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【備忘録&開き方】神椿オンリー同人即売会『Observer Effect』を開催しました

はじめに

去る10月7日、神椿オンリーの同人誌即売会『Observer Effect』を開催しました。
本イベントは、多くの方にご来場いただき、大盛況のうちに終えることができました。サークル参加者様、一般参加者の皆様、そして運営スタッフの皆様、本当にありがとうございます。

本記事は上記イベントの備忘録とともに、新たに同人誌即売会を開催したい人に向けて参考となる情報を提供できればと考えています。

イベントを開催するにあたってまず困ったこととして、サークル参加の留意点やノウハウはインターネット上にあるものの、イベント開催の方法があまりに少ないことでした。

初開催で全くノウハウがない私たちにとって、この状況は困難を極めましたが、僅かな先駆者の情報と自身の知恵を絞ってなんとか開催することができました。

本記事ではイベント開催の経緯と運営を振り返りつつ、反省点等も赤裸々に記載します。同人イベントを企画している方、Observer Effectに興味をもってくれた方に有益な情報を提供できれば幸いです。

イベント企画まで

あくまで感覚値の話となりますが、神椿の同人サークルはここ1年~2年ほどで急に盛り上がってきた印象があります。
潜在的なサークル参加の需要は常にあったのでしょうが、2021年頃に最初のサークルが出始めてからサークル参加の流れが強くなり、直近の2023の夏コミケでは一つの島を形成するようになっていました。

オンリーの企画は、そのような勢いを肌で感じ取っていた2023年1月にスタートしました。結局開催まで足掛け10ヶ月を費やしたことになります。

本イベントは、主催の風祭さんと私の2人の体制で基本的に動かしています。風祭さんが外交関係、私が内部の事務処理を手掛ける形で企画を進めていきました。

また、他にスタッフとしてぽんさん、かみかみ茶さん、うっしーさん、つららさん、トムさん、ぐちおさんにお手伝いいただきました。
みなさん、本当にありがとうございました!

イベント告知前準備

最初にイベントを企画した際に、最初に決めなければならないことをリストアップしました。
何をやるべきかはこちらのサイトを参考にしました。

(花鳥風月様ありがとうございます)

そして、下記事項を2023年4月までに進めていきました。

日程・会場を確保する

日程はサークル参加募集期間、事務処理にかかる時間を考慮して、10月7日(土)に決定しました(本業もあるので繁忙期が被らないように注意しました)。

開催地ですが、同人イベントが開催できる場所をまとめているマップを参考にしました(このマップ以外有益な情報が本当にありません)。
この中で、会場アクセス、会場費、会場の同人イベントの経験等を考慮し、東京文具共和会館に決定しました。

参加概要、注意事項等を整備する

個人的に同人イベントで最も注意するべきことが参加概要だと思っています。二次創作という作品を扱う都合上、公式から出しているガイドラインに遵守する必要があるからです。
一方で、私たちは公式ではないので、公式のお達し以上のことは判断できません。だからといって、むやみに無法地帯にするわけにもいきません。

最終的に決めた概要は以下の通りです。
この調整に1ヶ月ほど費やしました。

概要
神椿レーベル(ANARCHIC RECORD、PHENOMENON RECORD、SINSEKAI RECORDに所属もしくは業務提携しているクリエイター及びアーティスト)、音楽的同位体(THINKERとCeVIOが共同開発した音声合成ソフトウェア)の二次創作物の同人誌即売会です。
頒布物例
イラスト本、小説、イメージグッズ、CD、同人ソフトなどの二次創作物
※ただし、使用してよい合成音声は可不、星界、裏命、狐子、羽累に限ります。
(他合成音声によるコーラスや楽器としてなどの使用もご遠慮ください)
☆作品のガイドラインは神椿二次創作ガイドラインに従います
※株式会社THINKRで使用された、もしくは認められたイラストやグッズを本イベントにおいて展示、頒布などをしないでください。
参考例
神椿二次創作ガイドライン 
https://kamitsubaki.jp/guidelines/
楽曲・原盤利用のご相談・申請は株式会社ループホールにご相談ください。
http://www.loopwhole.co.jp/mail.html

その他、チケット販売の際に個人情報を収集するため、プライバシーポリシーを整備する必要があります。
こちらはその他チケットサイトを参考にしつつ、規約を整備しました。

また、サークル参加者、一般参加者に対して、それぞれガイドラインを作成しました。こちらは来場導線、注意事項等を記載したものになります。

サークル参加者を募集する

当たり前の話ですが、サークル参加者がいなければイベントは開けません。そして、本イベントは神椿界隈最初のオンリーでしたので、どの程度参加者がいるのか未知数でした。

そのような事情もあり、正式なサークル参加の募集を行う前に個人的なつながりを通して、サークル参加予定者に積極的に声かけをしていきました。

(この活動は本当に地道な営業となり、声かけを手伝って下さった運営スタッフの皆様、そして快諾して下さったサークル参加者の皆様、本当にありがとうございました!)

