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『東京物語』小津安二郎監督作品 感想 2024/4/29
おじいさんとおばあさんが穏やかで、ひたすら可愛かった。
都会と田舎という、僕が祖母と話すときにもよく出てくる対比がモチーフとなっていた。
人にはそれぞれ生活がある。生活という現実の重みは、愛という抽象的なものを超えてしまうことがある。その様を描いていた。
未亡人の義理の娘さんが、おじいさんとおばあさんと接する姿は、愛であるように見える。
それは娘さんが、亡くした夫を抱えながら(時に忘れてしまうときもあるが)今も生きているからかもしれない。
その現実とは別の抽象的な関係性の意識が、おじいさんとおばあさんに投影されて、愛のようなものを形づくっているのではないか。
彼女はそのことに意識的である。自分が現実に埋もれていく感覚を持っている。
都会と田舎、現実と非現実、現在と過去など、様々な対立とその混淆が人が生きていくということを様々な角度から照らし出していた。
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