始まり

俺は若造に事務所内の案内をしてもらう

ゲッ。この若造白髪が多い。
1本や2本じゃねーぞ。

ゴワゴワした髪の毛に大量の白髪。
気味が悪いオーラが醸しだされている。
若いのにどことなく老け込んでおり生気がない。

なんなんだこの若造。
職場で一体なにが起こったんだ?
俺は従業員全体が集まる部屋に案内された

「こちらでお待ち下さい。」
若造が言う。

俺は腰をかけた。

「お飲み下さい」
若造に給茶機からお茶を出された。
おっ
元気がないが気が利く若造だな。

「ありがとうございます。」

お礼に白髪を抜きましょうか?
なんて冗談を言おうとしたがやめておいた。

なにせ周りの従業員がハゲだらけだからだ。
見渡す限りのハゲ。
異様な光景だ。

白髪とは言え大事な毛髪である。
俺は感謝の白髪抜きは踏みとどまることにした。

8時半に全体朝礼がスタートだ。
「おっはようざいやーす」
「よろしくおねがいやーす」
「本郷かなたと申します」

ブラック企業で培った営業スマイルで先輩からの反応もまずまずだ。


ひととおり職場の人間への挨拶を終えた。
最初の違和感は杞憂だったな。
案外皆良い人っぽいな。。。

工事部とビルメン部 二つの部署がある。

どうやらビルメン部は別館の地下で仕事をしているようだ。

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