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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第十六話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
十六話です。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第十六話
「メインストリート」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。

森の部屋を出てから、朝ご飯も兼ねて話していたメインストリートに行ってみたんです!
何か行ったことはないんですけど、異国の雰囲気がとにかく凄かったんですよ!

「昨日はありがとう、アコ。何か…凄い夜だった気がするよ。」
「良いってことよ!確かに凄かったぞ、野生の動物も宇宙人も、他のよく分かんないヤツも沢山覗いてたからな!」
「…沢山、本当に注意書き通りだったってことだね。にしても、確かに機能の廊下とは全然違うね。天井も高いし。」
「そうだろう!屋台も沢山!魑魅魍魎も沢山!毎日百鬼夜行だぜ!」
「夜行って、今朝…なんだっけ?さっきの森の部屋もずっと暗かったからもう時間の感覚も曖昧だけど。」
「おう!朝は朝だが、不思議な家にはそんなもん意味ないからな!まぁどうでもいいだろ!」

その時思ったんですけど、家の中ってことを忘れるぐらい感覚は〝外〟なんですよね。
メインストリートに漂う屋台のスパイスの香りのせいなのか、あのお祭りみたいな景色のせいなのか。
とにかく、あの家はもう一つの国にすら近いんだなって…あれ、僕は今…何を言いたかったんだ?


「そうかい、まぁいいか。それより、朝ご飯まだかなぁ。」
「そうだなぁ~、ここの浮世のスクランブルエッグサンドと血の池ピラニアのトムヤムプラーは絶品だからな!」
「そうなんだ…血の池ピラニアって、中々物騒な食材な気がするんだけど。」
「このメインストリートは地上に近い分、地獄からの新鮮な食材が手に入ることでも有名なんだぜ!」
「そうなんだ…じゃあ他にも地獄の食材が?」
「ああ!食用の青い彼岸花に針の山タケノコ、あとは岩石卵に地獄牛に地獄蛇。色々あるし、濃い味で美味いんだぜ!」
「へぇ、妖怪の食べ物に地獄の食べ物…沢山あるんだね。人の世界も沢山あるけど、こっちも美食の世界があるのか。」
「飯は大事なんだぜ、特に家族にとってはな。家族を笑顔にすんのは、挨拶と食い物って相場は決まってるからな!」
「確かにそうだね。」

そう言われて、周りを見渡したら…みんな笑顔だったんですよね。
何かそれを見て、僕ちょっと泣きそうになったんですよ。
今の時代、皆が笑顔になってる場所って少ないと思っていて、だから凄く感動したんですよね。

《料理が運ばれてくる。》

『お待たせヨ~、浮世のスクランブルエッグサンドと血の池ピラニアのトムヤムプラーネェ~。』

「おお!来た来た!美味そうだなきつね!んじゃ!頂きまーす!」
「いただきます。」

え、料理の味ですか?
凄く美味しかったですよ!凄くフワフワで、スープはピリ辛で旨味もガツッと感じられて。
今度、一緒に食べに行きましょうね。





続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

あの、水曜どうでしょうって番組知ってます?

僕その中でも『ベトナム横断』を原付でやる実質地上波シリーズ最終回の企画がありまして。

それが心に残り続けていて、何が印象的っていうと。
あの街並みとか、何か見切れる現地人の方々大体笑顔に見えるとか。

その異国感がとても味わえる企画だったんですよね。
それを思い出しながら書きました…行ってみたいな…ベトナム。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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