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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第三十話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
三十話です。…おわ、もう三十か。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第三十話
「ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー①」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
・コンシェルジュ 〝不思議の家〟のスタッフ。

あの後、何かどっと疲れてしまって。
そしたら、また驚かされるハメになりましたよ。

「中々に…どの部屋も刺激的だったね、4部屋回るだけで結構疲れるよ。あ…フロントに戻ってきた。」
『お帰りなさいませ、お客様に合った良いお部屋は御座いましたか?』
「中々個性的すぎてよ、初心者向けじゃねー部屋ばっかだな!やっぱり〝クラシック〟だねぇ~。」
『〝クラシック〟は、古い住人たちがカスタマイズしたお部屋ですからね。仕方ないですよ。』
「待って…何その〝クラシック〟って、部屋の種類か何か?てか、専門用語知ってるの?アコは。」
「あったり前だろ!俺様はここに住んでたんだぜ?お前の中に引っ越すまではな。」
「そうだったんだ…それで、その…〝クラシック〟って言うのは何?」
『〝クラシック〟はこの49階から130階までを初期の階層〝クラシック〟と呼称しております。ちなみにここから下の一階までを〝ヴィンテージ〟、130階から上に向かうと〝レトロ〟〝ミッドセンチュリー〟〝モダン〟〝インダストリアル〟と階層によって呼称が変化致します。』

分かりやすいと言うか何というか、其々の階が人間の世界でも使うインテリア用語っぽくて。
よく言ったモノだなって、だって…確かにその呼称に合った階層ばかりでしたしね。

「へぇ…何か全部ひっくるめて〝ミステリー〟とかって呼称しないんですね…なんちって。」
「…何言ってんだ?あ、お前さては疲れてるのか?」
「最初にそう言ったじゃん…疲れてはいるし、今のは冗談だよ。」
『でしたら、〝ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー〟に本日はご滞在なさっては如何です?』
「おお!俺も名前は知ってるけど泊ったこと無い!何かスゲーいいホテルなんだってな!」
「え、でも…宿泊するのには何か必要だったりするんじゃ…。」
『大丈夫ですよ、宿泊利用の条件は〝不思議の家の内見をしている方〟に限ります。お二人は内見中ですので。
私ども不思議の家スタッフがお客様の為にご用意した、〝最高のホテル〟をどうかお楽しみくださいませ。』

〝家〟の中に〝ホテル〟がある…しかも内見中は無料って。

森の部屋で泊まる前に教えて欲しかったって思うほど…いいホテルでしたね。
あの時は、オバケさんとも出会えたし。

本当、最高の夜でした。




続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

三十話も書いたんですね…毎日修行!
って気持ちで書き始めたこの物語も、約一月。

この先も、拙い僕の言葉で紡がれる物語ですが。
宜しければ、楽しんで、お付き合いいただけると嬉しいです。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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