『雲仙記者青春記』第5章 太田先生の「終息発言」と、火山学者たち
『雲仙記者日記 島原前線本部で普賢岳と暮らした1500日』
(1995年11月ジャストシステム刊、2021年1月17日第5章公開)
普賢岳のホームドクター
普賢岳は、世界でも極めて珍しい「非爆発的な噴火様式」の火山だ。噴石で被害が出たのは、たった一度。火砕流は溶岩ドームからの部分的な崩壊でしか発生せず、フィリピンのピナツボ火山のように、噴き上げた高温の火山性噴出物が降下してくるケースはなかった。
だからこそ、火口からわずか7kmの島原市街地が生き延びることができた。普賢