渡航雑感(01)
タンソンニャット国際空港の出口では”TAXIiii!!!”という客呼びの絶叫があちこちから聞こえてくる. とりあえず乗ったタクシーで運転手に値の張る周遊ツアーを提案されながら, トランジットまでの短い時間, ホーチミンの街に出た.
大量のバイク, 親子2人乗り.
読めそうで読めない派手な看板,
見たことのない巨木, 湿気た温い空気.
次々と現れるものに目を奪われているうちに, 目的地のマーケットへ辿り着いた. ギラギラとした陳列空間を進みご飯を探す. 通路にはみ出した即席のテーブルにつき, 春巻きとライスヌードルを食べた. バナナジュースはふつうに美味しくて, ひとくちもらったココナッツジュースは水っぽくて薄味だった.
往路, 乗り継ぎ3回のうちの1カ国目. 海を越えて初めて異国に降り立ったけれど, その土地を歩いたというより, ただ漂うように目の前の実在が掴みきれないような感じがした. ほとんど味覚とお腹に運ばれたものだけが本当だった. わたしはのちに点状の腹痛を迎えることになる.
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