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4年の上京物語


2022年12月20日、
関西への片道切符を買った。

4年ほどの東京生活を終え、私は関西の田舎へ移住する。

実家から程よく近くて遠い、すぐ隣にお寺があるいいお家。
境内へ行くとすぐに自然と触れ合えるところが気に入った。

移住の理由は色々あるが、
"なにもない"に身を置きたくなった。

2018年10月10日は、昨日の事ように思い出せる。
東京への片道切符を持って母に見送られながら、これからどんな毎日になるだろうと思い馳せて上京した日。

思い返せば4年という月日はあっという間で、でもしっかりと歩んできた時間だった。

今の気持ちを恐れずに記していこうと思う。


週に一度、代々木上原にあるクリニックへ通う、その時間は好きだった。

街並みが古くて新しい、美味しいご飯屋さんやカフェが多くて、落ち着く街だった。

いつ頃かは覚えていないが、体調を崩して入院してから定期的に通っていた。

薬をもらい続けて2-3年になるが改善せず、ずっと付き合っていくものだとはわかっているが、やはり考えてしまう。

どうしてこういうことになったのだろう。


そんな時間を過ごす中で転機がたくさんあった。

常に選択をして生きていくと思っていたが、人にはどうにもならないことがあるのだと知った。

「そうせざるを得ない」状態は辛かった。

家がなくなったこと、体調を崩したこと、バンドの脱退。その他いっぱい。

自分の意思ではなく、でも抗うことができず、進んでいく物事に理解が追いつかず体調を崩すループアンドループ。

そんな負の連鎖を振り切る移住にしたいと思う。

なにも起こらずに、湿気や虫や雑草と戦って生きたいという選択をした。

場所を変えたからといって何かが劇的に変わるとは思っていないが、ゆっくりとした時間の中で自分と向き合って過ごしたいと思う。


この世には本当に悪い人がいるという事。

この世には心から信頼できる人がいるという事。


後悔しかない上京物語でした。

悲しくて悔しくてムカついて情けなくて苦しくて、でも楽しかった。
確実に歩んできた4年間は、私にとってかけがえのない時間になりました。

もう一生こんな気持ちになる事はないのだろうなと思います。

おばあちゃんになった時に、笑った分と辛かった分の皺が色濃く、私の魅力となって現れることを祈って。


一緒に時間を過ごしてくれた皆様、ありがとうございました。

またどこかで会いましょう。

関西の皆様、ただいま。

またそのうち会いましょう。

14号車10番E席にて


PS.田舎でひとり、しゅるしゅると小さくなって消えてしまいそうな時は、SNSをしようと思います。

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