マガジンのカバー画像

『雲仙記者青春記』 新米記者が遭遇した、災害報道の現場

16
記者になったばかりの新米が、突然の大災害に遭遇。1万人を超える避難住民が出ているのに、経験はゼロ。右往左往しながら地元に住み込み、5年後に災害が終わるまで見届けた記録が、『雲仙記…
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

『雲仙記者青春記』第8章 島原で出会ったジャーナリストたち

『雲仙記者日記 島原前線本部で普賢岳と暮らした1500日』 (1995年11月ジャストシステム刊、2021年3月3日第8章公開) 報道人にとっての島原 毎年6月初め、多くの報道関係者が島原市に集まる。「6・3」取材のためだけではない。毎日新聞労働組合が中心になって開く「マスコミ雲仙集会」があるからだ。  約300人の報道関係者が参加する集会は「島原の声を全国に」をテーマに、これまで毎年欠かさず開かれてきた。  日々のニュースに追われる記者は長いスケールの報道が苦手なだけに

『雲仙記者青春記』第9章 1994年4月、牟田隊長事件

『雲仙記者日記 島原前線本部で普賢岳と暮らした1500日』 (1995年11月ジャストシステム刊、2021年3月17日第9章公開) 警察の災害警備隊 長崎県警島原署の災害警備隊は、隊長の牟田好男警視ら16人の体制だった。このほか、24時間交代で派遣されている約40人の機動隊員が、警備隊の指揮下に入っていた。  牟田隊長は、同期拝命の警官の中でもっとも早く警部に昇進。また、一緒に警部になった中でも最初に警視になり、長崎県警の出世街道のトップを走るエリートだった。  しかし、出