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香港 / #7 出会い

昨日の帰り道に何気なく買ったマンゴーがびっくりするほど美味しくて朝から感動した。香港の友達に聞いたらここでは関税もかからないらしく、果物は南国からのものが多いから美味しいんだよとのことだった。

そういえば香港のこと何も知らないかったなーと。

基本的にいつもガイドブックは見ないで旅にでるタイプで、下調べもよっぽど何か決まった目的がある時以外はしない。直感や縁に任せて気ままに旅をするのが好きなのだ。

それで「わ!こんなのあったんだ!」と日本に帰ってから気づくことも多いけど、「また行く理由ができた」ってポジティブに捉えるようにしている。

すっかり土地勘も付いてきた4日目。
旅先で数日経って慣れてきたくらいの時が一番好き。

香港は自分の肌によく合う。

今夜のフライトで日本に帰るため朝パッキングを済ませてからランチに向かった。
特に場所も決めずにフラフラして気になるお店に立ち寄ったり、写真なんか撮ったりしていると路地の奥が何やら賑わっていたのでその角を曲がってみる。

その細い路地では骨董市みたいなものをやっていた。
路地沿いに店を構える家具屋さんや骨董屋さんと合わせて露店も出ている。

香港映画のセットで使われてそうなオリエンタルな小物から、ブルースリーのポスター、古本に、お土産に丁度良さそうな小物まで、規模は小さいけどなんでも売っている。

今日もよく晴れていて、柔らかい風とそこで遊びまわっている子供たちの笑い声、なんともピースフルな空間だった。

お腹の空いていた私たちはひとまず何か食べてまた戻ってくることにした。

私だけコーヒーを買うことにしたので2人に遅れて戻ると、何とも豪快に笑う骨董屋の主人と話し込んでいる。そこはかなり古いものを取り扱っていて、中でも目立っていた陶器で出来た人形の置物について説明してもらっているところだった。

エネルギッシュでハッピーオーラがとてつもない彼は今年76歳になるという。

元気な秘訣は食事にあるのではと思った友達が何か特別な食事法でもしてるのか聞くと、朝と夜の7時にお茶碗一杯のお米とおかずを食べてるそう。
おかずが何か聞くと奥さんが出してくれたものを黙って何でも食べると言い、また大笑いした。

そして心から笑うことと、ストレスを溜めないことが大事だという。

何だか今回は人と話している時に「あ、その言葉今の私にすごく必要だったかも」と感じることの多い旅だった。

私のことをじっと見てニコッと笑った彼に肩をポンポンと叩かれ、その瞬間になんだか全部を見透かされているような気がした。


続く

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