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ボイスドラマシナリオ:「クリスマスケーキの選び方」

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

今回は季節外れですが、2023年12月25日に公開したボイスドラマのシナリオを公開させて頂きます。

合わせて楽しんで頂けると幸いです。


【クリスマスケーキの選び方】

作:カナモノユウキ


〔登場人物〕
今野義純(こんのよしずみ)四十五歳。ケーキ屋を営むが和菓子が好き。
八木倉緑郎(やぎくらろくろう)四十四歳。義純とは幼馴染み。昔は明凜を取り合う恋敵でもあった。
今野沙織(こんのさおり)十七歳。放課後は家を手伝う高校生。
八木倉明凜(やぎくらあかり)享年三十八歳。交通事故でこの世を去るが実は緑郎の家族を見守っている。
八木倉愛果(やぎくらまなか)十歳。※名前のみ登場。

【プロローグ】

《沙織》ナレーション。
寂れた町にしては賑わっている、私の実家兼ケーキ屋「スマイルファクトリー」。
亭主は私のお父さん【今野義純】、昔ながらの職人気質な頑固者、人情味があるせいでめんどくさい事にもなりやすい。
地味に自慢の父親だ。まぁ、仲がいいかと言われたら…私も年頃だしね。仲良くする程じゃない。
この父の親友に【八木倉緑郎】というおじさんがいる。すんごく優しいんだけど、何だか抜けていて頼りない。
そして、いつもめんどうを持ち込むのもこの緑朗おじさんだ。お父さんも緑朗おじさんには角砂糖ぐらい甘い。
…まぁ仕方ない、緑朗おじさんは六年前に奥さんを亡くしてシングルファーザーをしているから。
きっとほっとけないんだろうなぁ~お父さん。それに、お母さんから聞いたことがある。
緑朗おじさんの亡くなった奥さんは、お父さんの初恋の相手で、緑朗さんとは恋敵だったと。
昔同じ女性を好きになった者同士のシンパシーなのかなぁ、年甲斐もなく今でも仲良くしちゃってまぁ~。
ま、私には関係ないや。さぁ、今日はクリスマス!安いバイト代の為に頑張りますかなぁ~。
スマイルファクトリー、朝九時。綺麗な装飾でクリスマスムード満点の店内でせわしなく作業する沙織と義純。

沙織「お父さん、今日の予約分のケーキちゃんと準備出来てる?」
義純「誰にもの言ってんだ!」
沙織「お父さん。」
義純「ここでは店長と呼べ!」
沙織「はいはい。お父さんスポンジケーキまだ焼く?」
義純「だーかーらぁ!」

