kananikki
とりとめのない部分
その場所は緩やかな谷を含む丘陵地で, たくさんの民家が見渡せる. 着いて車から降りたわたしは圧倒されていた. 地面は赤土が剥き出しの部分, 植物が生えている部分, そして斜面を下ったところにある井戸から続く小さな池や川などの水辺に分かれる.人々は斜面の赤土が見えている道の部分を下り, 井戸に水を汲みに来る. 草地は大部分がゴミ捨て場と化していて, 時折ゴミを投げ捨てに来る人を見かけた.膝下くらいの高さの低木の上は, 洗濯物を平置きで干す場になっていた. 昼前くらい, 毎日
道路沿いにマネキンがずらっと並んでいるらしいよ, 今回の移動はほとんど車で, 窓の外に流れる景色を眺めていた. マネキンもちゃんといた. 見慣れたショーウィンドウの中に収められたそれとは異なり, 道から店の入り口にかけてのアプローチを大胆に占有していることが多かった. 縦列やV字なども基本形態のようだ. 店ごとに思い思いにビシッと配列されたマネキン群は, ウガンダに着いて間もないわたしの肩の力をふっと抜いてくれたような気がする. カンパラ市内では, 売り物の木製家具も陽
エンテベ行きの飛行機では, 右隣, 窓側に花柄のワンピースにネックレスを身につけた黒人女性が座っていた. 彼女は, 轟音が鳴り響く閉鎖的な乗り物に耐えられず, しだいにどんどん塞ぎ込んで, 青い綿のストールにうずくまっていた. イライラや恐怖のようなものを抑えきれない様子だった. 客室乗務員が窓のサンシェードを閉めるよう指示していて, 誘導灯くらいの小さな照明だけが点々と光っていた. もう, 開けてよいです. ぼんやりとしているうちに機内は明るくなっていた. 空から大
赤茶の土と木々の緑が等しくある. 道路には頻繁に穴が空いていて, 車はそれを避けながら走る. でこぼこしているので, 上下にも揺れるのだ. ウガンダで泥酔している車の見分け方は, 蛇行せず真っ直ぐに走り続けているものがそうだと教えてもらって笑った. 交通の騒々しさの傍らで, 道端の彼らはじっと立ち止まったり座ったり, ぼーっとしているように見える. 一体何を考えているのかしら. 何も考えていないような気がする. 何も考えなくていい, そういう場所なのかもしれない. つづく
タンソンニャット国際空港の出口では”TAXIiii!!!”という客呼びの絶叫があちこちから聞こえてくる. とりあえず乗ったタクシーでは案の定お高めを適正価格だと主張し続ける運転手がさらにツアーを提案してきた. それを頑なにかわす仲間の頼もしさね. 大量のバイク, 親子2人乗り. 読めそうで読めない派手な看板, 見たことのない巨木, 湿気た温い空気. 次々と現れるものに目を奪われつつ目的地のマーケットへ辿り着き運転手にさよならをした. ギラギラの陳列空間を進みご飯を探