月は上弦じょうげんの月。新月はさくと呼び、3日の月を三日月というのはよく知られた呼び方だ。
 古代の人は「月」にそれぞれ名前をつけて呼んでいた。それだけ夜空を見上げていたのだろう。
 太陽はいつも同じ姿をしているが、月は日々変化していくので、それぞれに名前をつけてでていたのだろう。


 アメリカのカーボーイcowboyは牛cowを扱うからカーボーイになる。そのcowは雌牛、乳牛のことをいい、bullは去勢していない雄牛、oxは去勢された雄牛だと昔、英語の時間に習った記憶がある。牛を飼いながら生活していた西部劇のアメリカでは、牛にたくさんの名前をつけた。飼育していない野生の水牛はbuffaloと呼ぶ。
 日本語では「牛」という言葉に「雌」や「雄」、「水」をつけて呼ぶ(雌牛、雄牛、水牛)。月の名前とは大違い。
 日本も昔は農家で牛を飼っていた。田んぼの作業を牛にさせていた。けれど数が少ないから、牛は牛。牛を多く飼っている地域では、子牛のことを「べこ」というところもある。


 牛に関していうと、oxという名前がついた、オックス・ベーカーというプロレスラーが昔いた(2014年死去)。スキンヘッドにひげ面の、まさにoxだった。雄ではないが暴れ牛のような女性ということで、女子レスラー、ブル中野がいる。アジャ・コングとの試合なんてわくわくものだ。引退後、減量したブル中野はYouTubeチャンネルを持っているので時々見る。北斗晶やアジャとの対談なんて、昔の試合を思いながらわくわくする。


 月を見てわくわく、プロレスを見てわくわく。
 この世にはわくわくがまだまだたくさんある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?