開店準備中の店内に緑朗が血相を変えて飛び込んでくる。

緑朗「すまん!邪魔するぞ!」
沙織「あ、緑朗おじさん。」
緑朗「おぉ沙織ちゃん久しぶり!」
義純「なんだ緑朗、クリスマス当日に血相変えて邪魔しに来たってどういう了見だ。」
緑朗「ケーキ屋に来たんだから、もちろんケーキ買いに来たに決まってんだろうが!」
義純「なんだ、てっきりパチンコ行きてえからって金借りに来たのかと。」
緑朗「それは大学の頃だろ!?子持ちの親父が遊び以外でマジにやるかっつーの。」
沙織「やってることは否定しないんだね。」
義純「コイツそこそこパチンカスだったからな。」
緑朗「んなことはどうでもいいんだよ!ヨシちゃん、クリスマスケーキって今からでもイケる?」
義純「お前…今年は予約に来ねーなと思ってたら…もしかして忘れてたのか。」
緑朗「いやぁ~面目ねえ…仕事が忙しすぎてさ、娘の誕生日プレゼントに意識が向いちまってソッチは手付かずに…。」
沙織「駄目だよおじさん、イベント時期は予約優先。当日のケーキ依頼は受けてないんだから。」
義純「そうだぞ、いくらお前の頼みと言っても…素材も今からだとなぁ。」
緑朗「頼むよ!十歳の娘が楽しみにしてんだ!今年こそクリスマスを成功させたいんだよ!」
義純「今年こそって、去年はどうだったんだよ?」
緑朗「去年はクリスマススケーキ種類を予約段階でミスして、ガッカリさせてイマイチだった。」
沙織「一昨年は?」
緑朗「三年連続プレゼントチョイスミスして、ガッカリさせてイマイチだった。」
義純「…お前、残念にもほどあるな。」
沙織「サンタ失格だね、初めてうちのお父さんの方がマシだと思った。」
義純「おい!どういうことだよ!」
沙織「ありゃ、つい本音が。」
緑朗「ちょっと!そっちの喧嘩は後にしてくれよ!今は俺だろ!」
義純「何だ残念サンタ。今年こそミスれないからって、凡ミスの尻拭いを俺にしろって言うのか?」
緑朗「誰が残念サンタだ!…まぁその通りなんだけどな。」
沙織「残念サンタさん、それは無理だよ。材料もそんな残ってないし。」
緑朗「沙織ちゃんまで残念サンタは落ち込むからやめてくれよ…ってそうじゃなくて!頼むよ!いくらでも払うから!」
義純「………。」
緑朗「おい、何処見てんだよ。」
義純「あ?いや、別に。…んー、そう言われてもなぁ…。」
緑朗「今年はプレゼントも完璧だし!あとはケーキだけなんだよ!」
義純「……まぁ、そうかもしれないけどなぁ…。」
緑朗「頼むよ!一生のお願いだ!」
義純「……いや、だけどよぉ…。」
緑朗「…なぁ。」
義純「そう言われてもなぁ、こっちも忙しいし。」
緑朗「おい、誰と話してんだよ。」
義純「え!?いや!?お前と話してるに決まってるだろうが!」
緑朗「いや、お前絶対俺の後ろ見て話してたよな。」
義純「んな訳ねーだろ!お前の見間違えだ、見間違え。」
緑朗「そうかなぁ…。」
沙織「緑朗おじさん、一個ぐらいならイケるよ。」
義純「おい!?沙織!?」
緑朗「本当か沙織ちゃん!」
沙織「うん、多分イケる。イケなくても店長が何とかします。」
義純「おい勝手なこと言うな!それに都合よく店長って言いやがって!」
緑朗「おぉ!女神!ミューズ!ビーーナス!」
沙織「それ、全部同じ意味ね。」
緑朗「感謝してんだよ!いやぁ!マジでありがとう!」
義純「おい!俺はまだ!」
沙織「(被さる様に)店長も、そうしようって思ってたんでしょ?」
義純「ぐぅぅ!…ったく、分かったよ。作ってやるよ。んで?何のケーキ作ればいいんだよ。」
緑朗「…ん?」
義純「んじゃなくて、何ケーキだって聞いてんだよ。」
緑朗「…クリスマスケーキ。」
義純「それは総称だ!ショートなのかチョコなのかブッシュドノエルなのか何なのかって聞いてんだよ!」
緑朗「…ショ…チョ…ショ、あーブッシュ殿だったかなぁ~。」
沙織「誰、ブッシュ殿って。」
義純「お前、さては忘れたな。娘が食べたがってるケーキ。」
緑朗「…ん?」
沙織「うわぁ~、結局残念サンタさんじゃん。」
義純「おい残念サンタ!ちゃんと思い出せ!」
緑朗「えー……っとね。え~っとぉ…。」
沙織「コレ絶対思い出せないパターンのやつだよ。」
義純「あぁ、こうなるとコイツは死んでも思い出さん。」
緑朗「いやちょっと待って!今思い出すから!」
沙織「(しばしの間)……ダメそうだよ。」
緑朗「いやいやいや!今回はそうもいかないんだって!へま出来ないんだから!」
義純「何だよそれ、残念サンタのくせに。」
緑朗「残念サンタは卒業してぇんだよ!愛果の父親として…カッコつけたいんだよ!今年こそ!…いつも仕事で帰りの遅い俺を、笑って待っててくれたりさ。嫌な顔せず家事手伝ってくれたり。明凜が亡くなった穴を、愛果は一生懸命埋めようとしてくれてんだ!そんな娘に、カッコつけたいんだよ。クリスマスぐらいは!娘を喜ばせられる!カッコいいサンタになりたいんだよ!」
沙織「…そもそも自業自得なんじゃ。」
義純「おい沙織!水差すな!…緑朗、なら真剣に思い出せ。」
緑朗「あぁ…分かってるよ。」
義純「なぁ…ちゃんと教えてくれ、力になりてぇんだ。」
緑朗「急かすなって…今思い出すから。」
義純「頼む、ガッカリさせたくないだろ。」
緑朗「おい!今思い出そうとしてるだろうが!話しかけるなよ!」
義純「え?あ、いやお前じゃなくて…。」
沙織「(被せる様に)あぁ!緑朗おじさん、一服したら?思い出せるかもよ?」
緑朗「あ?お、おぉ!そうだな!サンキュー沙織ちゃん!」