イベントチケット、イベントフライヤーを用意する

同人誌即売会の開催にあたって、参加費の集金のためにチケットを販売する必要があります。
現在、様々なチケット販売サイトが世の中にはありますが、個人的にオススメなプラットフォームは、Passmarketです。

手数料が3.564%と安く、コンビニ払いにも対応しています。
積極的な参加勧奨を行うためにもコンビニ払いの対応はマストでしたので非常に助かりました。

また、扱ってみた感想ですが、PassmarketはUIが比較的分かりやすくチケット販売方法の融通が効くため、個人でもチケット販売管理がしやすいプラットフォームだと思います。

そして、チケットサイトを用意・日程を確定した後、イベント告知に必要なフライヤーの制作を開始しました。
今回はロゴをサカノさん、イラストをがうるさんに依頼し、イベントフライヤーを制作しました。
素敵な制作物を提供いただき、ありがとうございました!

(費用面からフライヤーデザインを私が担当しましたが、次はちゃんとしたデザイナーさんに依頼したいですね……)

【イベント名の由来】

当たり前の話ですが、正式なサークル参加者募集の告知前にイベント名を決める必要がありました。
スタッフメンバーで様々な案を出しましたが、最終的に本イベントの名称は『Observer Effect』に決定しました。
コラム的な話となりますが、本イベント名の由来を紹介します。

Observer――観測者という名称は神椿所属のバーチャル・シンガー花譜のファンネームで、「ファンのみなさんにみつけてもらったから」名付けられた名前です。

この「観測者」という名称は現在では神椿ファンの総称としても用いられることも多くなっています。

一方でイベント名の『Observer Effect』は直訳すると、「観測者効果」です。
この観測者効果には、科学分野において特定の意味が存在します。

科学における観察者効果とは、観察するという行為が観察される現象に与える変化を指す。

wiki

この「観察するという行為が観察される現象に与える変化」という事象は二次創作の表現に似ていると思いませんか?

二次創作は、推しの行動や言動を想像し再構成したものを自身の創作によって表現するものだと思っています。
私たちの観測から始まり、推し活によって、観測される対象に影響を与える――その影響によって解釈された推しの制作物はイラストや漫画、小説、音楽という形となり、人々の前に現れるわけです。この現象はまさに観測者効果と言えるのではないのでしょうか。

『Observer Effect』という名称はこのような思考を発端とし、名付けられました。個人的には神椿の二次創作イベントの名称として良いものを名付けられたと考えています。

イベントの告知後

4月までに全ての準備を終え、残すはイベントの告知となりました。
多くの人に参加してもらうため、イベントの告知タイミングは色々考えましたが、今後のスケジュール等を踏まえ5月のGWとしました。

サークル参加募集を7月に締め切り、8月にサークル参加者の取りまとめ、サークルカット等の紹介画像を作成し、9月から一般参加者のチケット販売を開始するスケジュールです。
(かなり余裕をもっている方だと思っています)

イベントの公式Xアカウントを作成し、最終的に告知したのは5月6日となりました。

その反響は想定していたよりも大きく、ひとまずほっとしました。
今まで頑張ってきたことは無駄じゃなかったんだと……

お問い合わせへの対応

イベント告知後にはお問い合わせが続々と届きます。

しばらくはそのお問い合わせに対応する日々が続きました。
また、全員に紹介するべきお問い合わせはXにて公開しつつ、メール等を用いてサークル参加者に伝達しました。
初めて故の不甲斐なさもあり、ご迷惑をかけた部分も多々あったと思いますが、快く対応して下さった参加者の方々には感謝いたします。

サークルカット、ポスター、パンフレット作成

続いて、会場で使用する制作物を作成しました。
サークルカットは一般参加者がサークルを確認するために必要なので、一般チケットを売る前の9月上旬までに準備しました。

ポスター、パンフレットは10月7日の開催前までに用意しました。
(パンフレットの誤植の件は関係各所に色々ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした……)

