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アフタヌーンティーとカルパス


パリに来る前の話。

友人たちと、アフタヌーンティーに行った。
夜の飲み会はリスクがあるということで、
一気におしゃれに格上げアフタヌーン。

実は、昔から憧れを抱いていた。
3段タワーみたいになっていて、
塩気の物と甘い物が綺麗に乗せられている。
イギリスに一人旅に行ったとき、
本場のアフタヌーンティーを食べてみたい!と思ったけど、
向こうサイズを一人で食べきれるはずもなく。
スコーンだけ食べて帰った。
いつか、本場のアフタヌーンティーを体験してみたい。

今回、飲み会はだめになったけれど、
そのおかげで初めて、憧れのアフタヌーンティーを体験できた。


とあるホテルのそれは、
和洋折衷盛り合わせてある珍しいものだった。


一番下は塩気の物。
クラブハウスサンドにクラブケーキ(蟹のケーキ)、
パテドカンパーニュとこちらは洋のお皿。


真ん中には
黒ゴマのブロンディにいちご大福、
クレームダンジュに中華風カステラと、
アジアンなお皿。


一番上は
いちごのタルトに杏子のフィナンシェ、
餡子といちごの最中と、
和のようなエスニックのようなお皿。

これプラス、スコーンだ。



アフタヌーンティー初心者の私は、
「甘いものは食後のデザートでしょ!」
と、
塩気のお皿を全て食べた後に甘いものに突入した。
甘いものを数個食べたところで、
自分の選択ミスに気が付いた。



もう口が、塩気のものを欲している。


確かに、いくらなんでも
食後のデザートこんなにいらんわ。

と、なった。



クラブハウスサンドを食べて1~2種類甘味、
パテを食べてさらに1~2種類、
クラブケーキを食べて、残りを一気に…

といけばよかった。

と後悔したときにはもう甘いものしか残っていない。


最初は美味しい美味しいと楽しんでいたのだが、
いつしかおかわり自由で選べる紅茶をお供に
戦闘態勢だった。




そしてもう一つ気が付いた。

普段から“甘いものは少しで良い” 派だった。
(いやなんでアフタヌーンにそんな憧れてた?)


お腹は一杯だったけど、
最終的に友人に助けてもらったけれど、
でもやっぱりこの
アフタヌーンティーの優雅な雰囲気と、
ちょこちょこいろいろなものが食べられるわくわくは、
好きだなぁ。

食べきれないの承知で、
また食べたいなと思う。
この雰囲気をまた、味わいたいなと思う。




*****



一緒に行った友人2人とは、久しぶりの再会だった。
1人の友人とは頻繁にご飯に行くのだけど、
もう1人の友人とは距離的になかなか会えず、
3人揃って会えたのは実はまだたったの3回目。

それでもそんな感じがしないのは、
なんだかすごく不思議だ。



私を除く2人は、優秀すぎるくらい優秀で、
脳内レベルも私と彼らとでは月と鼈。
時々、2人で私には理解できない話をしている。
付いていけない話でも、聞いていると面白いのだ。

なぜ会った回数も少なくて、
私だけ明らかにレベルが違うのに、
こんなに合って楽しいのか。
もうそれは、彼らの懐の深さに感謝しかない。



優雅なアフタヌーンティーを終えて公園に移動し、
帆立のヒモやスルメ、カルパスを食べながらのお喋り。
(まさに彼らと私のような雲泥の差である)


話していることは、
ふざけているようで、深くまじめな話だった。

私も話の流れに乗っかって、
初めてちゃんと、自分の話をした。

いつも途中で恥ずかしくなって、不安になって、
めちゃめちゃ割愛してざっくりにしか話せないのが自分の弱い所なのだけど。
でもなんとなく、
彼らに聞いてほしいな、と思った。





住んでいる場所も、やっている仕事も、
生活ベースも何もかも違う3人。

最後1個のカルパスを、
「はい」とくれた友人たちを見て、
ずっとこのご縁が続いて欲しいな、と思った。

大人になってからの出会いは
浅く終わっていくものが多いと聞くけれど、
彼らとのご縁は一生ものになるような、
そんな気がしながら、それをどこかで願いながら、
最後のカルパスを食べた。

今まで食わず嫌いで勝手に苦手意識があったカルパス。
めっちゃ美味しいじゃんこれ。



もしかしたら次集まれるのは数年後なのかもしれないけれど。
そんな時までに、また一皮むけた姿で会えるように
私も頑張ろう。




アフタヌーンティー
帆立のひも
カルパス



アンバランスだけど
濃くて充実した
面白い一日だった。



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