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ひさしぶりに心躍る1冊と出会った『ミッキーマウスの憂鬱』

1番にタイトルに目が惹かれた。

そして、本の最後の書評家の解説を読んで、レジへと向かった。

「この物語はフィクションです」


と言うが、実在する東京ディズニーランドが舞台なので、どこまでが事実でどこまでが虚構なのか分からなくなる。


この小説は、東京ディズニーランドでアルバイトすることになった21歳の若者の、たった3日間の出来事を綴っている。

その3日間の間に様々な出来事が起こるのだが、そんなことは起こらないだろうと思うのに、どこか現実味があっておもしろい。

なぜかと言うと、主人公と一緒に東京ディズニーランドでアルバイトするドキドキ感を味わえるから。


さらに、秘密のベールに包まれた巨大テーマパークの裏舞台バックステージを知ることができる。

ホントかウソかは分からないけど、「もしかしたらそうなのかも」と幻想を抱くことができる。

この小説で裏側を知ってもなお、ディズニーランドを嫌いになれないのは、著者の巧みな技か、はたまた、ミッキーマウスの魔法なのか。


だけど、今まで見てきた表舞台だけのミッキーよりも、小説の中の裏舞台のミッキーを知ってからの方がよりミッキーを好きになった。


言ってしまえばミッキーはただの着〇〇みなんだけど、ディズニーランドの表と裏で働くキャストみんなで、命を吹き込んでいるんだなぁと、ちょっと感動すら覚える。

実は前々から「キャスト」ってなんだよ!(こう思っていた人も多いはず)と思ってたけど、こちらの文を読んで納得した。

ディズニーランド全体が舞台オンステージで、そこで働く人々は役割を演じていて、だから全員出演者キャストと呼ばれ、キャストは常に演技を続けている。

ミッキーマウスの憂鬱より

だから、私たちは、この巨大な舞台を見に来たゲストというわけだ。

そっか、ディズニーランドで夢の世界に入れるのは、そういうことだったんだ。

他の遊園地やテーマパークとは根本的に考え方が違うということが分かった。

すごいな。

改めてディズニーランドのことをもっと深く知りたくなった。


ラストが、非常にスカッと爽快なので、みんなに読んで欲しい。


続編が出ているのを今知った。

買って読みたい。


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