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中2 │ 「スペースバルーンプロジェクト2021」Analysis(データサイエンス)/1位

2022年02月27日 14歳 中学2年生

発表会で1位をとり、
プロが参加する『MATLAB EXPO JAPAN 2022』への出場権を獲得しました。

昨年9月、宮古島から上空3万メートルに自作した観測機を打ち上げて成層圏を観測する「スペースバルーンプロジェクト2021」に参加し、様々なデータを取得することができました。昨年10月からそのデータを用いて各自でテーマを決めて分析。分析には、プロも使う数値解析ソフトMATLABを使用。

僕は、双眼カメラを用いて画像解析から距離を求める「エピポーラ幾何」に着目し、今回の打ち上げで撮影した画像で成層圏までの高度を測定した場合、どれぐらい正確性があるのか?を調べました。

◆研究動機

高度を計測する手段としてGPS・高度センサー・画像解析があるが、宇宙や高層の上空での条件下ではGPSや高度センサーが使えない場合がある。その場合、画像解析であれば安定して高度が計れるのではないか?と疑問に思いエピポーラ幾何に着目。 そこで2021年9月20日、自作した観測機(データロガー)を搭載した高高度気球を沖縄県宮古島から高度3万メートル上空に打ち上げて成層圏観測する「Space Balloon Project 2021」へ参加し、エピポーラ幾何で計測した高度の正確性を調べてみることにした。

エピポーラ幾何とは?
ステレオカメラでの距離測定法の一つ
▶両目のように、固定された左右のカメラで撮影した2次元の画像間の「ずれ」から、三角測量法を用いて3次元的に位置を計測する方法。
▶3次元の奥行き情報を復元したり、画像間の対応を求めたりするのに役立つ幾何。

◆分析方法

1. 左右のカメラ動画の時刻をそろえる

Space Balloon Project 2021で撮影した左右のカメラ動画の時刻を
打ち上げ開始30秒後に揃える。

2. キャリブレーション

チェッカーボードが写っているキャリブレーション用画像20枚を使用し、MATLABでパラメーターを算出する。

3. プログラム

動画を読み込み、Fフレーム目の画像を読み込む。画像のグレースケール化、
特徴点のマッチングをし、距離を算出。高度センサーの測定周期が5秒、動画が30fpsなので、150フレームごとに画像を読み比較しやすくする。事前にカメラから全特徴点までの距離を計算し、高度センサーで取得したデータと最も近い値を選抜し距離を出すプログラムとした。

4. それぞれの高度の誤差を出す

最後に、高度センサーで測定した値と、分析した高度との誤差をだす。

※結果、考察、結論は省略します。

◆まとめ

今回の打ち上げ時の条件では、エピポーラ幾何の測定限界が8600mということがわかった。今回打ち上げたカメラの条件下では、 エピポーラ幾何を用いた高度の算出はGPSや高度センサーなど他の計測法に比べて正確性が低かったが、今回使用したGoProのスペックから割り出した理論値で言うと、本来1600mまでしか計測できないところ、僕のプログラミングでMATLABを使って計測すると8600mまで計れていた。

つまり、今回の実験は理論値よりを5倍以上も上回る高度を計測できていた事がわかった。