店の外に出て煙草を吸い始める緑朗。

沙織「よし、じゃあ私は材料確認してくるわ。」
義純「え!?お、おう、すまん頼むわ。」

店の奥へ向かう沙織、店のカウンターには義純だけ…に見えているが。
義純の眼には亡くなった緑朗の妻、明凜の姿が見えていた。

義純「はぁ~…なぁ、明凛。何で教えてくれないんだよ。」
明凛「…あの人全然思い出さないんだもん、こんな大事なこと。」
義純「だからってよぉ、すっと教えてくれてもいいだろう。」
明凛「駄目、これでもいつも助けてるんだから。今日ぐらい自力で思い出してもらわないと。」
義純「本当…昔からお前は頑固と言うかなんというか。」
明凛「だって…。」
義純「本当似たもの夫婦と言うかなんというか。」
明凛「ヨシ君に言われたくないよ、ヨシ君私たち三人で一番頑固じゃん。」
義純「はぁ!?どこが頑固なんだよ!」
明凛「二人が私に告白してきたときも、緑朗が告白したなら俺は付き合わない!って。私がヨシ君のこと選んでも逆に断ったり。和菓子屋継ぐって話だったのに、私達二人にウェディングケーキ作る!って言っておじさんの反対押し切って、無理やり和菓子屋から洋菓子店始めて。こうと決めたら曲げないじゃない。」
義純「…まぁそんなこともあったな。」
明凛「そんな人に頑固って言われたくないよ。」
義純「でもそれとこれとは話が違うだろ!知ってるんだろ?娘が欲しがってるクリスマスケーキ。」
明凛「もちろん、知ってます。」
義純「なら!」
明凛「(被せる様に)でもね、今回は、ろくちゃんが思い出す必要があるの。」
義純「どういうことだよ。」
明凛「…ろくちゃんね、彼女がいるの。」
義純「え!?ろ、緑朗に!?」
明凛「みんなには内緒でね、付き合ってる人が居るの。」
義純「おいおい…内緒ってアイツにそんな器用な真似が出来たのかよ。」
明凛「年下だけど凄く良い子で、愛果も懐いてるし。だから、私が陰ながら助けてあげてたの。」
義純「助けるって、幽霊のお前がどうやって…。」
明凛「幽霊じゃなくて守護霊!ろくちゃんがその人と上手くいくように夢に出てアドバイスしたり。ポルターガイストで部屋の電気暗くしていいムード作ったり、その彼女に付きまとってる男の人を祟って。そのまま離れさせたり、色々してあげたのよ。」
義純「やってること悪霊じゃねーか。」
明凛「いいの!そんなことは!私は今の自分にできることをろくちゃんにしたいの。」
義純「…明凛、本当にそれでいいのか?」
明凛「いいも何も、私…死んじゃったしさ。それに、愛果には、お母さんが必要だもん。勿論、ろくちゃんにも。寂しいけどさ…二人には、幸せになってほしいから。」
義純「…お前の気持ちは分かったけどよ、クリスマスケーキが教えられない理由にはなんねーだろ。」
明凛「だから、駄目なの。…二人にとって、二人だけのクリスマスは…きっと今年だけだから。」
義純「え?…おい!お前それって…再婚ってことか?」
明凛「うん。」
義純「おいおいおいおい!そんなとこまで話が進んでんのか!」
明凛「フフ、ろくちゃんだってやるときはやるんだから。」
義純「お前が自信満々なのはよく分かんねーけど。え、じゃあ今年は三人じゃねーのか?」
明凛「彼女さん、看護師でね。クリスマスは両方泊まり込みなんだって。」
義純「はぁ~ん。それで、二人で最後のクリスマスってか。」
明凛「そう。だからこそ、ろくちゃんには自力で思い出してもらわないと。」
義純「…なるほどなぁ。…なら、尚の事教えてくれよ。」
明凛「ちょっと!話聞いてた?」
義純「聞いてたよ、聞いてたからこそだ。お前の変な意地で台無しにすんじゃねぇってことだよ。」
明凛「意地だって、張りたくなるよ…最近ろくちゃん愛果にだらしないし。見てて心配って言うか…。」
義純「アイツは、いつもだらしない。」
明凛「そうかもしれないけど…。」
義純「それに加えて不器用だ。…だが、真面目で根は心底優しい。俺は、そんなアイツが好きだ。」
明凛「ヨシ君…。」
義純「お前も、そこが好きなんだろ?そんな緑朗がこの先心配で、守護霊になって、今の恋を応援する程世話焼いて。最後の最後に維持張っても仕方ねーだろう。」
明凛「……。」
義純「教えてくれ、愛果ちゃんが食いたいケーキ。」
明凛「…何か、負けた気がするから嫌だ。」
義純「おい!頑固者!」
明凛「フフ、冗談!…シンプルなショートケーキのヤツ。ろくちゃんが、愛果がケーキ食べられるようになって初めて買って来たケーキだったんだ。」
義純「あぁ!アイツ、ここで三時間以上粘って決めたアレか!」
明凛「もうさ、ケーキ一つ買いに行くだけなのに昼過ぎに出て気づいたら夕方に帰って来たしね。」
義純「〝初めて口にするケーキだから真剣に選ばないと!〟って、息巻いていたな。」
明凛「それが、ろくちゃんが忘れちゃった…愛果の食べたいケーキ。」
義純「…きっと、忘れてなんて居ねーよ。」
明凛「え?」

