人に厳しく自分にも厳しい理由
理想は、人には優しく自分にも優しくしたい。それができたら、どれだけ心が穏やかに暮らせるのだろうか。だけど、それができないからもがき苦しむのかもしれない。
韓流ドラマの『青春の記憶』では、何度も見るのを辞めようと思ったくらい人を憎み、夢を叶えようとする家族に諦めるようにグチグチ言うシーンがたくさん出てくる。「この人、何がしたいんだろう」ってモヤモヤした。
頑張って先を見てみると、「あ～そういうことか」と納得できた。
『青春の記憶』のあらすじ
俳優になる夢を追い続けるモデルのサ・ヘジュン（パク・ボゴム）は、努力を続けるものの成功には程遠く、出演料の未払いで所属事務所とはトラブルになり、アルバイト生活を続ける厳しい毎日を送っていた。自分と同じ夢を持つ親友のヘヒョ（ピョン・ウソク）には差を付けられ、周囲からはヘヒョのおまけのような扱いを受けている。そんなヘジュンのもとに兵役通知が届き、現在26歳で兵役の期限も迫るヘジュンは夢と現実の狭間に立たされていた。ある時、ヘジュンとヘヒョは出演するファッションショーでメイクアシスタントのアン・ジョンハ（パク・ソダム）という同い年の女性と出会う。ジョンハがヘジュンのメイクを担当したことで3人は知り合い親しくなっていくが、実はジョンハはもともとヘジュンのファンで、ヘジュンが夢を追い頑張る姿が、同じく夢を追い続ける彼女の励みになっていた。
このドラマは、パク・ボゴムが主演ということで見ることにした。
調べてみるとパク・ボゴムは、好感度の高い俳優さんで有名らしくて、写真を見るとナチュラルな笑顔が、心までキレイにしてくれそうなくらいの爽やかさ。これは、世界中の女性の胸の中にボゴム様がいること間違えない。
「ボゴム様の笑顔をもっと見ていたい」と思ったから見始めたのが『青春の記録』だった。
だけど、見ていられない。ヘジュン（ボゴム）のお父さんが、俳優になりたいという息子の夢を諦めさせようと陰湿なほどグチグチ言っていたから。
ヘジュンはモデルをしていた。だけど、売れてないから、事務所から見放されて、家族からも反対されていた。それでも、”最後”だと思って俳優になりたいという夢にかけることにした。
応援してくれるのは、イケオジのおじいちゃんと、ヘジュンの可能性をずっと信じていたマネージャー、そして、ショーで知り合った、ヘアメイクアーティストで有名になりたいジョンハのみ。
夢を応援してくれる人が3人もいれば、これほど力強いものはない。
だけど、ヘジュンの両親と兄は、強烈なほど芸能活動をすることを反対をしていた。それは、みんなが夢を諦めて、現実的に職業を決めて、不満のある毎日を過ごして、贅沢を言わすに必死に生きてきた。
その人から見たら、「モデルをやめて俳優になりたい」っていう弟に、早く夢から覚めてほしいって思っていたに違いない。
予想に反してヘジュンは、ものすごいスピードで売れていった。送り迎えの車が家の前に来るようになり、周りの人からサインをねだられ「もう仕事辞めてもいいでしょ。息子に養ってもらえばいいのに」と言われるようになる。
家族は、ますます面白くない。楽してチヤホヤされて、華やかな世界にいってしまうヘジュンに、応援どころか、失敗したらいいのにとさえ思っている。
「ちょっと背が高くてかっこいいくらいでうぬぼれるな」
「自力で大学に入って、銀行に勤めている兄を見習いなさい」
「好きなことで食べていけるほど、世の中甘くない」
夢に向かって進んでいるヘジュンは、家にいると屁理屈の嵐が止まない。
なんなんだ、この家族は。
なぜ、家族の間でこんなに言い合うのだろう。
きっと思ったことが叶わなかった人は、やりたかったことも好きなことも、思い出せないくらい日々に追われているんだろう。
忙しかったり、心配しなきゃいけないことがずっと解消されない状態だと、些細なことに気が付けない。自分にしてくれてることも「そんな無駄なことする暇があるなら稼いで来い」とののしるしか無いなってしまう。
この家族が変わるときがくる。
それは、ヘジュンが俳優として賞をもらったステージでのこと。
ヘジュンは受賞のスピーチで「この賞を応援してくれた母とおじいちゃんに捧げます」と言った。おじいちゃんは最初から応援してて、母親は頑張ってるヘジュンの姿を見て味方になっていた。
父親と兄は、客席で暗い顔でため息とともに下を向いた。自分が応援してこなかったことが、この場で暴露されてしまった。それと同時に、自分でも自覚した。
「夢なんか見てないでしっかりしろ」ってヘジュンに言ってきたことは、間違えだった。どうして「がんばれ」って応援してこなかったんだろうって。
父親はヘジュンに、辛いときに力になって応援してこなかったことを謝った。立派で強くて、夢を叶えているヘジュンは、どう見たって自分よりも立派だった。どう接していいのかわからない、それは劣等感からきているものだった。
それを自覚したから、息子に謝れた。
自分で自分のことはわかりづらい。父親が抱いていた劣等感が、怒りや否定的な考えで覆われていて、わからなかったのかもしれない。日々の忙しさで”ちゃんと””普通”の選択をしていない息子に、十分向き合えなかったのかもしれない。
うまく接することができない人がいたら、自分が相手に対して抱いている感情と別のことを強く思っているのかもしれない。
それはお互いかもしれないけど、本当のことを探す時間が必要。
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