或る日のメモ帳

オーダーメイドの不細工


腹は減るが、消えてくれない劣等感


珈琲こぼした芝生の夢遊病


水色の艶やかなる週末


欲しいものはそんなになかった。


過去と今を繋ぐ言葉。


語りえないことは叫ぶしかない。


昔の僕からたすきを受け取った。


携帯の奥に仕舞われた慟哭。


タンスの右端で埃を被った“好きです”の四文字。


10年前の日記に刻まれた暗夜の如き未来への恐れ。
そして、歓喜の想い。


物語のヒロインだったあの娘は何処へ


ここから先を知る人は、いない。


生きる死ぬに悩みは尽きない。


”好き”の門戸を叩き続ける凡人共。


「ごめん、君の声が聴こえない…泡の中にでもいるみたいだ。」


恋の加速度変化量。
愛の等速直線運動。


中華街のハローワーク。


誰も傷つかない言葉が欲しかった。


今すれ違った、
名前も表情も、
好きな煙草の銘柄も
知らないあなたと、
知らない言語で語り明かしたい。


そんな首都高IC夜の話。

2023年、某日。


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