一服を終えて先ほどとは一変、まるで便秘が解消したような顔で戻って来た緑朗。

緑朗「思い出した思い出した思い出した!」
義純「おい、何のケーキだった?」
緑朗「ショートケーキだよ!俺が初めて愛果に食わせたアレだ!」

タイミングよく裏から沙織が戻ってくる。

沙織「店長、ちょうど4号のショートケーキなら作れるよ。」
義純「だとよ。良かったな、緑朗。」
緑朗「おお!マジか!助かるぅ!」
義純「でもいいのか?4号で。彼女さんの分別に用意するか?」
緑朗「…え?えぇ!?お、お前なんでそれ知ってんだよ!」
義純「お前、ちっせえ田舎町舐めんじゃねーぞ?隠しても逆に目立つんだからな?」
緑朗「お、おぉ。」
沙織「緑朗おじさんの彼女さん、どんな人?」
緑朗「…めちゃくちゃ良い子だよ。愛果のことも真剣に向き合てくれるしよ。それに、明凛のことも…大事に思ってくれる。墓参りも行ってくれたしよ…手を合わせて、泣いてくれたんだ。」
義純「良かったな…。そりゃ優しい人だ。」
緑朗「俺、だらしねぇだろ?だから…その…。」
沙織「結婚するの?」
義純「おい沙織!」
緑朗「そう!そうなんだよ!…だから、今年が三人で祝う最後のクリスマスだからさ。ケーキ無いと寂しいだろ?」
義純「…そうだな。きっと、明凛も同じことを思っているよ。」
緑朗「へへ、だといいけどな。」
沙織「絶対そうだよ、自信もって。」
緑朗「お、おう!」
義純「そしたら、昼過ぎまでには用意しとくから。また出直してこい。」
緑朗「おぉ!そうするよ!」
沙織「緑朗おじさん、クリスマス楽しんでね。」
緑朗「ありがとう、沙織ちゃん、ヨシちゃん。んじゃ!また後で!」

