『雲仙記者青春記』第6章 1993年4月28日、立ち直りつつある島原を土石流が叩きのめした
『雲仙記者日記 島原前線本部で普賢岳と暮らした1500日』
(1995年11月ジャストシステム刊、2021年2月3日第6章公開)
けた違いの大土石流 「俺はどうあがいても『雲仙記者』にはなれない。『6・3』の修羅場も知らないしな」
あるとき、ぼくと同じころに島原に赴任した他社の記者が、残念そうに言った。
「雲仙記者」。彼の言い方には、ある種の敬意がにじんでいた。
毎日新聞なら浜野さんだ。彼なしに毎日新聞の普賢岳報道は語れない。社内では「普賢岳のことなら、浜ちゃんに聞