見出し画像

「場づくり」とかおこがましいこと言う前に。/田中元子さん(喫茶ランドリー)との対談”自由人博覧会”より

すごかった。オンラインでの参加者70名、現場スタッフ10名。トークセッションが進むにつれ、みんなが少しずつ(あるいはだいぶ)フッと何かから解放されて、最後には自分が……「しょうもない」とか「がんばりすぎ」とか「もやもやしてる」とかの自分が、なんというか、「あーん、ちょっとラブリー♥」に思えたはず。

そういう、「サバンナに降り続いた雨が降り止んだ次の朝、すべてが流されてしまったと思っていた地面から、久しぶりの太陽の光を浴びて、様々な植物の小さな芽がにょきにょきと生えてくる瞬間」みたいなものを、私ははっきりと感じた。そして思った、「ああ、まさにこれが、『場が作られた』ということなのか」と。


実はこのイベントがスタートする前、私は、ちょっと気鬱(←すごい漢字!)だった。まさに「場」として自分が主宰する、学ぶ場「リベルタ学舎」(※一般社団法人)をコロナ後へと再構築しつつ、先月働く場「なりわいカンパニー」を株式会社化して、ついでにシングルマザーなので家もいわばワンマン経営者だったりして。

勝手にいっぱい背負って、たぶん、毎日重いものをずるずる引きずっているような気分になっていたのだと思う。どれも、誰からも頼まれてないのにね。しかも、今回は初めて本格的にやるオンラインイベントで、さらにゲストは、今年の「自由人博覧会」シリーズで唯一面識ないのに「お話したい」と無理くりつないでいただいた、田中元子さんだ。事前打ち合わせをしたら、予想の500倍、素敵な方で。うぉぉ…!!

そんないろんな意味で「できるんやろか」という不安があったらしい。極めつけに当日早朝、ハンモックから落下して後頭部を鉄パイプで強打するという、コナンでも見ないような見事なオウンゴールを決めてしまう。午前4時半、冷凍庫からアイスノンを出してきて枕にして寝転び、ずっとシクシク泣いていた。何やってるんだろうオレ、46歳、太め。えーんえーん。


画像2

そんな、けっこうナーバスなコンディションで現場に入った。スタジオのコミューン99には「なりわいカンパニー」メンバーが、ソーシャルディスタンスとれる10名。オンラインの向こうには参加者70名。そして15時、自由人博覧会「場づくり、からの自由」が始まった。

まず、田中元子さんの『場づくり』論が20分。次に湯川を黒柳徹子役に、「公共」「陰毛」「美」についてのトークが30分。最後に参加者さんからの質疑応答たっぷり60分。合計120分にわたり、田中さんから飛び出し続けた言葉は「ぜんぶ名言」という感想もあったくらい。

「場」とは、自由で多様なことを許容できること(主語は「自分が」でも「他者が」でもよい)
「成功」は、たんに「自分が納得できるか」だけ。私はすぐ命かけちゃうし、納得いくまでやるから、「失敗」はない。
「場」をつくるとか、「まちをつくる」とか、おこがましいよね。


田中さんは、自分に「自由で多様な生き方」を許してくれた東京で、コロナ後だからこそ、「孤独」にならない場をちゃんとつくっていくんだ、とあらためて心に決意したそう。

それを聞いて、そうだ私も、コロナを経て、「みんなが自分の仕事に誇りを持てて、持続できる働き方ができる場」としての、なりわいカンパニーを、この流れ着いた先で故郷と勝手に定めた神戸につくったんだった、と、思い出した。勝手にね。そして自分のために。


完敗だった!(←勝とうとしてたのか!) 

田中元子さんの厳しさと、優しさと、圧倒的な愛。あの時間、そこにはたしかに、「喫茶ランドリー」が立ち現れていた。

画像1


いちばん学ばせていただいたのは、私でした。自分の弱さを受け容れることができないで、他者のまるごとを受け容れられるわけがない。そして他者のまるごとを受け容れられないような場だったら、私が私の公共をつくる必要ない。

何度も話すけど、「パブリック」の語源は、ラテン語の「陰毛」。毛が生えたもの同士がつながるのが、「パブリック」だ。田中さんとも、「ソーシャル」初心者に散見される「自分がどう社会から評価されたいか」という軸で行動するのって、実は自分だけのことしか考えていないってことだよね、という話になった。

だって、他者による評価を自己肯定の手段としている、ということは、他者を道具にしていることだもの。それは毛が生えていないおこちゃまのやることだ。毛が生えてそれやってたら、恥ずかしいぞ。(ついやっちゃうのだけどさ)


んで、私も最近、どうもそれをやっていたのではないか疑惑だ。なんかこのところ気負いすぎて、「みんなの場」をつくろうとしていたみたい。あー、我ながら、おこがましい。ちょっと偉くなったと自分を見誤っていたらしい。恥ずかし!

あらためて、心して、自分のための場をつくろう。そのひろがりのなかで、それぞれの「マイパブリック」とフックするひとと一緒にやっていけばいい。そんなみんなと一緒に「自分越え」(←これも田中さんの言葉)していけるような環境をめいっぱいつくる、けど、お世話はしないぞ。できねえよ。

だって私、メンタル、超弱いから。


田中元子さん、そして一緒に場をつくってくれたみんな、本当にありがとう!

愛してる♥

画像3



▶湯川カナ、「自由人博覧会」シリーズを語る。

画像4

スペイン語の「自由(libertad)」は、「解放された状態」という意味。素敵なひとは、何かから解放されて、すごく空高く翔けているように見える。いったい、何から解放されているのだろう?すごく話を聞いてみたい。だって私が、もっと自由に生きたいから。

それぞれ、湯川が圧倒的に憧れる博物館級(!?)のひとたちにお話を伺う。せっかくだから、その「生」そのものに、たくさんのひとに接してもらう。そして「自由に生きる」技術を教えていただく。それが、リベルタ学舎の「自由人博覧会」です。

<全文>湯川カナ、自由人博覧会を語る。
http://lgaku.com/index.php/jiyujin/20200614/


▶次回:「教える」本質について、ビジャレアル指導者&Jリーグ理事の佐伯夕利子さんにきくぞ!/自由人博覧会

画像5

<日時>(オンライン開催)
2020年7月4日(土) 15:00~17:00
(※おやつタイムにつき、お酒やお茶などを楽しみながらやりましょう)
<参加費>1,650円(税込み)
<お申し込み> https://coubic.com/lgaku/944955


■お問合せ先:一般社団法人リベルタ学舎
info@lgaku.com
078-599-9381


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?