嬉しそうに退店する緑朗、一人残る明凛。

沙織「…じゃぁ~、私は準備してくるね。」
義純「おう、頼む。」

再度裏に行く沙織。

義純「…な、アイツはあぁいう男だって分かってんだろ?」
明凛「そうだったね、心配し過ぎて…何か色々間違ったかも。」
義純「間違っちゃいねーよ。お前が緑朗を好きな気持ちは…今もアイツを支えてんだから。」
明凛「ヨシ君…流石にセリフが臭くない?」
義純「うるせえな!…ほら、さっさと緑朗のとこに戻れ。アイツ、道端で転ぶかもしれねーぞ?」
明凛「それは子供過ぎるでしょ!…ありがとう、ヨシ君。」
義純「これぐらい、当たり前だ。」
明凛「…そういうヨシ君が、好きだったよ。」
義純「ば、馬鹿!早く戻れ!塩撒くぞ!」
明凛「フフ、砂糖しか無いくせに。…じゃあ、またね。」
義純「おう。クリスマス、楽しめよ。」

頷き、笑みを浮かべてその場から消える明凛。
少しニヤニヤしながら沙織が現れる。

沙織「へぇ~、お父さんの初恋の人。あんな感じかぁ~。」
義純「結構美人なくせに、中身が男って言うかなんつーか…って、お前今なんつった?」
沙織「ん?お父さんの初恋の人ってあんな感じなんだって。」
義純「いやいやいや!お前…幽霊見えんのか!」
沙織「ん?うん。」
義純「いつから?」
沙織「覚えてないよ、ずっと前からそうだったし。」
義純「…そしたら、お前今のやり取り全部…。」
沙織「ププ、〝そういうヨシ君が、好きだったよ〟って言われてたねぇ~。」
義純「いいか、今のことはすべて忘れろ。」
沙織「いやぁ~、忘れらんないなぁ~。」
義純「いいから忘れろ!忘れるんだ!」
沙織「今日のバイト代、ちょっと上乗せしてくれたら…忘れるかも。」
義純「ぐぅ!足もと見やがってぇ…。」
沙織「え~っと、お母さんと緑朗おじさんに話したら面白そうだなぁ~。」
義純「あ~!もう…分かったよ、上乗せしてやるから…勘弁してくれ。」
沙織「やりィ~!ありがとう、お父さん。」
義純「店長って言えって言ってんだろうが!」

【エピローグ】
《沙織》ナレーション。
数時間後。クリスマスケーキを取りに緑朗おじさんと明凛さんが店に来た。
緑朗おじさんはホッとした顔をして、それを見た明凛さんがとても嬉しそうな笑顔をしてた。
お父さんもそれを見て照れくさそうに笑っていて…まだ三人は親友なんだって、そんな気がした。
来年はきっと、5号のケーキを用意するんだろうなぁ。
緑朗おじさんに愛果ちゃん、新しい奥さんと…明凛さんのクリスマスケーキを。
そんなことを呟いたお父さんの横で、「そうだね。」と頷く私。
その時はもっと素敵なデコレーションをしてあげよう、家族四人で祝う初めてのクリスマスなんだから。




―完―


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

こちらのシナリオはクリスマスに出したものなので…今は季節外れですよね。
僕はやっぱり、オバケとか人外的なものが好きなのですねと…読み返しながら再三認識しました。

書きやすいとか、その方が面白いとか。
そういう理屈抜きに、そういう存在への憧れが強い…そう思いました。

んで、クリスマスって…毎年何で無差別に楽しみに思えるんでしょうね?
幸せの中なら倍に、何か嫌なことがあってもそれなりに。
幸せになれる、そんなイベントが僕の中でのクリスマスです。

そんな思いが、この家族たちの物語りを想像させたのかなと。
そう思いました。

では次も楽しんで頂けることを祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


【おまけ】

横書きが正直苦手な方、僕もです。
宜しければ縦書きのデータご用意したので、そちらもどうぞ。
※これは収録の際に使用したPDFそのままのモノとなります。記載内容の際などもありますが、その違いとかを楽しんで頂けると幸いです。


《作品利用について》

・もしもこちらの作品を読んで「朗読したい」「使いたい」
 そう思っていただける方が居ましたら喜んで「どうぞ」と言います。
 ただ〝お願いごと〟が3つほどございます。

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尚、一人称や日付の変更などは構いません。
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