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「INTERNET YAMERO」が最高だった話

 「インターネットエンジェルという現象は仮定された有機交流電燈の かわいい虹色の照明です。あらゆる透明なアカウントの複合体」

 先日、「INTERNET YAMERO」という楽曲が発表されました。

歌唱:KOTOKO
作曲:Aiobahn
作詞:にゃるら
キャラクターイラスト:こかむも、 お久しぶり
ピクセルアート:ねんない
背景:ccnaov
MV:TOHRU MiTSUHASHi、前田地生
Vocal Direction:まろん (IOSYS)
Special Thanks:Megumi Torii (Xemono)
Produce:さいとーだいち(WSS playground)

 この楽曲は、「NEEDY GIRL OVERDOSE」というゲームタイトルの新曲になります。
その新曲である「INTERNET YAMERO」は、一聴した際に、魂がこもった力作であると私は感じました。
今回は、そんな魂の一曲である「INTERNET YAMERO」について、ゲームの解説も交えて語ろうと思います。

NEEDY GIRL OVERDOSEについて

 まず、楽曲の前に収録されているゲームについて解説します。
NEEDY GIRL OVERDOSEとは、端的な言葉で説明すると、育成シミュレーションゲームになっています。
メンヘラで承認欲求が強い女の子である「あめちゃん」は、動画配信者の「超てんちゃん」でもあります。
プレイヤーは、「あめちゃん」と同棲するパートナーとして、「あめちゃん」をサポートしていく内容になっています。

日本独特のサブカルチャーやインターネット文化を題材にしたゲームでもあり、全世界75万本を売り上げる人気ゲームとなっています。

INTERNET YAMEROについて

 本題の「INTERNET YAMERO」について、つらつらと感じたことを書いていきます。

  • 歌詞について

 作詞は、主題歌に引き続き「にゃるら」さんが担当しています。
私は「にゃるら」さんのことがとてもとても好きで、シェアハウス暮らしの頃から密かに応援しています。
今作も、「にゃるら」さんの作詞力、思考を言語化する力がいかんなく発揮されています。
特に聴いて印象に残った歌詞は、以下2つになります。


1、「ほんとうは幸せを知ってるのに 不幸なフリやめられないね」
 
私は、「不幸なフリやめられないね」という文章に思うところがありました。
私にも、過去色々と辛いことがありました。
特殊な家庭環境で育ったことや病気もあり、よその家庭と比較して、不幸だ不幸だと嘆く日々が続いた過去がありました。
幸せな日々もあるのにです。
まさに、「ほんとうは幸せを知ってるのに 不幸なフリやめられないね」でしょう。
私や「あめちゃん」のように、「不幸なフリ」をしてきた人間には刺さる歌詞になっているのではないでしょうか。

2、「こんなに苦しい筈なのに インターネットがやめられない」
 
現実世界が辛い人間にとって、インターネットとは一種の逃げ場であり、もう一つの世界でもあるでしょう。
現実世界とは違い、電脳の世界ではより多くの反応がもらえます。
現実世界で人に反応してもらえた経験が少ない人にとって、インターネットは救われる場でもあるのです。
ただ、多く反応がもらえるということはそれだけマイナスな反応もされるということ。
辛く苦しいのに、肯定してもらえた時の気持ちが忘れられない。
そんな「あめちゃん」の気持ちや、若者の気持ちが乗り移ったかのような良い文章だと感じます。

 また冒頭の、
「インターネットエンジェルという現象は仮定された有機交流電燈の かわいい虹色の照明です。あらゆる透明なアカウントの複合体」
は、宮沢賢治の「春と修羅」を意識した文になっています。
大変「にゃるら」さんらしい文章で、改めて好きになりました。

  • 曲について

 歌唱と作曲は、こちらも主題歌に引き続き、「Aiobahn」さんと「KOTOKO」さんが担当しました。
曲調についてですが、前作に比べて、かなりアップダウンが激しい曲だと感じました。

前作「INTERNET OVERDOSE」は、2000年代中期を懐かしめる電波ソングという印象でした。
「KOTOKO」さんの歌も相まって、あの頃のノスタルジーに浸れる素晴らしい楽曲です。
※ちなみに私は、「七転八起☆至上主義!」と「さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~」が好きです。ハヤテのごとく世代なので…
なんで今作はこんなにアップダウンだったり、ノイジーな音が多く採用されてるのか考えました。
そこで思ったのですが、ひょっとして「躁鬱」を表現しているのかなと感じました。
最初に「インターネットやめろ」と言っておきながら、「インターネット最高」と言い出したり、歌詞全体を見ても気分の上昇下降が多くあります。
「あめちゃん」自身が情緒不安定なキャラだからということもありますが、曲全体を通して、「躁鬱」というか「2重人格」のような対比がされているのがとても印象に残りました。
また、
「かけめぐるエクスタシー~~無理だ死ぬ 頭が割れてく」の時より、
「ほとばしるエクスタシー~~忘れないでいてねインターネット・ガールきっと」のほうが低音が強調されています。
ラストにある、スキスキ連呼パートへの導入のような感じがして、個人的に好きです。

最後に

 「NEEDY GIRL OVERDOSE」が大ヒットして、世間の期待値が大幅に上がったことでしょう。
そんな中で、これだけの楽曲を世に出したのは、クリエイターの皆様の実力が素晴らしかったとしか表現できません。
これからも陰ながら皆さんのことを末永く応援していきます。
読んでくれたみなさんも是非、「INTERNET YAMERO」を聴いてくれよな!

インターネット最高!


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