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キューバ #2 / サバイバルモード


イミグレの列はノロノロと進み、私服で働く空港職員や、その向こう側に見える激ミニスカートの制服×網タイのセクシー関税職員に「常識」の外側に来たことを感じて楽しくなった。

キューバに入国するにはビザが必要で、心配なら日本から準備していくといいけど、カンクンでも書類を書いて手数料を払えばあっという間にビザが取れる。

イミグレをパスして荷物をピックしに行ったらタンテーブルのカオスさにサバイバルモードがオンになる。

人人人。

自分たちの荷物がどこから出てくるかもわからず、これは気長に待つか、と手荷物を床に置いた。そういえばまたあの彼が見当たらない(笑)

ま、そのうち会えるだろうとしばらくボーっとしてたら、税関申告書を機内に忘れたことを思い出し制服を着た空港職員に話しかけた。書類を一枚もらうだけなのになかなか苦戦して、友達の所に戻ろうとすると手前のターンテーブルに新しいフライトの荷物が出てきているのを見つけた。

違うところから出てくると言われていたし、画面に表示されたフライトは私たちのフライトではないけど、なぜかそこが気になって見ていたら自分のスーツケースが出てきた。とりあえず見つかってよかった(笑)

友達のも同じところから出てきて、あの彼にはまだ合流できてないけどひとまず外に出てみることに。外も迎えに来た人でごった返していた。

辺りを見渡しているとあの彼がやってきた。全員無事に入国。

そこから換金をする列に友達が並んでくれ、私とあの彼はベンチに座って待つことに。出発前のバタバタと前夜の余韻であまりファンクションしていなかった彼とここにきてやっとまともな会話をする。

雨季に当たるキューバの空はグレーで、今にも雨が降り出しそうだ。

空港に迎えに来る車は見たことのないカラフルなクラシックカーばかりで、本当にキューバに来たんだと実感が湧いた。

空港の換金所はいろんなレートが書いているにも関わらずドルからぺソへの換金しか受け付けていない。(ちなみに手数料は10%!)換金するならあらかじめ日本円をドルにしておく必要がある。

現地の人が使うCUPと外国人観光客が使うCUCの2種類があり価値が全く違うらしいけど、基本的に私たちはCUCしか触る機会がなかった。ちなみにCUCで1ペソは100円強。

空港を出発する頃にはバケツをひっくり返したような雨が降っていた。ホテルのある旧市街まではタクシーで40分ほど。しばらく建物も見当たらず、豊かな自然に一瞬どこに来たのかわからなくなる。

ミルクティーのような色に変わった空を見ながらボーッとしているとチェ・ゲバラの顔が描かれたビル(内務省)が遠くに見えた。

ちょうど信号待ちする形で革命広場の目の前にタクシーが止まる。予習もなくプランもなく土地勘もない中でこの偶然は嬉しかった。隣のビル(情報通信省)にはカミロ・シエンフエゴス、そのまた隣(国立図書館)にはフィデル・カストロの写真。

彼らがこの国でどれだけリスペクトされているかがわかる。歴史のつまった場所に感慨深い気持ちになった。


続く

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