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新卒入社半年の22歳コンサルタントが研修講師になるまで <Part1>

こんにちは、Kanami(@kanami_okada)です!

みなさんは研修やセミナーを受講したことはあるでしょうか?

多くの企業では新入社員研修や管理職研修が実施されており、一度は受講したことあるという方がほとんどではないでしょうか。

これまで受講した研修やセミナーを思い出してみてください。
みなさんにとって研修講師やセミナー講師はどんな人に見えていましたか??

私は新卒でコンサルティング会社に入社してから今まで、自分自身が研修・セミナーを受講する回数以上に、講師として登壇する回数の方が多いというキャリアを歩んできました。

もとから研修講師・セミナー講師(以降研修講師に統合して表記)を目指していたわけではありません。

それでも研修講師として経験を積んで来年で10年目を迎えます。

経験を積むにつれて、研修講師としての在り方や技術を人にお伝えする機会も増えてきました。

自分なりにこれまでの経験を振り返り、できる限り言語化してきたつもりではあったのですが、最近メンバーから「なんでその発言をしたかがわからない時がある」と言われ、『自分で思っているよりも言語化できてなくて、感覚でやってるかも😱😱😱』という危機感が急に芽生えました。

ということで、10年を迎える前に、これまでの経験をがっつりと棚卸しをして、やってきたことを明確にすると共に、できる限り経験や技術を言語化したいなと感じました。

経験を棚卸しすることで、今後の課題や伸び代も見えるのではないかと少しワクワクもしています✨

さて、経験を洗い出した後に知識や技術は体系化するとして、まずは、どうして研修講師になったのか、どうやって研修講師になったのかから思い出して書いていきます。


コンサル会社で研修講師になった訳

私が新卒で入社したのはDeloitteグループのコンサルティング会社「トーマツイノベーション(現:ラーニングエージェンシー)」です。
通常コンサルティング会社で研修の講師になることはありません。

ですが、私が入社したコンサルティング会社は中堅・中小企業向けに特化したコンサルティング会社でした。
もちろん経営の支援をしますが、中堅・中小企業様の特徴として、どんな戦略を立てたところで、人財がボトルネックになることが多いのです。

体系的な教育研修がない、社員を育成する仕組みが整っていない。
こういう企業様が非常に多いのが実態です。

今は8期目の約20名の会社に勤めていますが、この実態にはすごく実感があります。

ですから、そういう人財面を支援していかなければ戦略が実行されないということで、人財教育の支援も積極的に行っていたのがトーマツイノベーションです。

トーマツイノベーションは法人向けの研修で初めて「定額制の研修」を開発した会社でもあります。

「定額制の研修」とは、従業員規模に合わせて月会費を支払うことで、トーマツイノベーションが開催するオープン型の研修(当時は)約120テーマを全社員が何度でも受講できるというスタイルです。

当時のトーマツイノベーションのコンサルタント職は
・定額制研修会員を募る新規開拓営業
・定額制研修会員企業様へのルート営業
・研修講師(オープン型の定型研修)
・研修講師(企業オリジナルのカスタマイズ研修)
・研修コンテンツ制作
・コンサルティング業務(人事制度、業務改善など)

を1人のコンサルタントが並行して担当していました。

もちろん、経験や強みに合わせて、業務のバランスは変わります。
新卒は新規開拓営業/既存顧客へのルート営業/研修講師を中心に担当し、経験を積んでいくと、徐々に企業オリジナル研修やコンサルティング案件にアサイン(割り当て)されるようになります。

もともと、コンサルタントを目指してトーマツイノベーションに入社したのですが、研修講師なども並行して業務ができることも私にとって魅力の一つでした。

研修講師として生きていくわけでは無いにしても、人前に立って話をすること、わかりやすく伝えることという力は必要だと思ったからです。

トーマツイノベーションに入社してから、約半年で研修講師としてデビューし、2年目からはオープン型の定型研修を中心に年間100回ほど講師として研修に登壇するようになりました。

