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わたし今日から25歳になるわ、と思ってみたら、たくさんのことに気が付いた

ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』という本を読んだ。日本では2020年に発行された比較的新しい本。脳関係は結構チェックしているので、知っていることも多かったけど(知っていても面白かった)、初めて見たのが、20代のころの思い出に浸ると脳が健康になるという研究成果。当時の思い出の写真や20代のころに流行していた音楽やテレビなどに囲まれて、昔を思い出して、心や五感を動かす時間を定期的に過ごした人たちは、寝たきりだったのが動けるようになったり、好奇心が旺盛になったりと、あれやこれや若返ったらしい。

年とともに好奇心も感情も動かなくなる。思い出すということは昔活動していたニューロンを活動させることだ。ノスタルジーに浸ることが脳にいい、ってのはあり得そうな気がした。

じゃあ、わたしだって、いま42歳だけども、ときどき20代になったつもりになってみたらどうだろう。具体的には25歳がいいな。ときどき、現在の経験値と実力のまま20代に戻れたら無敵だなって夢想するのだけど、それを想像力でやってみればいいじゃないか、と思った。

でも、そう思ってみて、なぜ、わたしは、20代なら無敵だと思うのだろう、と素朴な疑問が湧いた。42歳では何がダメなのか。別にぴちぴちの肌になって、何食べても太らない体に戻ったとしても(トップの写真は25歳のわたしである。細すぎる!)、別にそれでやりたいことは特にない。恋愛し直したいわけじゃないし。体力も25歳の方があったわけでもない。いつも貧血でふらふらしてたし、PMSに悩まされまくっていたし、今の方がよっぽど健康である。

20代だと未来があるから? いや、42歳だって未来があるよ。あと40年くらい元気でいろんなことしたい。何でもできる。

もう20代ではないわたしは、20代のわたしと、何が違うのだろう。

そう考えたときに、40代なのに20代になるとか言い始めた自分に対する悪口が次々に湧いてきた。年甲斐もなく。おばさんなのに。若い子のふりして。いつまでも年を認めず。恥ずかしい。わきまえなきゃ。みっともない。イタイ。笑われる。もっと落ち着きなさい。劣化してるくせに。もう若い女の子じゃないのに。価値がない。

なんだ、これ。気持ち悪い。誰の考えなのだろう。たぶんきっと昭和の、今より寿命は短くて、今より女性が社会に進出していなくて、今より誰もが生きにくかった時代の遺物だ。そんなものをわたしは頭の中に飼っているのかと思った。

年齢は便宜的に制度的に決まっているだけのものなんじゃないだろうか。体や脳のダメージの蓄積は人によって全然違うし、心の在り方も全然違う。経験も違う。立場も違う。社会を運営していくためには便宜的に生まれてから何年目かという数値が必要かもしれないけれど、自分の人生を生きていくうえで、40代はこうあるべき、というのは、自分が決めたらいいんじゃないだろうか。他の人の「こうあるべき」に添って生きていたら、自分の進みたい人生から遠ざかってしまう。

はい、あなたは今から25歳です。さあ、何をしますか? 
そのしたいことは、今の年齢ではできないことですか?

こんな問いをいつも自分に投げかけながら生きてみようと思う。

撮影:ame





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