ドロステのはてで僕ら
昨日、下北沢映画祭のオンライン上映で再び観たヨーロッパ企画初の映画作品「ドロステのはてで僕ら」。ネタバレ厳禁感甚だしいから、こんなに楽しかったのになにも書かないでいたのだけど、そろそろいいだろう、と。6月のオンライン上映後に書いたものがけっこうよく書けていたので、それに書き加えるよう。以下いきなりラストを書くネタバレです。
予告編！
未来を変える、ということがあまりないような気がしていたヨーロッパ企画が未来を変えた。自分たちの意志で。
「天気の子」だなんて思った。丁度「ドロステ」→「天気の子」→「ドロステ（2回目）」と観ていたのはものすごくあるかもしれないが。
この世界よりも大事なもの。カトウはもちろんそうだけど、メグミもこの記憶をなくしたくなかったんだ、と。コーヒーを飲みながらの二人の談笑が優しくて、微笑ましくて。モニターを消す最後の二人とか。
この素晴らしいエンディングから書きましたが、やはりこの時間映画！ってこと。ワンカットではないにしろ、時間経過リアルタイムでしょう。70分間の出来事。
劇中の2分後の未来にやることを本当に今から2分後にやること。
酒井さんのゼブラダンゴムシの件とかさ、何分後だろ？でもちゃんとあってんでしょう。（そして今回下北沢映画祭のコメンタリーで測りました！きっちり14分後！）
時間の整合性に唖然となるし、そのちゃんとした時間のせいで闇金業者にバレてしまったりとか、笑えるところもあって。闇金業者のとこにメグミを助けに行こうとするカトウをちょっと止めて大事なこと言うとみせかけて、ゼブラダンゴムシの件を過去に伝えるオザワとか（酒井さんの横から現れる感じが好き。）その前の未来のモニターに映る、連れ去られるメグミに対し、未来のカトウが「助けに行くから待っててください！」ってのはストーリーとしても仕掛けとしても素敵。
わからないところ。未来はどこからはじまっているのか。
最初にカトウが2分前のカトウから声をかけられる。ピックの位置を知っている。2分前のカトウはそのまた2分前のカトウにその位置を教えてもらっている？
はじまりがわからない。そう、どうしたら、お金が落ちてないか探しにいくきっかけになるだろう。お金が落ちてる場所がわかれば→4分後からのメッセージお金見つけた→探しに行く→見つける→メッセージ残す→？
そうここのやりとり、ヨーロッパ企画感と私が感じてしまう何か。みんな小物なの。人間が小さい。世界を変えるなんて大層なことは誰も考えない。
メグミとの関係っていうとても大事なことも、未来のことばに従って、嘘をついて。そして落ち込んで。「オッケーでしたー！！」っていうあの明るさが切ない。
でも、2分後の未来のことばに、その気になって、メグミを誘うけど断られて、未来と合わせるために嘘をつく。本当にどこがスタートなのかわからない。
原理がわかっているオザワも得した感あるのゼブラダンゴムシだけだし笑。とはいえ時間三兄弟の長男酒井さん、本当にわかってるだろうし。
まったくわかってない諏訪さんに、サマータイムマシン・ブルースの諏訪さん感。ニヤりとしてしまう。
いつもならふざける方が多い気がする土佐さんが逆に真面目な感じが以外。
とりあえず言い出しっぺな石田さん。理子ちゃんははじけてる。
ってそうゼブラダンゴムシといい、出てくる小物たちがすべて役に立つってやっぱり気持ちがいいやつ。階段上がるたびにみんなが一つずつ持ってくるのって心を昂らせていくね。
闇金事務所でのかっこいい土佐さん。このぐるぐる回るような長回しの間、モニターの中の映像も動いているのだもの。カトウがケチャップ見せて、アヤが出ていく、とか最後、オザワが「モニター持って帰ってきて！」っていうタイミングにちゃんとみなさんが合わせて。
おなじみヤクザな中川さん。「ドスはおどす」と語源を語る角田さんが好き。
永野さん、本多さんの姿を見たとき、きっとタイムパトロール的な何かだって、ヨーロッパ企画好きなら思うはず笑。ムロツヨシショーでもそうだったのもあるけど。
そう時空局！そしてお馴染み「時の牢獄」！
そしてお馴染みだいたいちょっとこの人たちはマヌケだ笑。
「二つの意味でのんでもらう。」だっけ？そんなにうまくない感じもいい。
今回、諸岡くんの存在に気づいて嬉しい。だってはじめ見たときは諸岡くんを知らなかったもの。生配信で知って、京都妖気保安協会があって、もう。
ヨーロッパ企画はやっぱこうやって、どうしてそこに力を入れる！ってことを追求していって欲しい。そんな気がする。その上で素敵なストーリーがあって。今回のカトウとメグミのような。エンディングへの二人の会話、本当に好きだもの。上田さんの願望？だとしても笑。
写真は電流イライラ酒をついにクリアして思わず撮ったスクショ。