ご家庭の都合や病気等のキャンセルもあり、サークルカット、サークルマップは適時調整を行いましたが、最終的には下記のようなサークル一覧となりました。

①サークルカット


②サークル一覧

③サークルマップ

④会場ポスター

⑤パンフレット

これら制作物の中でサークルマップの作成は最も頭を悩ませたところでした。
コミケ等でも列が形成されると予想される大手は壁に置かれ、他のサークルの邪魔にならないように配置されます。
今回は初めてということもあり、どのサークルにどれだけの人が並ぶのか予想できませんでした。また、Observer Effectは小説や音楽CDも含め、様々なジャンルの創作が参加したため、それらのジャンルをまとめて配置する必要もあり、ギリギリまで調整を行いました。

また、この点は会場の規模や構造にもかなり左右されるところなので、視察の際によく確認する必要がありました。実際に私たちも、サークルマップ公開前に何度も会場を訪れ、調整していきました。

会場準備

このような作業を行いつつ、並行して当日の会場準備も進めていきます。

会場準備といっても多岐に渡ります。
サークルの配置、当日のスタッフの動き、会場内外の整列、来場者の導線等事前に考えることはたくさんありました。
全体のタイムスケジュール、スタッフ配置を考えながら、Googleスプレッドシートにまとめて、スタッフに共有し、打ち合わせ行います。

先程も述べましたが、本イベントはどのサークルにどれだけの人が並ぶのか予想できず、現地対応になってしまった部分もかなりありました(分かりやすい大手サークルがなかったのも大きいと思います)。
次回は今回の経験からある程度予想ができるので改善したいところですね。

イベント当日

スタッフは会場設営のため当日朝早く集合します。
席の配置とポスター配置、受付の準備等を1時間程度で終え、スタッフ間で最終確認を行い、サークル参加者を待ちます。

当初は11:00からサークル参加者入場、12:00から一般参加者入場のスケジュールとしていましたが、サークル参加者、一般参加者とともに想定より早く多くの人が集まってきており、準備等も少々前倒しで進めていきました。

特に開場前にこれだけの一般参加者が集まってるのは想定外であり、情報を聞いたときに少し震え上がりました。
スタッフとして会場外整理の役を任せていたトムさん、ぐちおさんにはご苦労をおかけしたと思っています。会場内へスムーズなご案内をしてくださりありがとうございました。

今回の反省を活かして次回はコミケのように時間差の参加券を販売したいと思ってます。遅れて来る人は少し安くして分散を図ろうかな……と(まだ想像の段階ですが)。

結局13:30頃に会場外の全ての参加者を館内に案内することができ、即売会の最も忙しい時間が終わります。私としてはやっと一段落です。
参加者を会場に入れてからは、列整理、お問い合わせ対応と私含めスタッフの皆さん全員が稼働している状態でしたが、大きなトラブルはなく、この時間を終えることができました。
みなさん本当にありがとうございました……!

その後は、即売会特有のゆったりとした時間が訪れます。私自身もこの時間まで常にイベント対応に付きっきりだったので、やっとサークル参加者、一般参加者の方と挨拶をし、交流させていただきました。

(ぬいぐるみは私個人の私物ですよ!)

イベント終了後

無事にイベント開催時間が終わると、最後に片付けに入ります。
本会場は席の原状復帰しなくとも良いとのことでしたので、ポスター等を剥がし、忘れ物チェックを行って終了となりました
最後にスタッフのみなさんと一本締めをしたときは一年間背負ってきた心の重荷が取れた気がしました。それと共にじわっと感慨深さが。
イベントって本当に良いものですね。
(運営への差し入れ、本当にありがとうございました!)

同人誌即売会を開いてみて

『めっちゃ大変だった……!けれど、楽しかった……!』
もう本当にこれが正直な感想です。
同人誌即売会は準備も大変だし、今回は二次創作主体なのでコンプライアンスも守らなければなりません。常に公式様に対して粗相がないように気を配っていました。会場内でのトラブルは絶対に避けないといけないのです。

このようにイベント企画したときから色々と不安なことはありましたが、多くの来場者が来て頂いたおかげで無事に開催することができました。
イベント開催中、みなさんが楽しそうにしている様子を見て、本当に嬉しくなっていました。
スタッフに対して労いの言葉をかけて下さった参加者もたくさんいました。この界隈の温かさに触れた瞬間でした。
本当にみなさんのおかげです。
末筆ですが、改めて感謝の言葉を言わせてください。

Observer Effectに関わってくれた皆様、本当にありがとうございました!

(第二回は前向きに検討中です!)


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