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冷たい人?いや、信頼できる人

冷たい人が苦手。
無表情で、マイペースを崩さない人。


1番最初に飲食店のバイトをしたとき、浜崎あゆみ似の白ギャルの先輩がそうだった。

他の人とも無表情で話してて、新人の私に「そろそろメニューを覚えてよ」とか、「洗い物たまってるの見えない?」とキツイことばっかり言ってくる。

ただただ怖くて、その先輩に怒られないようにって気持ちで仕事を必死で覚えていった。


怖い存在の先輩を見ていると、お腹の中は内蔵じゃなくて嫌なことがぎっしりと詰まってて、人の文句を言うネタを探してるから、いつも不機嫌そのものなんだろうって思ってた。

最初はなにを考えているかわからなかった先輩だけど、誰にも同じ態度で、媚びたり、調子の良いことやウソは言わないだけなんじゃないかなって思いに至った。

裏表がなく、信頼できるのでは?って思って親近感を覚えたときに、先輩が卒業&就職でバイトを辞めた。


父が悪性リンパ腫(検査中)で診てもらっている血液内科のK先生がまさにそんな感じ。

だけど、私は怖い先輩と出会ったことで学んだから、免疫はできてる。実際は結構怖かったけど。(内容が内容だけに)

話を聞いていくと、父の体でどんなことが起きていて、どんなことが考えられるのか、わかりやすく説明してくれた。


これからの検査のこと、なにを知るための検査なのか、まだ先生もわからないことが多いけど、ざっくりとしたスケジュール。

「先生。これからよろしくお願いします」と家族一同で願いを込めて頭を下げると、立ち上がってお辞儀をしてくれた。


診察室を出て「ものすごくわかりやすかったね」って言葉が最初に出た。不安の半分以上が納得したことで消えていったのがわかる。

得体のしれない不安より、検査をして確実なことを知っていきたいって思えた。

K先生のおかげ。
緊張と不安と混乱で張り裂けそうになっている私たちでも、スムーズに理解できるように伝えてくれたから。


不安を植え付けず、希望を与えすぎず、過不足ない説明だったことで私たちは「K先生は信じられるっていい先生と巡り会えたね」って心の底から思った。

疑い深い慎重派な父も、何度も「信頼できる先生だね」って言っていて、私も安心。

命を預ける先生を信頼してこそ、ガンをやっつける大変な治療ができる。


先生、よろしくお願いします。



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