ここからは、研修講師としてデビューするまでの道のりなどを振り返りたいと思います。


新卒入社半年の22歳コンサルタントが研修講師になるまで

私が研修講師として初めて登壇したのは、入社してから半年経った9月でした。

当時は名古屋支社で働いていました。
名古屋支社は私の入社と同時に立ち上がった支社だったため、人員が少なく、新卒の講師デビューが他のエリアと比べて数ヶ月早かったことを覚えています。

名古屋支社の新卒は私を含めて2人だけ。
同期の中で誰よりも早く講師として登壇しなければいけないという状況にプレッシャーを感じながら、必死に準備と練習をしました。

具体的にどんな準備と練習をしたのかを紹介していきます。

ここで紹介するのは、当時の私が実践したことですので、研修講師になるための方法を体系的にまとめたものではないという点だけご留意いただければと思います😊

実際にやった準備と練習
 1. 先輩講師の動画を視聴する
 2. 関連書籍を読みあさる
 3. 自分で実践する
 4. シナリオを作成する
 5. 録音して話す練習をする
 6. 人に見てもらってフィードバックをもらう

具体的な内容に入る前に、どういう状況だったかを少し記載しておきます。

私が名古屋支社に配属されたのは、入社した年の7月でした。
4月は東京で研修→5月から大阪支社へ配属→7月に名古屋支社へ転勤と、入社して直ぐに転勤を経験することになります。

最初、立ち上がったばかりの名古屋支社に新卒は配属されていませんでしたが、4月末のタイミングで急遽新卒を2名、公募制で名古屋支社に配属させることが決まりました。

支社の立ち上げを経験できるタイミングなんて今後来ないかもしれないと思い、手を挙げ、(面接はありましたが)無事に7月から名古屋支社に配属となりました👏👏

研修講師としての準備が本格的に始まったのは名古屋支社に配属された7月からです。

7月時点で「話す力【基礎編】」というテーマで10月に講師登壇することは既に決まっていました。

講師として登壇するには、CS本部と呼ばれるセミナーの品質管理をする部署からお墨付きをいただかなければいけません。

CS本部からお墨付きもらうために、CS本部からの支援も受けながら準備・練習したことが先ほど記載した6つです。

6つの具体的な内容に入る前に、講師デビューに向けてCS本部が実施する研修講師勉強会が実施され、そこでは主に心構えについて学びましたので、まずは勉強会で学んだ心構えについて記載していきます。


研修講師に求められる心構え

奇跡的に、当時使ってノートがまだ残っていました。

そのノートにメモしていた内容をもとに、研修講師勉強会で教えてもらったことを振り返りたいと思います。


1.研修テキストは必ずストーリー設計書から作成する
各スライドのキーワードを書き出し、全体のストーリーを可視化すること。

2.研修テキストはお客様の反応をみて研修直後に改善する
研修はお客様の反応をリアルタイムで受けることができる貴重な場です。その場で帰ってくる反応全てが自分へのフィードバックですので、それを次の研修に活かすために、次回への改善点を直ぐに振り返ること。

3.まずは「知って得する知識と理論」、次に「実践するためのシンプルなコツ」
研修のゴールは「行動変容」に置くことがほとんどです。
いきなり行動変容は起こらず、まずは知識・理論についてお客様に腹落ちしてもらうことが先決です。知識・理論に腹落ちしたら「で、どうすればいいの?」となりますので、実践の時に直ぐに活用できるコツを研修中にお伝えすることが行動変容につながります。

4.「実践するためのシンプルなコツ」を実行してもらうためにはお客様にイメージを持ってもらうことが重要
行動変容を起こしてもらうためにもう一つ必要なのは、「実践のイメージを持ってもらうこと」です。
そのためには事例が重要。
当日の参加者の名簿を見て、業界・職位・職種・企業の人数規模・売上規模を把握し、それぞれの方に当てはまるような事例を準備をすること。
研修講師だけでなく、コンサルタントとして企業の社長や現場の方とお話しする機会があったので、事例は集めやすかったと思います。

