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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第二十話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
二十話です。…おお、行ったよ二十話。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第二十話
「49階行きのエスカレーター」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。

その後、僕たちは一気に上に上がったんです。
やっぱり上に行けば行くほど、雰囲気って変わるんですね…。


「さぁ、服も乾いてお風呂も入ってサッパリだ。…これからどうしようか。この階にはもう空き部屋は無いんだよね?」
「おう…ここ以外だと、各界に2・3部屋って感じみたいだぜ。どこから行く?一階ずつ上げてくか?」
「…正直、このエスカレーター結構キツんだよね。…一気に49階まで行っちゃおうか。」
「おお!そしたら…向こうのエスカレーターだな!行こうぜ!」

オバケさんは49階行きのエスカレーター乗りました?
アレ凄くないです!?何と言うか…どんなエスカレーターよりも楽しかったというか。
見た目も何か大きなデパートのって言うか、何だか最新の未来的なデザインだったし、アレは好きでしたね。


「…何だか、先が見えないね…これちゃんと上に繋がっているの?」
「繋がっているともさ、てかそりゃそうだろ?46階分のエスカレーターだしな。」
「それもそうか…でもまぁ、よくそんなに長いエスカレーターにしようと思ったね。」
「この頃はコレしか知らなかったんだろうな…とりあえず上がっちまおうぜ!」
「アレ、この前みたいな酔いそうな雰囲気が無い…と言うか普通?…いや、そんなことないか…何だこれ。」
「右手おご覧くださいだぜ!あれが8階名物の怪獣の部屋の覗き窓だ!そしてそろそろ見えるのが…。」
「え!?…あれは、江戸時代?…こっちは…中世ヨーロッパ!?本当に何これ…タイムマシーン?」
「アレは〝人間の時代覗き窓〟だな、このエスカレーターの名物だ。乗ってる時間なげーからその配慮だな!」

どんな配慮をすればこれが生まれるのかは分からなかったですけどね、歴史が好きな僕としては…興奮しました。
え?アレは再現映像じゃないのかって?
違うみたいですよ、リアルタイム映像をその時代に設置した〝ヨタガミカメラ〟ってやつで映し出してるらしいです。
手が込んでいますよね…。


「あ…戦国時代と、大航海時代が両サイドで繰り広げられているよ。…凄い、歴史好きにはたまらないね。」
「あ?そうなのか?俺はさっきの怪獣の部屋が好きだけどなぁ~。」
「あ!え!?これって…いつの時代?」
「ああ…きっと未来だな、スゲーよな人間。車が宙に浮いてるは、スゲー建物に住んでるわで。」
「…ここのインパクトっを見ていると、そんなことちっぽけだけどね。…でも、人は進化しているんだね。」
「いい意味でも、悪い意味でもな。さぁ!49階だ!どんな部屋が待ってるか楽しみだ!」

そして、46階飛ばしで僕たちは49階に辿り着いたんです。

あの階は…何だか高級ホテルみたいで。
少し、危ない匂いがしました。



続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

個人的に、凄いエスカレーターを想像した時。
マリンパークニクスって場所の、巨大水槽を眺められるヤツを思い出すんですけど。

あっという間に終わるんで、何度か乗り降りしたい衝動にかられます。
…それやったら、確実に変な人ですけどね。

次からは新しい階です、楽しんでもらえると言いな…。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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