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「mellow」を観て。まなざしについて。

はじめに

mellowを観てきました。前日、自分とはまったく関係ないことで落ち込んでしまったこと。そのツイート。


悲しみはつきないのだろう、関係のないことなのに。そしてそれに呼応する悪意の連鎖。悪意ならまだいい、目に入らないようにすれば。でも正しいことが書かれることがある。そんなとき、そうだよ。と思いながらうなずけない私がいて、もう嫌だってなる、なのにSNSをどうして私は手放せない。
とはいえ、あまりに苦しくなったとき、思ったのです。mellowを観に行こう、と。優しい気持ちになれるような気がしたのです。
こんなときにシネコンが家から10分の場所にあるのはありがたくて。そして大きい劇場で今泉力哉作品が観れることも嬉しい。
レイトショー、お客は私一人だけ、と思ったら寸前でお兄さんが入ってきた。タイヤショップ早野のCMが男性アイドルっぽい子たちが出てるのに替わっていた笑。
ということで、毎度ネタバレありの感想を。

「mellow」


圭くん。思った以上に私は田中圭くんをずっと観ていても飽きないということがわかった。驚いたときの「ふぇっ。」ってなる顔が好き。ちょっとバカっぽい感じがもう大好き。「そっか。」に優しさがあふれてるとことか。やっぱりラストの笑顔とか。
最初にこんなこと書いてしまってあれなんだけど、田中圭を観るためだけにこの映画をみたっていいとかそんなこと思ってしまうほど、圭くんが魅力的だった。それも今泉監督の手腕なんでしょう。

夏目さん(誠一より夏目さんって呼びたい。)。モテモテすぎる夏目さん。不登校のさほに自然、というか同じレベル?な夏目さん。宏美と陽子に優しい夏目さん。ラーメン屋で別れる二人(パンバスでもよかったけど不器用な人を演じさせたら山下さんに敵う人はいないんじゃないか、とか思ってしまった。)に泣いてしまう夏目さん。青木夫婦の仕打ち?に思わず苛立って車でタバコを吸う(子どもの前でタバコを吸うことに私の中のポリコレ警察が動きかけたが、待ちなさい、これは映画ですよ。とワンワンちゃん(ノラネコ軍団シリーズより)が落ち着かせてくれた笑。)夏目さん左近さんに託される夏目さん。最後のラーメンを譲ってしまう夏目さん。そして木帆に対する夏目さん。そうだ、左近さんからの手紙を仏壇に置くこと。同時に木帆から手紙をもらうこと。手紙の力ってすごい気がするの。
私にとっては今はまだ切ないことなのだけど笑。それでもいつかまた手紙を書けたら。口に出すのがどうしてもダメなのなら、そう文章で。

そう、この映画は、もう恋なんてと思っていた私に、誰かを好きになってもいいのかな、なんて思わせてくれる。
それぐらい伝わること。好きな人のことを見つめるまなざし。好きな人のことを話しているときの表情。それだけで生きていけるような顔を響を木帆も宏美も陽子もそして影から見守るあの子も魅せてくれたの。
そう「好きです。」って何度も言いたい。青木さんみたいに笑。

夏目さんが好きな女の子にフラれた理由をずっと信じてたこととか。でも、そういうことってあるよね。私だって多分そう。今日「退屈な日々にさようならを」を観て、梶原が別れたい、って言われるシーンで超心が痛くて仕方なかったもの。同じような言葉を聞いた気がするの。傷つきやすい私への優しさゆえの。そして私は梶原と違って嫌だ!なんて言えなくて。ってのは置いておいて、そう今は優しさなんだろうとか、思うけど、そう言った通りのこととか、私も思っていた。表面でしか捉えられないのは私の残念な特徴なのだけど。先日書いたhisのラストシーンについても、他の人の感想を見て、ああ!私、なんて想像力がなかったんだ!!なんて思う次第だったり。
きっと自分のことは見えにくいよ、なんて言い訳をしてみるの、夏目さんだってそうでしょう?

中学生3人でのデート(って言っていいのかな?)が可愛くて。ラーメン屋ちゃんと寄ってくれたね。(宏美がhisの千歌だって気づいてあっ!!となったのは私です。あとで調べてパンバスの妹さんだって気づいたのも私です笑。)
閉店の日、お客さんたちが赤い花を、木帆が頼んで、夏目さんが用意した赤い花を持つ姿がよかった。いろんな格好の人たちが同じ赤い花を。そして閉店時にも何本か残ってることにリアルを感じる私でした笑。
閉店を知らせること。「ふっとなくなったら絶対悲しむ人いると思う。」きっと夏目さんの言葉で木帆は考えを変えて。

木帆、夢に向かうか迷ってたときに、お父さんが倒れてラーメン屋を継ぐことになって、それにほっとしたこと。夢を諦める理由が自分からじゃなくやってきたこと。その気持ちがすごくわかる気がする私だから。
でも、木帆はもう一度歩き出すの。
そんなことにやっぱり心震えて。こんな私だから。

エンディング、夏目さんが一本一本花を作ってる様子が流れるのが素敵で。丁寧にじんわりと、心に染み入っていく何か。綺麗な花を見たときのように、美味しいラーメンを食べてニンマリしているときのように、好きな人の横顔を目の片隅でとらえて見ているときのように(勝手にふるえてろ?笑)。

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