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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第十七話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
十七話です。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第十七話
「海の家」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。

オバケさんは、海って好きですか?
僕は、好きです、晴れた日は穏やかで静かに波が行きかっていて、眺めているだけで何もかもどうでもよくなる。
でも、海の中はもっと…何と言うか、綺麗でしたね。


「…妖怪スーパーで、キュウリ買っといて良かったね。」
「このキュウリ、海の中でも使えるんだな…初めて知ったぜ。」
「え?ここって海なの…ってあぁ、サンゴ礁見えるね。それに、何か…イルカが居るよ。」
「お?どうした?親父ギャグか?」
「やめて、無意識だから…にしても、海の部屋か…森の次は海って、二階は自然と都会の共存って感じだね。」
「確かにな…つうか流石にここに住まないのは俺様でも分かるぜ。」
「いや、ここにしようかなとか…ちょっと考えてた。」

え?だって海の中って住んでみたくないですか?
あの青い世界で、ずっと漂うように生きるって…穏やかでいいじゃないですか。
え?変ですか?


「え!?マジかよ…何でまたここに…。」
「ほら、暗い森よりは安全だし。なんせ綺麗じゃないか、僕水族館とかが大好きでさ…夢だったんだよ。」
「今は悪魔だからいいけど、人間の頃から変なこと考えていたんだな。正直、驚いたわ。」
「変かな…例えばだけど、宇宙ステーションに住んでみたいとか、お城に住んでみたいも、異世界に住みたいも。
似たようなもんだと思うんだけどね。」
「まぁ俺たち悪魔にとってはそんなもん、もう絵空事じゃなくて実現できることだって言うのは理解しただろきつね。」
「うん。悪魔にとっては、住む場所なんて選び放題なんだね…本当にここにしようかな。」
「…やめようぜ。ここだとよ…俺様が駄目になっちまう。」
「なんで?素敵な部屋じゃない。」
「…ここでは、家電が使えねぇし…サブスクが観れない。それに…ゲームも出来ねえ!」
「…悪魔なのに、随分と人間臭いと思っちゃったよ。…別な場所にしようか。」

アコはドラマやゲームが好きなんですよね、なんか僕よりも人間っぽいって思いますよ。
元々人間に興味津々だったらしくて、僕と住み始めてからはどんどん人間みたいなことも考えるようになって。

僕は逆に、悪魔的な考え方が増えたのかな…。
海の中で住みたい気持ちとかは、悪魔とかそういう方々に多い考えなのかなって。
現実的に考えている自分を考えて、ついそう思っちゃいました。




続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

宇宙飛行士の方が、訓練のために海中で宇宙空間を想定して生活する訓練があるのを漫画とか記事で読んで。

「どんな感じなのかな?」って想像していたんですけど。
実際水圧とか色々と閉鎖的で怖いのかな?とか何か考えちゃって。

でも沖縄とかの珊瑚礁が見える海に住めるなら、気持ちいいのかなとか。
そんな「海で済むならどの海が良い論争」を頭の中で想像するのが楽しい回でした。

妄想の中では、どの海に住んでも平和なんですけどね…。
(何言ってるんだろう、僕。)

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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