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不動産投資のお話 -イールドギャップ

金澤幸雄です。

不動産投資を勉強していると「イールドギャップ」という言葉を目にする機会が増えてくると思います。
イールドギャップ(Yield gap)とは、投資の利回りと長期金利との差のことを指し、本来は不動産投資に限らず投資一般に使われる用語です。ここでは、投資の中でも不動産投資におけるイールドギャップについて、お話ししたいと思います。

不動産投資の重要な投資判断指標となるイールドギャップとは、「投資物件の利回り」と「金融機関からのローン金利」との差のことです。

不動産投資の対象となる物件の収益性と借入金の金利が上昇した場合のリスクを見極めるための指標のひとつと言えます。このイールドギャップを計算することによって、借入金を効率的に活用できているかどうかを把握することができるのです。
イールドギャップの値が大きければ大きいほど、得られる利益も大きくなります。一般的には、新築、中古物件ともに3%以上の物件が理想、少なくとも1.5~2%くらいを目指すべき値として選ぶようにすると良いでしょう。

不動産投資におけるイールドギャップの計算方法には色々ありますが、まずは一番簡単な「表面利回り」の数値を使った方法をご紹介しましょう。表面利回りの数値を使った計算は、かなりざっくりとした数値の分、実際の数値とは少し離れる可能性がありますが、わかりやすく計算しやすいのが特徴です。

例えば、物件価格が6000万円、年間の家賃収入が480万円のマンションがあるとします。
この場合、物件の表面利回りを「(年間の家賃収入÷物件の税込価格)×100」で求めると、8%となります。
このマンションのローン金利を仮に3%と設定すると、8%から3%を引いて、イールドギャップは5%ということになります。

さきほど書いたように、これは実際よりもやや高めに出る傾向にあり、あくまでもおおよその数値です。表面利回りを使った計算方式だけで判断すると実際の収益性が読みにくく、見誤る要因にもなりかねません。

言うまでもなく、不動産投資には

  • 不動産仲介手数料や司法書士報酬、印紙税などの購入時にかかる諸経費

  • 物件管理費や修繕費、固定資産税などのさまざまな年間経費

が必要です。真の収益性により近い数値を知るには、表面利回りではなく、これらを加味した「実質利回り」を使って計算する必要があります。

実質利回りの計算式は以下の通りです。

(年間の家賃収入-年間経費)÷(物件の税込価格+購入時にかかる諸経費)×100

実質利回りで計算すると、表面利回りも現実的な収益性がわかります。ただ、これ以外にも空室や、借主が家賃を滞納するなどのリスクへの備えや、駅からの距離など実際の物件の状態、築年数、間取り、設備など、投資の対象とポイントは多岐にわたります。

これらを踏まえ、実際の投資判断をする際にはきちんと実質利回りで計算をし、コストを考慮することが重要です。

金澤幸雄

Photo by Tierra Mallorca on Unsplash

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