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子宮頸がん予防ワクチンの今後の対応について、命について

 newsじゃなくoldsになるけど、2022年5月17日の神戸市の記者発表で、上記「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の今後の対応について」が発表された。

 子宮頸がんは国内では年間約11,000人が発症し、年間約2,900人が死亡すると推定されています。その子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス=Human papillomavirus)の感染を防ぐHPVワクチンは、平成25年(2013年)4月に定期接種となりましたが、接種後の多様な副反応症状により、同年6月に積極的な接種の推奨を差し控えていました。
 このたび、厚生労働省においてワクチンの有効性が確認され、安全性に特段の懸念は認められないこと等から、積極的な接種の推奨の差し控えを終了することになりました。(2021年11月)
 このため、対象者には、個別に案内するとともに、同封する有効性・安全性を記載したリーフレットにより、本人や保護者がご自身で接種について検討・判断していただき、できるだけ早期に予防接種を受けていただきたいと考えています。

記者発表資料


 なんともわかりにくい表現だ。神戸市は、わかりやすい日本語のページももうけているのに、「積極的な接種の推奨の差し控えを終了する」とはどういう表現だろう。これからは対象者(小学6年~高校1年相当)に積極的に接種を推奨しますよ。ただし接種は個人の責任で行ってください。ということだろう。


 子宮頸がん予防ワクチンは、2006年にアメリカで発売された。日本では、副反応があることからなかなか承認されなかった。副反応がひどいことは初めからわかっていた。ワクチンを希望する声が大きくなり、副反応を起こす人の数、子宮頸がんで亡くなる人の数を比較したのか、諸外国に遅れ、やっと命を救う方をとった。
 やっと日本でも認められたが、その後、副反応で体の動けなくなった女子生徒のニュースが連日流された。ワクチンは恐いものだという刷り込みがされる。子宮頸がんで苦しんでいる多くの人たちはニュースにならない。ドラマにはなるが長続きはしない。副反応であろうが子宮頸がんであろうが、本人はずっと苦しむけれど、ニュースはその時その時で何を流すかを決める。newだけを求める。
 日本でのワクチン定期接種は数ヶ月で終ってしまった。
 ワクチンが全て副反応を起こすのではない。ワクチンが子宮頸がんで亡くなる人を救っているのも事実だ。100%どちらかではない。


 今のコロナワクチンも100%効果があるわけではない。そもそも「ゼロコロナ」ということが無理な話だ。人類が感染症をゼロにしたのは天然痘だけだといわれる。

 天然痘は、1796年、ジェンナーが種痘を考え出し、それから、ワクチンという言葉が使われるようになった。天然痘ワクチンの普及によって、1980年にWHOが天然痘ウイルスの絶滅宣言をした。その後、自然の天然痘ウイルスは発見されていないが、研究施設には天然痘ウイルスが残っている。これが化学兵器として使われる未来もありえる。恐ろしい話だ。

 天然痘ウイルスのワクチンを接種しなくなって免疫力の弱くなった人類に、天然痘の仲間のウイルスが感染し始めたというnewsがあった。

 コロナウイルスであるサーズやマーズは、発見された時、人類滅亡かと週刊誌が騒いだ。かかれば死ぬと思われ、新型コロナウイルスどころではなかった。
 サーズ(SARS: severe acute respiratory syndrome=重症急性呼吸器症候群)は2003年に中国で発症したと報告された。感染力が高く、死者数が多かった。肺炎を起こすコロナウイルスの一種だ。絶滅したと思われたが、今でもウイルスは残っている。
 マーズ(MERS:Middle East Respiratory Syndrome=中東呼吸器症候群)は、名前の通り中東で2012年、報告されたが、サーズに続き、人類滅亡だと週刊誌が騒いだ。これも死亡率の高いコロナウイルスの一種で、絶滅せずにウイルスは残っている。
 ウイルスは簡単に絶滅はしない。ゼロにはならないのだ。


 日本国憲法があるから戦争をしないと言っていても、日本が外国から攻撃されないとは言えない。100%なんてありえない。K国やR国、あるいはC国から日本が攻撃されるというのも同じ。国際関係のバランスから、攻撃されない可能性も高い。
 戦力保持の問題も、他国から攻撃されなくても、政府や軍隊が暴走する危険性もある。

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

憲法9条


 一人の患者の命から、戦争による国民全体の命まで、ニュースになろうがなるまいが、それぞれ大切な命。一方的な意見ではなく、いろんなリスクを考えながら、それでもどうすべきかを議論しなければならない。


見出し画像はフリー素材「ぱくたそ」からお借りしました。
 


 テレビを見ていたら、ワクチン会社のCMが流れていた。商売の片棒をかつぐわけではないが、もっと早く啓蒙すれば救われた命もあったはず。


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