事例を集めるには
・自分で実践する
・お客様から実際に話をきく
・書籍を読む
などの方法があります。
でも、何も意識しないままでは事例にはなりません。

常に、研修コンテンツを意識しておくことで、「あ、この経験はあの研修の◯◯の部分での事例として使えるな。」と紐づけることができるのです。

5.研修では全てのお客様に必ずおみやげを持って帰ってもらう
何のために研修をやっているのかを忘れないこと。
研修はお客様のためであり、私たちのお客様は社長である(←コンサル会社だったので🏢)。お客様の企業が良くなっていくための一助となることを意識する。
参加者の皆様は、会社の貴重な時間を使って参加してもらっているので、研修に参加してもらうからには何か持って帰ってもらうことを強く叩き込まれました。そのため、寝ている方にも声を掛け、しっかりと受講していただくことを徹底していました。

6.我々は講師ではなくコンサルタントである
研修だけに対応するのではなく、コンサルタントとして全てに対応する。そのために必要な本は全て読む。
研修は集合コンサルティング。研修講師だと思って登壇すると行き詰まる事になると教えていただきました。

正直に言うと、当日は「そんなものなのか」と思うくらいでした。
でも、今ではこの時教えてもらったことがとても重要だったと感じることができます。

研修講師だとなぜ行き詰まってしまうのか?
一言で言うと「現場への意識の欠如に繋がる」ことだと思います。

コンサルタントという職業は、日々仕事の現場に入り込んで、お客様と一緒に活動することが多いです。
日々の活動がどうやったら良くなるのか、何を変えていけばいいのかという意識が自然と強くなるため、研修講師として登壇する際にも現場を意識して研修を実施することができます。

一方で、研修講師が現場に関わることはほとんどありません。
どんな現場で、どのような活動が行われているのかを深く知る努力をしなければ、一方的なインプットを伝える研修に終始してしまい、「いい話を聞いた」止まりの研修になってしまいかねません。(研修講師が現場を意識していないということではありません)
いい話をするのではなく、参加者の現場に影響を与えるために何が必要か?を考えるという点で集合コンサルティングであると思うようにしています。

7.研修講師をやる前に、テキスト作成者に「テキストのこころ」を聴く
当時は決まったテキストで研修を実施していたので、「研修テキスト作成者に設計の意図を聴く時間を取ること」というのを教えていただきました。
逆にいうと、テキスト作成には必ず意図があります。今は自分でテキストを作りますが、どんな意図を持って作成するかは意識しています。

8.研修で話をする時は上から目線にならない
研修講師は「先生」という立場になりやすいですが、当時の私は新卒半年。
社会人歴でいえば参加者の皆様の方が先輩です。
伝えるべきことはしっかりとお伝えしなければいけませんが、上から目線になっては話を受け取ってもらえません。
あくまで一緒に実践する対等な関係であるということを意識して言葉遣いを工夫していました。

例えば
「言葉で言うのは簡単ですが、実践は難しいですよね」
「私も最近やり切れていなと思う瞬間があるので一緒に頑張りましょう!」
「先日、つい〇〇という失敗をしてしまいました。常に完璧とはいかないですね」
ということを伝えたりします。

参加者のみなさんは、現場でそれぞれ一所懸命に取り組んでいらっしゃるという前提に立つようにしています。

9.満足度が高かった次の研修は手を抜くな、気を抜くな
研修は1回1回が勝負です。
自分にとっては数ある研修の中の1回だったとしても、お客様にとっては1回きりの研修であることを肝に銘じる。


こんなことが当時のノートに残っていました。
今でも大切にしているものが多いです!!

一方で置かれている環境が当時とは違うので、今は違う考え方をしている部分もあります。

研修講師としての意識の変容に関しては、また別の記事で書けたらいいなーと思います😊

次の記事からは、研修講師デビューまでに実施した6つの内容についてまとめていきます!!


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